[ ファイナルファンタジー5 ]
低レベル一人・準コマンド封印ボス撃破(第四期戦術賞受賞作品)
・プレイ方針

1.レベル1キャラ一人
2.使用コマンドはたたかう、アイテム、時空のみ(但しメテオ、クイックは禁止)
3.ロッド投げ、魔法のランプの使用、ワンダーワンドでの「たたかう」を禁止
4.即死、瀕死、石化、バーサク攻撃を禁止


基本的な方針は以上の通りです。3と4は現在では常識に近いので、メインは当然1と2の方になります。
なお、今回のこれはプレイ「条件」ではなく、より曖昧なプレイ「方針」なので、
一部の戦闘は上の方針を若干弛める形で行われています(例えばレベル1一人ではなくレベル2一人など)。
このあたりの詳しい話は攻略本文を参照して下さい。

レベル1で一人、さらにコマンドもほぼ封印という破滅的な戦闘力で
並み居るボスを倒すのは並大抵のことではないのですが、
今回の攻略は、この限られた選択肢の中で極限の戦術を追求する、
ということがテーマとなっています。
行える行動は(一部の戦闘を除いて)たたかう、アイテム、時空のみと非常にシンプルなのですが、
その中でできる限りの工夫を凝らし、何とかギリギリでボスを撃破できる線を見いだそうと努めました。
結果として多くのボス戦では狂ったような試行回数の末に突破するという力業を強いられましたが、
ただの力押し攻略に堕してはいないつもりです。
今回の攻略もコマンドを封印しているため、攻略の多くは非常に地味なものではありますが、
美しい戦術理論とはまた違った味を感じ取ってもらえれば幸いです。
(MS-06さんのコメントより)


●審査員からのコメント

FF5はその戦術の多彩さ故に、ゲームを通してのプレイ条件を定めてやると一部のボスはどうしても簡単に倒せてしまうのが難点です.これは多くのやり込みに当てはまることではありますが、FF5のようにやり尽くされているタイトルの場合、それが顕著に感じられるのだと思います.この攻略からはそのような枠にとらわれず、極限での緊張感ある戦いをしたいという意図がうかがえます.

実際、ここまで絞られた「方針」であるにも関わらず、多彩かつ独創的な戦術により勝利をおさめているボス戦は多いです.サンドウォーム戦でのスリップに耐えるためのリジェネの活用、アポカリョープス戦における豊富な青魔法を逆手に取ったレベル5デス反射、ネオエクスデス戦におけるデルタアタック反射など、トリッキーな戦術がある一方で、飛竜草やクリスタル戦のような一つ一つ地道に組み立てたような戦術もあり、戦術のレベルは総じて高いと言えるでしょう.

一方、この攻略のやり込み作品としての弱点もこの「方針」にあると言えるでしょう.
他者から見た「プレイ条件」というものの重要性の比重は、本人のそれよりも総じて高いからです.条件が流動的ゆえに「なぜこの条件で攻略できるのか」という問いに対する解を読んだときのインパクトが薄くなってしまう点は否めません.
また「全体を貫くプレイ条件をいかに極限に近づくように定めるか」という点を、やり込みの一部だと考えている人にとっては、この「方針」という位置付けは非常に微妙なラインであるとも言えます.

とはいえ攻略自体のレベルは極めて高く、条件を緩めた戦いも決して「妥協」ではなく、極限まで練り上げた理論とそれに裏付けられた結果であることは間違いありません.やり込みの評価として「各戦術」に重点を置くのか、「条件とそれに対する解」としてとらえるか、それによって評価は変動することになるでしょう.
(2003/08/17 にゅすけ)


「レベル1ひとりクリア」では前回の最優秀賞であるにゅすけさんの攻略記事が記憶に新しいですが、MS-06さんはにゅすけさんとは別の視点から攻略されています。にゅすけさんの攻略は初期条件を保持した上で攻略する「条件維持攻略」であり、MS-06さんの場合は極限の攻略を追及するために臨機応変に基本方針に条件を付加する「条件変則攻略」を主としています。初期方針を戦闘によって変更すると言うと聞こえが悪いですが、MS-06さんの場合は戦闘毎に極限の攻略を追及するものであるため、方針を変更された戦闘でさえ難易度の高い攻略となっています。例えばマギサ&フォルツァ戦はレベル2で攻略していますが、それでも難易度は高いままで素晴らしい攻略となっています。また方針変更を余儀なくされた戦闘でMS-06さんはなぜ変更せざるを得なかったかを詳しく説明されているので、MS-06さんが辛い思いで方針を変更した事が伝わってくる内容になっています。

さてプレイ内容ですが、上で挙げた通りどの戦闘も難易度の高いものとなっていますが、私が特に目を引いたのは敵の攻撃を逆に利用したアポカリョープス戦とネオエクスデス戦です。特にアポカリョープス戦はまさか敵が使ってくるレベル5デスで倒すなんて想像さえできなかったです。しかもレベル5デスに到達するまでの行動が全て緻密に計算されており、これこそ「美しい攻略」と言ってもいいくらい素晴らしい攻略でした。しかし倒すまで600回以上のやり直し・・・自分ではそこまでは我慢できません。本当にご苦労様です。ただすこし気になったのはプレイ方針の中に「即死攻撃を禁止」にしているのに対して敵の即死攻撃反射を許可している事です。方針紹介の項では、制限解除をレベル→コマンド→人数としており即死攻撃禁止の制限解除について記述されていないのでどうかと思いましたが、今回のMS-06さんの攻略が方針に捕らわれない極限攻略であり上記攻略は極限といえるものであると私は判断しましたが、これは読者によってよりけりかもしれませんね。他にも上記で述べたマギサ&フォルツァ戦やクリスタル戦が私の気に入った攻略です。

FFV低レベル攻略については大会第1期から審査させてもらっていますが、今回のような戦闘に合わせて方針を変える攻略を審査するのは初めてであり、また私自身低レベル攻略(条件維持攻略型)経験者であるため、少しとまどいがありました。しかし読み始めるとFFVを極める上でこういうやり方も面白いなと感じました。条件維持攻略型は最初から最後までその条件を保持しようとするため、どうしても目標をすこし下げて設定しまいがちですが、条件変則型ならば始めに厳しい条件を与える事ができる。そして通常はそれを保守するかたちを取ることでやり込みの難易度の高さを示すことができる。今回のMS-06さんの攻略を筆頭にこれからも様様な条件変則型を見てみたいと思いました。ただMS-06さんが攻略で記しているようにあくまでも「妥協」ではなく「極限の攻略の追及」ですので、挑戦する方はあまり方針を変更しすぎないようにお願いします(笑)
(2003/08/17 jun)
MS-06さん
→MS-06さんによる解説
03/06/28 公開
■この作品の著作権はMS-06さんにあります。無断転載は禁止です。

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 1人で戦う割にはキャラの微妙な個体差によって首の皮一枚で耐えたり、普段あり得ない防具を使った戦法、そして、時空の利用制限解除による戦略性の拡大、極めて特異性が高いと思います。
 「方針」であることを利用したギリギリの抜け道も柔軟性を広げ、独創性爆発で素晴らしいです。
 レポートも良くまとまって読みやすかったですが、発狂モノな所は文字の色やサイズを変えると面白そうでした。
はたぼー■03/07/01
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