創作道(第二部)
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いよいよ話作りについての研究がスタート。まずは基本的な部分から。
よく起承転結と言われるけど、いまいちピンと来ないので、自分なりにもう少し詰めてみた。
とりあえず予想では、
この三段論法で面白い話が作れるんじゃなかろうか。
掴み | 読者に興味をもたせる。 |
人間ドラマ | 読者を夢中にさせる。ハラハラドキドキさせる。 |
カタルシス | 読者を納得させる結末。 |
例えば、
掴み | 碁盤を触っていたら幽霊が出てきました。でも、なんだか今までの幽霊漫画とは違います。 |
人間ドラマ | ヒカルを追う塔矢。塔矢を追うヒカル。彼らの想いはどのような展開を迎えるか!? |
カタルシス | まさかの成仏ッ! でもヒカルが成仏した師匠の意志を継いだーッ! |
とか、
掴み | 悟空と同じ尻尾。ピッコロがびびる程の圧倒的な強さ。奴は何者だッ!? |
人間ドラマ | 悟空とピッコロが手を組んだ! 悟飯が怒った! ラディッツが兄弟の情に訴えつつ不意打ちしやがった! バトル当事者それぞれの思惑の交差に燃えるッ! |
カタルシス | 悟空が死んだァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーー! |
なんてね。
掴みとカタルシスのあいだの『人間ドラマ』は、漫画によっては『発想合戦』だの『読者への直接的なメッセージ』だの『蘊蓄』だのに置き換えることもできるけど、基本はやっぱり登場人物の喜怒哀楽ってところで。
人間ドラマは、各人が本気でぶつかり合う姿を描けば良いと思う。
バトルモノなら | 当事者の本気のぶつかり合い。ベジータ戦とか、地下闘技場とか。 |
スポーツモノなら | やっぱり当事者の本気のぶつかり合い。塔矢名人戦とか、王城戦とか。 |
恋愛モノなら | とことん当事者の本気のぶつかり合い。 |
どんなジャンルでも、本気→本気→本気でいけそう?
“掴み”に対する第一印象を膨らませる方向で話を作ってはどうか。
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掴みをあくまで雰囲気作りの小道具に終わらせて、掴みとは方向性の違う本編を描くと、“騙されたッ”って感情に陥り易いような気がする。
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よく昔のファンタジー漫画であったのが、最初のページで壮大な伝説を語っておいて、次のページから駄目冒険者の与太話が始まるってやつ。ああいうのはできるだけ避けたい(好きだけどね)。
読み手の立場から言えば、
× | どんでん返し |
○ | 期待に答える展開 |
◎ | どんでん返し+期待に答える展開 |
読み手の予想を裏切るということにばかり気を取られて、期待外れの展開にならないように注意しなきゃね。
様々な伏線によって読者に“予感”させて、その予感どおりの展開を形にすることで、カタルシスを味合わせてはどうか。
例えば、
JoJo第三部 | 「オラオラですかぁーッ!?」「Yes、Yes、Yes、Yes…」。そして次のページをめくるときの胸の高鳴りといったらもう! |
ストーンオーシャン | じょう太郎はきっと復活する!復活してほしい!→復活したァーッ! |
FF8 | タイトルロゴであんなことしてるくせにリノアと喧嘩ばかりのスコール…どこで変わる?どう変化する?→暴走きたーッ! |
ど真ん中ストレートの気持ち良さはやっぱり素晴らしいものだと思うが、いきなり本番だと心の準備ができず物足りなく終わるので、予感でとことん焦らす。
FF8 | どうやらエスタに行けばラグナに会えるらしい→エスタの大統領がラグナらしい→あの宇宙服に身を包んだ男は絶対にラグナだッ!→ラグナきたーッ!ちっとも大統領っぽくない服装が思いっきりラグナだーッ! |
個人的に、本番よりも、その前の焦らされているあいだのほうが好きなので、その辺をとことん追求してみたい気分。
個人的にFF8は大好きだけど、構成スタイルに関しては、反面教師としたい。FF8のシステムからシナリオまで徹底された二重構造は芸術的だけど、娯楽としてはちょっとね。
FF8で思ったのは、
× | 冴えない第一印象+どんでん返し |
○ | 素晴らしい第一印象+さらに良い方向へのどんでん返し |
第一印象が悪いと、そもそも、どんでん返しにぶつかるまで、付き合ってもらえない可能性もあるし。
とりあえず、
先が気になる掴みを考える→掴みを活かす方向でネチネチした人間ドラマを描く→人間ドラマパートで読者に与えてきた負荷を一気に開放してカタルシス
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こんな感じでどうか。
例えば、DQ3というお馴染みの題材をモチーフにした物語でも、
掴み | DQを遊んでいて、疑問に思ったことはないだろうか? あの長旅で食料はどうしているのか、と。この物語は、DQ3ゲーム中では語られなかった、勇者たちの“食”を巡る物語である───(以上、尤もらしいナレーションで)。 |
ドラマ | それは、勇者にとっても、戦士にとっても、女僧侶にとっても、はじめての冒険だった。一行の中で冒険の経験があるのは老魔法使いのみ。長いブランクのせいで魔法はメラしか使えないが、旅の知識は豊富だった。「キャタピラーは見た目の不気味さとは裏腹にステーキ並みの美味じゃ!」。「じっちゃん、すげえ!」。魔法は卑怯だからイヤだと言ってた単細胞な戦士は、老魔法使いの食の知恵に感動し、親しみを込めて“じっちゃん”と呼びはじめた。DQ6ミレーユ似の女僧侶は、顔を青くしながらも、じっちゃんのモンスター料理を黙々と食べる。「バラモス討伐の覚悟を決めたとき、どんな困難でも乗り越えると決意しました」。彼女の気丈さに感動する勇者。だが、勇者は───男として育てられた彼女(FC版仕様)には───それでも耐えられなかった。 |
カタルシス | 「もう駄目かな……私にはキャタピラーとか大カエルは食べれそうもないよ……」。カザーブの村の中央にある池を覗き込みながら溜め息をつく勇者。そこに老魔法使いが姿を現した。「…ここまでそっくりだとおかしいのう」「そっくり?」「オルテガの小僧も、このカザーブで、今のお前さんとまったく同じように溜め息をついておったよ」「父さんが!?」「…駄目だ、俺には人面蝶が食えねえ。そう言って溜め息をついておった」。そして老魔法使いは、まだオルテガが十代の頃の秘話を語り出す───。 |
よく創作で大事なことは新鮮なアイディア云々と言われるけど、たとえ個々のアイディア自体が新鮮じゃなくても、組み合わせを工夫することで興味深い題材を作ることが可能なんじゃなかろうか。
とりあえず、その方向で行ってみよう。
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メジャーだけど実はまだ掘り尽くされていない鉱山を掘る実験。
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何ヶ月にも渡って1つのものを煮詰めていく訓練。
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テーマに沿ってどのように見せ方や構成を工夫していくかという試行錯誤。
ある意味、FF8はそのための格好の素材。趣味と実益を同時に満たせて一石二鳥。
プリティフェイスや半熟忍法帳みたいなベタな漫画を見ていると、漫画はOnlyOneの世界じゃなくて、趣向品なんだなぁと思う。
ゲーム界も本当は漫画と同じで色々な方向性の作品が育つべきなんだろうけど、
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実際に買うまで“感触”が分からない(漫画だったら雑誌で先読みできる)
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単価が高く博打買いしにくい(映画なんかと比べてもね)
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そのせいで、どうしても安全な選択肢(シリーズモノ、ブランドモノ、評判の良いもの)を選びかち。難儀なものですな。
細分化してみた。
試案1(前回) | 掴み→人間ドラマ→カタルシス |
試案2(今回) | 掴み→煽り→カタルシス→着地 |
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ここでいう『煽り』とは、カタルシスに対する期待感を煽ること。
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前回説明した『人間ドラマ』は、煽りとカタルシスの一形態と捉えればいいんじゃなかろうか。煽りで「この人間関係がどうなるんだろう?」と思わせてカタルシスで受け手の負荷を発散させる。
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カタルシスはそれまでの煽りや期待に応える瞬間。着地はその物語の終わりに納得する瞬間。RPGで言えば、ラストボスの撃破がカタルシスで、エンディングが着地といった感じかな。もちろんカタルシスと着地がイコールで結ばれる作品もあるだろう。
表現したい題材は山ほどあるけど、あるものはマニアックすぎたり、あるものは今の自分の力量ではまだ制御できなかったり。話作りは難しい。
そこで、まず手に届く範囲で原則を固めてみようと思う。自在に話が作れるようになるまでの繋ぎということでね。
舞台 | 舞台が現在でも構わないものは現在を舞台にするという原則で。その代わり、必要があるときは積極的に架空の世界を題材にしよう。特に短編の場合はページ数が限られているので、あまり細かな説明や描写は出来ないし。 |
回想 | ナルトやONE PEACEみたいな、展開が先に読めてしまう回想は避けよう。どうせなやるなら刃牙やFF8のラグナ編みたいに、最後のワンピースを嵌め込むまで現在と過去の繋がりを予想できなくしたほうがいいな。 |
死 | 陳腐な死の描写は話を軽くしてしまう。あまり安易にやらないほうがいいだろうな。 |
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創作道から更新履歴を分離した。更新間隔が二週間におきになり、更新履歴を置いても煩雑にならないと判断したのが主な理由です。
例えば、
このような、ごく普通のシーンがあるとする。
そこに、
なんて光景を加えたらどうだろうか。
兵士たちが銃を構えて囲んでいる中で家族が食事をしている
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ほら。もう凄いシーンが出来上がった。よくある2つの出来事を組み合わせるだけで面白くなる。
さて。このトンデモな光景をどう転がしていけばいいか。
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家族には切り札があって銃なんて怖くない。
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実は現実の光景ではない。映画のロケとか。
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ギャグ漫画なので大した深みはない。
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マジで大ピンチ。
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このうち1〜3番目の展開を続けてしまうと、読者のほうが安心しきってしまい、物語の緊張感が無くなる。そういうすり抜けはできるだけ避けたい。基本的に4番を貫くことを心掛けよう。
すると新たな疑問が生まれる。
そもそも、この一家は何者なのか。周囲の兵士たちは何者なのか。なぜ上記のような状況に陥っているのか。そういったところをどんどん掘り下げていけば話がどんどん膨らんでいく。
きりがないのでこの辺で終わりにするが、この調子で膨らませていけば、それだけでかなり興味深い物語が作れるのではあるまいか。
やっぱ読者が人間だし、人間ドラマは重要ではないかと思う。
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感情表現にこそ力を注ぐべき。人間の感情は限られたパターンしかないので、その感情をどう表現できるかに力を注ごう。決して降伏せず手段を選ばず勝利を目指したフリーザの執念とか、母親の死体を背負って歩き回った刃牙とか、試験に受かったときの浮かれ具合が良い案配だったゼルとか。迫真に迫れば迫るほど面白くなるのでは?
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反応のちがい。例えば、部員募集のポスターを張るとき、護、セナ、栗田、ヒル魔は四者四様の反応を示した。ああいう描写があるとオオッと思う。
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人物を絡める。例えばシーザーはやっぱりジョセフと絡んでいるから面白い。ジョセフなきシーザー、シーザーと会わないジョセフでは面白さ半減だろう。
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経験による変化。ありがちなのが登場人物の極端な性格のアリバイとして過去を用意することだが、その過去を現在進行形として劇中で描けば衝撃が増すのではないか。例えば、我亜羅のエピソードは回想ではなく現在進行形で描けばめちゃんこ怖い話になるだろう。逆に、読者を追い込むつもりがないエピソードは過去形のほうが良いかもしれないな。
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なんとなく一緒にいるのではなく、ちゃんと仲が良い理由を設定するといい。反面教師の例としてFF9やクロノクロスなどを上げることができよう。サラマンダーを仲間キャラとして用意するならもっと物語に絡めたほうが面白くなるだろうし、クロノクロスもキャラの多さを活かしきれていない。逆にFF10なんかはその点よく考えられているな。あのパーティーはユウナを中心とした家族なんだ。両親代わりのルールーとワッカ、おじさん代わりのアーロンとキマリ、従兄弟のリュック。そこによそ者であるティーダが現われる。FF10はBoyMeetsGerlならぬGerlMeetsBoyの物語なんだよな。
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人間関係をどんどん繋げたほうが面白くなるはず。例えば、先ほど挙げた銃を向けられた食卓のエピソードに『兵士側の指揮官は一家の祖父母』という設定を盛り込めば、強烈さが増すだろう。片方が人間ではないがFF8のラグナロクとラグナは関連をもたせたほうが(ベタだが)面白くなったのではないか。
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意外な展開を用意するときは、受け手の楽しみを奪わないように。最近のシャーマンキングで「大会に勝つのはハオで大会終了後こそ本当の勝負」という事実が明らかになった。意外なことは意外だが、引き換えに大会に対する期待感が半減してしまった。受け手が楽しみだなぁと期待を寄せる展開は出来るだけきっちり描いたほうが良い。幽遊白書のバトルトーナメントやハンター×ハンターのキルアのハンター試験もそうだな。個人的にはそういったところが好きだけど、できるだけ禁じ手かな。
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ちゃんと設定があるのに展開の都合で後々まで理由を公開できないときは、登場人物に疑問を抱かせるといいかもしれない。例えば「…どうして古代人なのに日本語で喋れるんだろう?」。この一文を入れるだけで、ずいぶん印象が変わるはずだ。劇中人物と受け手の気持ちが重なるし。
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まだ見ぬ謎の人を利用して広がりを見せる手法は、面白い手掛かりを与えることで盛り上がるはず。例えば「あの組織のリーダーは未だに誰にも負けたことがないらしい」と言わせても漠然とし過ぎて想像の余地がない。「あの組織のリーダーは屈辱erと呼ばれている。敗北者は肉体ばかりじゃなく精神をも破壊されて帰ってくるというぞ」とか言わせておけば、どんな奴なんだろう、どんなことをしてくるんだろう、という興味が生じる。
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例えば、
話の流れの都合で必要なシーンだけど特に描きたい展開がない場合
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こういうときは、
登場人物の横顔や精神的な変化の描写に力を注いではどうだろうか
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例えば、
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トレインとイブが挑戦したグリンのナントカゲーム。あそこは、ゲームクリアそのものじゃなくて、イブのトレインに対する微妙なライバル意識を刺激する方向で話を進めたほうが盛り上がったかもしれない。
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アイシールドの新入生選抜試験。新キャラの紹介という目的を達成しつつ、しっかりセナの成長エピソードを挿入しているところが上手い。
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ナルトの修行シーンは、食い物ネタとか財布ネタとか、ナルトの子供っぽい部分が微笑ましくて面白かった。
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とはいえ、精神的な変化ばかりだと肩が凝る。横顔の描写を適切に織り交ぜてはどうか。
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学校。クラスメートとの仲良い姿を描くか、はたまた孤立している姿を描くか。人間関係の伏線も描き易い。
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自宅。特異な家族や家や風習を描くチャンス。家族とのやり取りから主人公の横顔を描くこともできるな。
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下校時。帰るときの歩きかた1つとっても個性が出るな。UltraRedの閃の歩きかたはベタだけど好きだ。
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買い物。モノを買う姿や寄る店で個性付け可能。買い物中にさり気なく出会った友人が後に重要なウエイトを占めるというのも伏線の張り方としては良いなぁ。
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移動。何のイベントもない移動シーンなら省略という手も。アイシールド21で遅刻者が犬に追い掛けられながらリアカーを引くシーンはうまい移動シーンの描きかただな。
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人間関係のほかに、特異な世界観の紹介に利用するという手もあるなぁ。例えば、ファンタジーなどの異世界ドラマでは買い物シーンで物語の舞台を表現するといいかも。朝市形式なのか商店街形式なのか。どんな食べ物が売られているのか。街を歩く住人の姿はどうか。…etc。
久しぶりのRPG案。トラウマをゲーム面で利用しようというアイディア。
ステータス画面を見るとこんな感じ。
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1日目。冒険のはじまり。
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7日目。オーガに奇襲されてトラウマに。背後の気配が気になって奇襲回避率+1、重度ストレス+2。
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13日目。スラムでスリに盗まれかけた。金は取り戻したがトラウマになった。町内での緊張感+1、重度ストレス+1。
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これは戦国型SLGでも利用できそうだな。
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34歳春。帝国軍の猛攻。命からがら逃げ延びる。恐怖心+7、慎重+4。
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61歳秋。第一子誕生。年老いてからの子供なので喜びも一塩。充実感から全能力値+7。
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67歳冬。第一子死亡。ショックのあまり全能力値-15。
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トラウマを拡張して“経験”というシステムにすると面白いかもしれない。
武将の実力を数字で表現する従来の手法の代わりに、
というのはどうだろうか。
韓信。
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故郷では臆病者の怠け者として有名。
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項羽配下の頃はろくに出世しなかった。
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張良たちがやけに目に掛けている。
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古参武将らは不満を抱いているらしい。
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本人は指揮官の座を望んでいるようだ。
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さらに、その人物評価を元にコマンドを実行できるようにしたらどうか。
先ほどの例をもう一度使うと、
韓信。
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故郷では臆病者の怠け者として有名。→同郷の者に当時の話を聞く
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項羽配下の頃はろくに出世しなかった。→元項羽配下の者に当時の話を聞く
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張良たちがやけに目に掛けている。→張良たちに理由を尋ねる
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古参武将らは不満を抱いているらしい。→韓信にそのことを指摘する
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本人は指揮官の座を望んでいるようだ。→韓信にそのことを尋ねてみる
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各人の意見をもとに、その武将を重用するかどうか決めていくわけ。
この方向を追求すれば、数値の上げ下げではない戦国SLGが作れるのでは。
主題 | - 主題はありがちでもいい。表現が工夫されていれば楽しく読めるはずだ。
- もしかしたら「主題はありがちなほうがいい」のかも? 例えばアイシールド21やヒカルの碁は典型的な成長物語。ありがちだ。でも、ありがちだからこそ気持ち良く楽しめる。
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展開 | - 斬新なだけでは意味がないような。どうすれば受け手の心により迫ることができるか工夫した結果として斬新な内容になるのであれば望ましいかな。
- まだ発展途上にあるから、より良い内容を目指せば今までにない斬新な表現になる可能性が高いのではないだろうか。
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表現 | 同上 |
人物造形 | 同上 |
むしろ力を入れるべきは斬新さ以外の部分?
去年12月から今年3月末までの4ヶ月間に、小説×1と漫画原作×4を公募に応募した。未発表作品であることが応募条件なので、作品内容の詳細を語ることは出来ないし、自分の作品を自分で説明するというのも照れ臭いものがあるので、制作過程で得たノウハウを作品の具体的な内容に依存しない形で書いてみる。
- ガモウひろしや澤井啓夫を見習いたい
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少年漫画誌の漫画原作賞には3作品送ったが、どれも少年漫画とは言えないようなネチネチした内容になってしまった。できるだけ少年漫画っぽくしようと制約を設けて作ったのだが、ぎりぎりのところで恥ずかしさを感じてしまい、小学生レベルまで目線を落として話を練ることができなかったのだ。
なんだか年齢一桁の子供たちに向けた作品を作り続けるガモウひろしや澤井啓夫の凄さが身に染みて分かったような気分。彼らの真摯な姿勢を見習いたい。
- 短い枚数で充実した内容を描けるように
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今回の応募はどれも原稿用紙50枚の上限があった。書き始める前はそこまで書けないだろうなと思ったが、実際には逆にメインエピソードを載せるのでいっぱいいっぱいになってしまった。少ない文字数で話を伝える技術、少ない描写で物語を堪能させる技術の双方が今後の課題だな。
- 肩に力を入れすぎたらアウト
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読みきり漫画は一期一会なので心に残る傑作を作りたい。そんな思いが悪い方向に働いて、なかなか作品の方向性がまとまらなかった。構想一ヶ月、執筆三日といったところ。しかも、時間が掛かったから傑作が出来たかというとそうではない。勢いで作っても、時間を掛けて作っても、大した差はないような…。方向性を固めるのに費やした時間を実際の執筆や構成作りに回したほうがずっと有意義だと思うので、りきまないで済むような対策を練ろう。
- 一作に絞り込むのが難しい
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作りたいイメージが幾つもある中で一作に絞り込むのが難しかった。
- 漫画だからこそ漫画らしい展開が必要だ
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炎を食らってもアチチチ…で済むとか、鈍器で強打された直後に立ち上がって反撃するとか、初めての戦場なのに恐怖心を感じず普通に行動できるとか、強引なハッピーエンドとか、そういう現実を超越した漫画ならではのトンデモ展開を描写できなかった。炎を食らって重傷を負い、鈍器で強打されて永遠の眠りにつき、初めての戦場でパニックから発射スイッチを押し間違え、みんなが喜んでいる中で主人公だけが釈然としない思いを抱いて物語が終わる…。少年漫画の原作とは思えないような展開になってしまって激しく反省。俺は己の常識に屈服してしまったのだな。読み手のときはナンセンスさが気にならないのに、作り手に回るとこんなに気になるのが不思議だ。
なんだか、きん肉マンやBLACK CATとかミスターフルスイングがスゴイ漫画に思えてきたよ。その作品のツッコミどころを一番知っているのは作者なんじゃないだろうか。こんな都合の良い話なんてあるかッという気持ちをぐっと抑えて現実というしがらみから懸け離れたところにある夢物語を映像化する。それこそがフィクションの醍醐味なのかも。
- 応募の費用
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執筆はPCなので支出なし(強いて言えば電気代ぐらいか)。縦書きはQXかWordを利用。筆者はプリンターを所持してないので、印刷はネットカフェ。原稿用紙50枚相当の文章を10枚程度に抑え、1枚10円で印刷できるところを利用して、だいたい300円ぐらいか。封筒は100円ショップでセットのものを購入。郵便料金は200円未満といったところ。合計で1作品500円といったところかな。
- 全体的な感想
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なんだかんだで楽しかったな。小説に関してはもう結果が出ていて落選だと分かっている(応募数二千数百作品のうち一次予選を通過したものが百数十作品。その名簿の中に俺の作品はなかった)のだが、その悔しさも含めて楽しい。こんなに楽しいのなら、もっと若い頃に始めりゃ良かったよ。世の中なにが楽しいか分からないものだね。
バトルシーンの方向性の種類を思いついた範囲で挙げてみる。対象は主に現役の少年週間ジャンプ。
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勝つか負けるか、生きるか死ぬか。BLACK CATのケルベロスvs星の使徒とか。ハンター×ハンターのメイン4人以外の連中とか。
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意外な盲点や発想の飛躍を楽しむ面白さ。JoJoなど。ハンター×ハンターはこちらと↑の折衷かな。
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面白い動きや特殊能力。初期のドラゴンボールなど。納得できる説明を必要としない点が↑との最大の違い。ONE PEACEとナルトはもうちょっとこのカテゴリーにウエイトを置けば面白くなると思う。
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意地の張り合い。想いの強いほうが勝つ。ONE PEACE、ルーキーズ、シャーマンキングなど。今は亡き世紀末リーダー伝たけしのバトル編やるろうに剣心もここだな。ところが、このカテゴリーは意気込みが空回りしている作品が多い。
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変則型として、
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爽快感。JoJoの乱舞技モードとか。
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破滅へ一直線。初期の遊戯王の闇のゲーム。お仕置きタイム。結末は決まってる。試合過程に理屈も要らない。対戦相手が悪あがきすればするほど盛り上がる。
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『なにーッ!』。遊戯王のデュエル編。全ての試合過程は対戦者の驚く姿を味わうためにある。もしかした↑のバリエーションかも。
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バトルがネタの披露会場。ボーボボとか。
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とにかく格好よければ良い。テニスの王子様とかBLACK CATとか。このカテゴリーのバリエーションで、とにかく腐れ外道なほど良い(BASTARD!)とか卑屈なほどよい(藤崎版封神演義)とかね。
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思うに、作品の方向性などの理由からJoJo型バトルや刃牙型バトルを採用できない場合は、意地の張り合いよりも、面白い動きや特殊能力に重点を置いたほうが面白い作品が作れるのではないかと思う。
ヒカルの碁は『意地の張り合い』+『勝つか負けるか手に汗握る展開』だから面白い。
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主人公が負けるんじゃないかという危機感が常にある。何故なら、実際に何度も主人公は負けてるので。たぶん現在のジャンプで最も負けの多い主人公だろう。敗北のペナルティが少ないことを逆手に取ったね。敗北=死の格闘漫画や、敗北=終わりのトーナメント式のスポーツ漫画ではこうもいくまい。現在のヒカルvsコヨンハも、ヒカルが負けて失うものはプライドや周囲の評価だけなので、逆に見ていてヒヤヒヤする。
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ピンチになるときちんと主人公が戸惑い焦る。劣勢を根性で押し返せるとは限らない。それが↑と組み合わさって、実に手に汗握る展開が楽しめる。
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ちょうど、主人公が負けても何のダメージもないシャーマンキングとは、逆の面白さなんだな。
斬新な内容にしようと話を捻くりすぎてしまった反省の上に立って、ベタだけど楽しめる展開を考えてみることにした。
- 努力シーンで当事者に「疲れた」と言わせてはいけない
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もうだいぶ前になるけど、雨の中たった一人校庭で練習するセナの姿を護が見つめるシーンは格好良かった。努力中の当事者が「つ…疲れた…」「ぜぇぜぇ…もう身体が動かねえ…」とか言っちゃうと、安っぽくなってしまうような。
例えば『訓練中にいきなり倒れて、すぐに起き上がって訓練を再開して、また倒れて起き上がって、三度目に倒れたら起きてこなかった。回りの者が心配になって駆け寄ったら気絶していた』なんて展開なら、きっと俺はそいつのことが気に入るだろうな。
- 死で読者の不安感を煽るときは
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推理漫画やバトル漫画でお馴染みの『死を目撃して恐怖する』というシーンを描くときは『眠っているのと区別が付かない死亡シーン』とか『気絶と区別が付かない死亡シーン』とか『驚いて硬直している姿と区別つかない死亡シーン』では怖さ半減だ。
微妙な描き分けで死を表現できないときは『頭部切断』みたいな、どう考えても生きてないだろうという描写を利用するのが良いかもしれない。そういうグロテスクなシーンが雰囲気に合わない漫画なら、そもそも不安を煽る小道具として死を利用すること自体が不適切だろう。
- 悲しいときに涙するのはありがちなので
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『嬉しくて泣く』とか『怒りのあまり泣く』なら、まだ使い古されていないし、面白いかもしれないな。
悲しみのあまり泣くときは、例えば『ヒロインBの恩師Cが死んだとき、その時点では泣かさず、次の移動中に主人公Aがふと後ろを振り向いてヒロインBを見たら目に涙をいっぱい溜めながら歩いていた』なんて光景だと強烈で面白いかもしれないな。
- いい人のバリエーション
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『ろくでなしに見えるけど実は良い人』というのはアクセントで使うべきであって、そればかりだと話が窮屈になる。むしろ『喜ぶ姿が様になる人』を増やしたほうが気持ち良い漫画になるんじゃないかな?
アイシールド21で言えば前者がヒル魔、後者が栗田。BLACK CAT、ナルト、ONE PEACE、シャーマンキング、ブリーチなどは前者の比重が圧倒的に強すぎるのだが、どういうことなんだろう? 俺みたいな感性(栗田>ヒル魔)のほうが少数派なのだろうか?
- あまり言葉に頼らない。
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漫画は映像メディアだから。「嬉しいなぁ〜」と言わせる代わりに、溢れんばかりの笑みを見せるようにしたほうがいいかな。
- 行動は大袈裟なほど面白い
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腹が立ったらテーブルを引っくり返すぐらい派手なほうがいい。
- コンプレックスをガンガン使え
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コンプレックスは実に素晴らしい小道具になるような気がする。例えば、ナルトなんかが良い例じゃないかな。同じコンプレックスを抱く者が出した解決方法の違いというのも面白いかもしれない。
例えば「主人公で最も賞賛されている料理人。だが恋人は味音痴なので主人公の料理が好きじゃない。恋人の味覚に合わせたゲテモノ料理を作るのは簡単だ。だがそれは主人公のプライドが許さない。世界料理大会優勝と恋人の満足を同時に為し得る“究極の料理”を完成させるべく主人公は頑張る」なんて話はどうだろうか。
なにかが悔しくて頑張るというのは読み手の感性にもフィットするので面白いのではないかと。
- 心地よい恋愛描写
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現実には理屈抜きの一目惚れが当事者にとって一番楽しい状態な訳だが、創作物での一目惚れというのはあまり好ましいものではない。読者は「納得」したがるものだからね。
初対面でいきなり恋心にまで達したしまうのがマズイのだろう。『初対面→恋』ではなく『初対面→好感→恋』の流れならどうだろうか。なにかワンクッション置くだけでも、ずいぶん印象が変わるんじゃないかな。
例えば『不良に絡まれていたイジメられっ子を助けた姿に惚れてしまう』では唐突だけど、『不良に絡まれていたイジメられっ子を助けた姿を見て良い奴だと思う→そいつから告白されてしまう→そういう良い奴から好意をもたれるのは満更ではないなぁという気持ちと唐突に付き合って欲しいと言われたことに対する戸惑いの両天秤→付き合おうかどうか迷っているあいだも立て続けに相手の魅力的な部分を目撃してしまう→相手のことが完全に気に入ってしまう→相思相愛』なんて流れならどうかな。当事者間の恋愛そのものが主題の場合は更にトラブルを付け加えると。
- 恐怖描写を忘れるな
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先週のBLACK CATの、顔がべっちゃり切れちゃった人のシーン、勿体ないと思った。あのシーンこそ幽遊白書の飛影vs時雨のときみたいに大コマを使わなきゃ。
バトル漫画において相手を強く見せるための手法としての恐怖シーンは実に重要だ。怖ければ怖いほど逆に打ち破ったときのカタルシスが大きいからだ。
ちなみに、よくある「見ず知らずの誰かが犠牲になっているシーン」というのは、その犠牲者が小物っぽければ小物っぽいほどインパクトが薄くなる。
どうすれば強烈な描写になるのかもう少し考えてみよう。
- 主人公の作り易さ
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主人公は、(作り手の立場から見て)特別な出来事が何もない日常状態を楽しく描写できるようなキャラクターにするべきだ。脳味噌を搾らないと描けないような主人公だと話を作るのが苦痛になってしまうからね。
- 魅力的な主人公像
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『嬉しいときの姿が魅力的』+『どこか壊れてる』でどうか。例えば『自分の野望を語る姿が実に魅力的な野心家』とか『自分より強い敵と出会ったときの嬉しがる姿が魅力的な格闘家』なんてのが有名どころか。
やっぱり読者も漫画を通して楽しみたい訳だし、主人公が楽しそうな漫画というのは、それだけで魅力的だと思う。
- ヒロイン像
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ヒロインと主人公がうまく絡みあってる漫画は面白い。大した役割を担っていないのに重要そうに扱われるヒロインが一番哀れだ。ヒロインを話に絡める気がないのなら、ヒカルの碁のあかりやダイの大冒険のレオナ姫みたいに控えめな位置に置いておくとか、男塾みたいにそもそも出さないという選択肢もあるよな。漫画ではないがFF5のように、恋愛感情を絡めないというのも1つの手か。
FF10を遊んでいて思ったのだが、好きとか愛しているとか全く言わないけど、好きな人がいるときは嬉しさが言動から滲み出てしまうキャラクターっていうのも面白いかも。
- 悪役像
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なにか野望を抱いているのであれば、その野望が現実になったときの光景を想像して悦に浸るような悪役って魅力的かもしれない。よくギャグっぽく描写されるけど、それをシリアスに描写するだけでグンと読者とその悪役の距離感が縮まるのではないか。例えば、数百年後の歴史の教科書に名を残したシーンを妄想して胸を震わす野心家なんてどうだ? 「数百年後きっと私は世界の人々から尊敬されるだろう。地球の人口問題を一気に解決した偉人として広く賞賛されるだろう。その光景を想像するだけで眠気が吹き飛んでしまうのだ…ははははは」。こんなことを真面目に言い出す仇役って最高だと思うのだが。
- 悪役像その2
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お涙頂戴の悪役を出すときは、よほど描写に気合を入れないと駄目だ。そういう狙った展開ほど外したときに悲惨なものはないからね。
描ききれる自信がないときは、そもそも、お涙頂戴の悪役を出さないのがベターではないかな。
- まあ要するに
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夢に向かって一直線に走る人間っていうのは見ていて楽しいものだ。その部分を追求するだけでも十分に魅力的な登場人物になるんじゃないかな。
あらゆる登場人物に夢をもたせて、その夢の実現に向かってどんなスタイルを抱いているかで個性付けするというのも一興ではないかと。
もう一度、自分の好きなもの、いまいち乗れないものを分析してみよう。今度は漫画だけじゃなくてゲーム等も含めて。
- UltraRed
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サブキャラが実に魅力的だ。一方、主人公には未だグッと来るものがない。何故だろうと思っていたら山田戦で分かった。閃はドーミエなんだ。天才すぎて面白味がない。
ライジングインパクトのガウェインも天才型だけど、パターやアイアンは凡人並みだったので、ちゃんと成長物語があった。いま思うと、ライジングインパクトは、冒頭のドライバーで爽快感を味合わせ、パターやアイアンで緊迫した展開を楽しませるという、実に見事な構造だったんだ。
山田戦は「山田のノーモーションになんで気づいたの?」→「天才だからいつの間に」という展開だったけど、「なぜ山田の動きが予測できないんだ?」→「なにか動きが変だぞ?」→「あ!予備動作がまったくないんだ!」→「反撃開始!」という風にきっちりと過程を描けば、もっと面白くなるような気がする。
主人公にあれこれ考えさせよう。ルフィ以上真中未満が合い言葉。
- ヒカルの碁
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試合でやり取りするものが命ではなくプライド。だからこそ面白い。
『プライドを賭けた戦い』+主人公の適度な敗北というのも乙なものかもしれないな。
- アイシールド21
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王城戦以降のアイシールド21は『ベタな面白さ』をとことん追求しているようだ。
王道的な展開を恥ずかしがってはいけないな。
- ONE PEACE
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カタツムリ電話とか、マッスル兎とか、カルガモ部隊とか、そういうファンタジックな要素が面白い。
小さな工夫で大きな味わいの好例かな。
創作ノウハウを積み上げる一環として漫画原作の公募に応募したのだが、えらく苦労した。よくよく考えれば、今まで創作道では連載漫画を中心に研究していたので、それをそのまま適用してもうまく行くはずないのだ。なんというか、不覚。一矢報いたいので次回の公募に向けて対策を立ててみる。
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読みきりなので焦らしのテクニックが使えない
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ページ数が少ないのでコンパクトな内容が望まれる
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以上を踏まえてstart。
- 容貌と特殊能力を結びつけてはどうか
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特殊能力漫画の場合、容貌と特殊能力を結びつければ、別に伏線を張る必要が無くなりページ数を節約できる。空いたスペースで別の展開を用意できる。例えば『瞳も髪の毛も緑色の転校生。実は彼女は植物と人間のハーフで、光合成のための葉緑素がたっぷり詰まっていた』というのはどうかな。
- 楽しそうな様子で読者の好感を得よう
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普段から楽しそうなキャラクターは、見ているこっちも楽しくなってくる。重いものを背負ったキャラクターというのも味があるものだが、ページ数の限られた読みきりで、その背景から一定のカタルシスまで詰め込むのはなかなか厳しいような気がする。かなりの力量が必要だろう。
ケーキを100個買ったときの栗田を手本にしよう。ああいう姿を主人公でも描けばいいはずだ。
- やっぱバトルは蜜の味か
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バトル漫画やスポーツ漫画の『勝利』というギミックは、カタルシスを何倍にも膨らませてくれる。バトルに頼るのは安易だなんて思わず、素直にバトルに挑戦することにしよう。ありがちなだけに心地よいバトルシーンを作るのは大変だろうしね。
- 人物の性格造形はストレートに
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あまりに複雑な性格設定をしても、それを描ききるだけのスペースがない。複雑にしたい気持ちをグッと抑えてシンプル且つストレートに。
- どんな悪役が望ましいか
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読みきり漫画はその立場上、緒戦となることが多い。そのため小物の悪役が登場しがちだが、敢えて大物を配置するようにすれば、それだけでずいぶん新鮮に感じるのではないか。ただし、少ないページでどうやって大物ぶりをアピールするかという問題があるな。これは今後の課題だろう。
今年2月、FF8特集を2002→2003にするときにコンテンツを大幅に追加したが、かなり無秩序な構造になってしまった。そこで今後に向けた試案を。
FF8の面白さ | ゲームとしてのFF8はなにが楽しいのか。どこが楽しいのか。 |
再プレイガイド | 快適プレイから変則プレイまで。 |
シナリオ考察 | シナリオに関する考察。 |
システム考察 | システムに関する考察。 |
BOOK&CD | アルティマニア等の攻略本や音楽CDについての補足解説。 |
その他の文章 | 上記に分類できない各文章。 |
FF8情報リンク | FF8関係の情報リンク。定番中心。 |
先頭ページのリンクはこれぐらいに減らしたほうが分かり易いだろう。
FF8の面白さ | FF8の魅力はアイテム探し→キャラ強化手段の四択。自分の好きなスタイルを選ぼう→戦闘手段の三択。FF8のテーマ『愛』は『恋愛』に限らない。 |
再プレイガイド | 快適プレイの御案内。やってみよう。完全プレイの御案内。変則プレイの御案内。 |
シナリオ考察 | 現行のものを継承。 |
システム考察 | 各要素の意義を説明したい。低レベルプレイは二周目以降のお楽しみとか。 |
BOOK&CD | 現行のものを整理して継承。 |
その他の文章 | リメイク案、筆者のプレイ例。 |
FF8情報リンク | 現行のものを継承。 |
項目数は少なくなるが、内容は今以上にもっと充実させる予定。先は長いので少しずつやっていきたい。
市販漫画の感想
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漫画雑誌は野球チームみたいなものなのかも。ホームランバッターだけでチームを構成しても駄目なように、漫画雑誌にも様々な作品が必要なのだろうね。
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BLACK CATとテニスの王子様は、主人公やその仲間をアイドルとして描くことに主眼を置いた漫画なのかもしれない。これらの作品でハンター×ハンターやアイシールド21みたいな展開にしたら、持ち味が無くなってしまうかも。今の方向性で正解なんだろうな。
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コミックバウチ連載の山下たろーくんの続編漫画がすごい。色々な意味ですごい。個人的には好き。創作者たるもの、これぐらい図々しくないと駄目かもなぁ。
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リアルタイムで読んでいた当時は大したデザインだと思えなかったドラゴンボールのセル完全体、最近読み直してみたら良いデザインだと思った。ただ、最終形態で人間っぽくなるのはフリーザと同じだから、それがマイナスになってしまったんだな。
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エイケンの読みかたがなんとなく分かってきた。あれはお色気漫画じゃなくてパラレルワールド系の漫画だ。あの世界ではあの体型も有り得るという前提を持つことが初めの一歩か。
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アクメツの作者はすごい釣り士なんだろうなぁ。きっと。
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ドラゴンボールのサイヤ人編やフリーザ編はホラー的な面白さだったのかもしれない。子供心にすごく怖かったもんなぁ。
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サブキャラの活用案
筆者は主人公と相手役(ライバルとか恋人とか…ジャンルによって変わるな)の関係から話を作ってしまう傾向があるようなので、どうもサブキャラのいない物語ができあがってしまう。苦手を克服すべく、筆者的にやり易いサブキャラの活用案を考えてみた。
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1キャラに複数の目的を背負わすと話が分かり難くなる。複数のキャラに1目的ずつ背負わせてはどうか。
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メインキャラでは出来ないことやれないことをやらせることができる。UltraRedの倉橋とか(かませ犬に使えという意味ではなく)。
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メインキャラが伏線モードに入っているあいだ主演を演じる。メインキャラがひたすら主演を演じ続けるとあっという間にイメージが疲弊してしまう危険性があるので有効な手ではないか。ドラゴンボールは悟空中心の構図から抜けられなかったことがあの末期に繋がった気がする。
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気をつけたいこと。
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立場や目的がまるっきり同じキャラが複数登場させても、話的にはあまり意味がない。立場や目的のズレが面白いドラマに繋がる。
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サブキャラはとことん再利用したほうがいい。アイシールド21の賊学の連中やハァハァ三兄弟が好例だな。
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小さな伏線のテクニック
伏線は、トリックやどんでん返し以外に、登場人物の言動を自然だと思わせるために利用できるような気がする。
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先にAとBが仲良い様子を描いておく→Aの危機にBが助けに来るシーンに納得できる。
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AがBの誕生に大喜びするシーンを先に描いていく→不良になったBをAが厳しく叱責するシーンがあっても先の描写のお陰でAの言動に重みが出る。
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強い敵にはちゃんと強そうなシーンを描いておく→バトルが盛り上がる。
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「この大会荒れるな…」→確かに荒れた。発言した本人がまさかの瞬敗。期待外れな気持ちより気の毒だなぁという気持ちのほうを強調できたという点で実に上手い演出だったなぁ。倉橋。
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コンパクトな伏線で受け手を納得させるテクニックを磨きたいな。
こういう定番は避けたほうがいいかな
俺は後発組なので。。。
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さっぱり分からない次の敵のシルエット。多少なりともヒントがあれば予想を楽しめるので可。
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かませ犬をどんなに倒しても強さの証明にはならない。どうせ、かませ犬にするなら倉橋ぐらい工夫しなきゃ。
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疲労させるだけの乱打戦。疲労が話に絡まないのであれば必要ない。
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意味のないギャグパート。意味があるのであればギャグパートがあっても構わない。例えば、単なるギャグパートだと思っていたシーンが重要な場面の伏線になっていたりすると感動だね。
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自分なりに少年が喜ぶ少年漫画の基準を作ってみるtest
今の筆者なら楽しめるけど、少年時代の筆者には無理だったものをまとめてみる。
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可哀相な敵は要らない。幽遊白書でドクターナントカに洗脳された人間たちと戦うバトルはあまり魅力的なものに感じなかった。たぶんドラゴンボール的な爽快感がバトルの基準になっていたからだろうな。
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登場人物に泣かれても困る。どう反応していいのか分からない。
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好きの惚れたのエピソードを楽しむのはけっこう難しいかも。今だったら、当事者の心理状態のジェットコースターっぷりが面白いんだけど。
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アイディアバトルはつまらない。登場人物が従、特殊能力が主という独特の構造は頭を切り替えて読まないとピンと来ないだろうな。今のワンピースやBLACK CATを喜ぶ子供たちの気持ちはなんとなく分かるような気がする。
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好きだけど参考にできないもの
力量的な問題とか、方向性的な問題から、好きだけど参考にできないもの。
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ギャグパートとシリアスパートの境目が曖昧なミスターフルスイングなスタイル。いまの俺じゃあ、あそこまで大胆に頭を切り替えることはできない。
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ツッコミアタック。茶番で話を盛り上げる自信がまだない。シティハンターのハンマーやらんま1/2の吹き飛ばし攻撃ぐらいキレのあるやつを作るにはまだたくさんの経験値が必要だろうね。
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アイディアバトル。ハンター×ハンターとかJoJo好きなんだけどね。アイディアバトルという形に括るとせっかくのアイディアやキャラクターがバトルという枠の中で窮屈そうに見えてしまう。ボインゴ兄弟やダービー兄弟が第3部ではなく第4部に出てたら…なんてことを思ってしまうので。。。
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個人的な方針とか作りたいものとか
フィクションの醍醐味を突きつめてみたい。
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ホラーの面白さを他のジャンルに活かせないか。特に『理屈を超えた現象だからこそ面白い』という部分ね。
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童話的な物語も作ってみたいかな。一言で言えばギャグじゃないドクタースランプ。
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ここまで創作道で積み上げてきたモノをどう利用すればいいか。
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自分が表現したいテーマに基づいて話のメイン部分を作っていく(創作道で積み上げてきたものはこの時点では考えない)
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メイン部分が一通り完成したら、これまで創作道で積み上げてきたものを使って肉付けしていく
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展開で迷ったとき(同じぐらいに面白い複数の展開を思いついてしまったとき)は、創作道で得たノウハウを利用して、より手堅い展開を採用するとよい。
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これで個性を維持しつつ平均的な質を高めることができると思うが果たして。
外国のプログラム本で気づいたこと
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前書きか後書きで片っ端から感謝しまくる。
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表現が回りくどい。逆に彼らが日本人の書いた文章を読んだら、あっさりし過ぎて物足りないだろうな。
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全体的に日本人の書いた文章と違う。うまく説明できないけど。
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ずいぶんと文化が違うものだな。なにか手掛かりが得られそうだ。もう少し考えてみよう。
アニメ化の際のアレンジが成功だったように思う漫画
筆者はアニメを滅多に見ないので、なんか偏ったリストになってしまったかも。お茶の間の定番が多いな。
さざえさん | 原作はけっこう毒が強い。あの原作から毒を抜いて、のほほんアニメに昇華させたのは大したもの。 |
ちびまるこちゃん | 原作はギャグ漫画じゃなかった。最近のアニメ版はかなり原作に近いテイストになっている。 |
クレヨンしんちゃん | 原作は地味。アニメは脚本がうまい。原作よりもテンポが良く明るい雰囲気になっている。主人公が時おり見せる奇妙な動きをうまく動画化できたのも高ポイントだな。 |
忍玉乱太郎 | 原作の絵はクセが強すぎる。個人的にはOKだが、人によってはつらいだろう。 |
成功かどうかは分からないが、アニメという媒体を活かしているなぁと思った作品。
こちら亀有派出所前 | ドタバタ劇になっている。蘊蓄ネタは一切やらないという徹底ぶり。 |
市販作品の研究
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雑誌の連載物には、あまり複雑な伏線を入れることができない。前の号から一週間とか一ヶ月とか間隔が開いてしまうし、前の号を読み返すために残しておくのも負担だし、単行本は数ヶ月のタイムラグがあるし。ちょうど『前のシーンを見るが面倒(セーブデータを残しておかないといけないので)』という一般的なRPGに似たような構造上の問題を抱えている。
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RPGに回想モードを付けにくい理由の1つはエキストラとの会話をどう扱うかという問題があるからかもしれない。RPGのシナリオが他のメディアのシナリオと最も違う点はエキストラとの会話の存在だからねえ。DQ6の『思い出す』みたいなシステムだと本当に巧妙な伏線に対応できない(あからさまに重要そうな台詞しか残せない)し、難しい。HDDが使えればログという形で残しておくこともできるけど、それも味気ないし。
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創作実験
今回の創作道の更新の一番上に書いたように、まずは自分の作りたい路線を形にしてみる。
エンドピークの国王は野心家で毎年のように戦争を繰り返していた。
今も隣国と戦争中だが、第一子が誕生間近と聞いて城に戻ってきた。
廊下で待つ国王。
家臣 | 陛下……。 |
国王 | 生まれたか? |
家臣 | いや…その…。 |
国王 | じれったい! 入るぞ! |
部屋に入る。
王妃 | 陛下……。 |
国王 | ? どうした? みんな表情が暗いぞ? |
国王は、顔に白い布が被せられた赤子に気づいた。
国王 | !? |
国王 | し…死産だったのか!? |
神経質そうな家臣 | は…。 |
神経質そうな家臣が答えようとしたとき、赤子が泣き出した。
赤子が生きていることを知って喚く国王。
近くにいた家臣が慌てて布を取る。
赤子の顔は牛そのものだった。
国王 | …牛? |
国王 | 妃、これはなんだッ! なんで牛なんだッ!? |
王妃 | ……。あなた、我が子を牛呼ばわりなどと…。 |
国王 | 我が子? こいつのどこが私の子供だ!? まるで牛のような───牛? 牛かッ! くそッ! |
国王は慌てて部屋を出る。
牛小屋に駆けつけた国王。
国王 | 我が妃をたぶらかしたのはどの牛だッ!? |
牛飼い | …陛下!? |
国王 | 火をつけろッ! |
牛飼い | え!? |
その頃、王妃たちのいる部屋では。
牛小屋から火の出る様子が王妃たちのいる部屋からも見えた。
みなが呆然と窓を眺める。
国王の気性の激しさは重々承知していたが今回の反応は度が過ぎていた。
家臣の一人が王妃の腕を掴む。
家臣の大男 | 王妃。逃げましょう。 |
王妃 | 逃げる? どういうことです? |
家臣の大男 | 陛下は錯乱しておいでです。陛下の気持ちが落ち着くまで、どこか静かな場所で…。 |
神経質そうな家臣 | ちょっと待て。いま王妃たちが行方をくらませば、罪に問われるのは私たちだぞ。 |
大男は利く耳をもたず、王妃と赤子を抱えて部屋を出る。
神経質そうな家臣も慌てて廊下に出て周囲の兵士に命じる。
神経質そうな家臣 | 待てッ! 逃がすな! ここで逃がしたら我々の命がない! |
大男は王妃と赤子を抱えて、大胆にも窓ガラスを突き破り、そのまま逃走する。
…あれから幾年の月日が経ったか。
洞窟の中。ランプの明かりの舌、筋肉質の男が座り込んでいた。細身の女が男に近づき声をかける。二人の顔は暗くてよく分からなかった。
女 | ねえ? |
男 | なんだ? |
女 | 交代の時間よ。 |
男 | もうそんな時間か。 |
女 | 早く代わってくれってみんな怒ってたわよ。なにか考え事でもしてたの? |
男 | 昔のことを思い出していただけだ。 |
女 | また? |
男 | なぜか俺は赤ん坊の頃から意識があった。 |
女 | それが普通よ。 |
男 | ちがう。人間は…。 |
女 | また貴方は自分が人間だっていうの? いい加減に聞き飽きた。だいたい、そんなこと、みんなの前で言ったら追放じゃ済まないわよ。 |
男 | 分かってるさ。お前にだから話すんだ。 |
女 | それってどういう意味? |
男 | お前は俺より人間に近い。 |
洞窟から姿を現したのは、ミノタウロス(牛頭人)の男とキャットテイル(猫人)の女だった。
彼らは自分たちの国を守るため、エンドピーク軍と戦っていた。
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以上がオープニング。以後の構想は以下のような感じで。
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主人公は無骨なミノタウロス。自分は人間だと信じている。
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物語の内容は、人間(エンドピーク軍)vs獣人連合の大戦争。
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敵の総大将が自分の父親。ただし親父は主人公のことを息子だとは認めていない。主人公は親父のことが大嫌いだが、自分は人間であるというアイデンティティを維持するために、大嫌いな男が親父だと意識しなければならない。
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主人公以外の人間は、主人公を、母(元エンドピーク王妃)がどこぞの牛と浮気して儲けた子だと思っている。だが、主人公自身は、高潔だった母が浮気なんてするはずがない(少年時代にみんなからイジメられたときに戦う勇気を持ちなさいと諭してくれたのは母親だった)という思いから、そのことを認めようとしない。
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主人公の父親は本当にエンドピーク王なのか。それとも、どこぞの牛なのか。その真実が明かされるのはクライマックス。
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親子対決そのものは定番。筆者の狙いは、その定番の枠を利用して、『母を信じるかぎり大嫌いな男を父親だと思わなければならない』というジレンマを描くことだ。
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創作道で掴んだエッセンスを活用するのはここからだ。
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この物語の肝は宿敵であるエンドピーク王。単なるやられ役で終わらせる訳にはいかない。この性格破綻者をどのように肉付けするか。
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王妃の産んだ赤子を自分の子だとは認めず、即座に牛小屋に火を放った。どうして、そういう飛躍した発想ができるのか? それは似たような過去を体験したからだろう。自分の許婚が犬の子を産んだ。「なぜだ?」。まだ王子だった国王が問いつめる。「貴方より犬のほうがまだ生き物として魅力的だったのよ」。…それはもう人間として最悪最低の体験だろう。そのときの屈辱が現在の国王の性格を作り上げているのだ。自分は犬以下だというコンプレックスが彼の目線を牛と同レベルの位置まで引き下げている。それが妻を牛に寝取られたと勘違いし、城内の牛を皆殺しにするような発想へと駆り立てる。自分は犬以下ではないことを証明したいという思いが「歴史上誰も成し遂げていない大国家の建国」という野望に繋がっている。
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現実に考えれば、人間が犬の子を産める訳がない。そんなことは分かりきっている。だが、『犬に許婚を奪われるという最低の体験』という設定には『この世界の生物はかなり大胆な異種交配が可能』という架空の設定を作り上げるだけの価値があるように思う。
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「お前の母は娼婦で、それが理由でお前は出世できず各国を転々としていたのだな? 安心しろ。私は他の国の王とは違う。私はお前を将軍に抜擢するぞ」。自分が最低の体験をしているだけに、世間一般で虐げられたり蔑まれたりした人間ほど重用する傾向がある。その点にだけ注目すれば魅力的な人間に見えるのだが。
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自分は決して犬以下の人間ではないという思いから自ら前線に立つ。それで三十年近く戦い続けてきたのだから、総司令官としての経験は豊富だ。才能ではなく努力を積み重ねて、今では世界屈指の名将と呼べるような人間になっている。だが、それでもコンプレックスは消えない。自分は最低だという自覚があるからこそ、どんな小国が相手でも油断しない。
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犬狩りと牛狩りだけはしつこく行う。だからエンドピークでは牛乳が貴重品。猟犬がいないので牧畜も大変。逆に、猫と馬は徹底的に保護している。
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よそ者である主人公がなぜ獣人たちに迎い入れられたのか。それは強いからだ。圧倒的な強さが必要だ。
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この主人公は無敵で構わない。いや、無敵であるべきだ。相対的な強さじゃ駄目だ。この物語の主眼はいかに敵を倒すかではなく、自分が親父だと信じたい相手とどんな気持ちで戦うかという部分にあるのだから。主人公の苦戦描写は余計。むしろ邪魔。
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無敵の主人公を描くために戦争モノという土台を存分に利用させてもらう。『主人公のいる戦場は決して負けることがない。だが他の部隊が次々にやられて補給がままならなくなったらアウト』。
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つまり主人公が援軍に駆けつけた時点で勝ちは確定。『主人公の姿を見た瞬間に、それまで疲れ果てていた将兵がすぐ元気になる』。そのときの将兵の気持ちに読者が感情移入できればOK。
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圧倒的に強い主人公を題材にどうやってバトルを盛り上げるか? それは簡単だ。『主人公は一人。だから敵は常に離れた二つ以上の場所を同時に襲撃する』。つまり常に運命の二択を主人公に強いる訳だ。これなら、いわゆる能力バトルに対抗できるだけの求心力をバトルシーンに持たせることができる。しかも、その二択を強いるのは自分の父親(だと思いたい相手)。これはきついぞ。
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以上の展開を実現するには、読者に死んでほしくないと願わせるだけの“気になる”味方たちが必要だ。国王と主人公の泥沼の愛憎劇を描ききるには、魅力的なサブキャラが必要不可欠な訳だ。
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この物語でヒロインのような位置付けにあるのはオープニングのキャットテイルの女。ただし主人公とヒロインが恋愛関係にあるわけではない。
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主人公は自分より人間らしいヒロインに羨望を抱いている。ヒロインは要するにボブサップみたいなパワフルな男が男が好きで主人公を含むミノタウロス全般に好感を抱いている。
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要するに主人公の片思い(恋愛感情という意味ではなく)な訳だ。この主人公とヒロインの認識のズレは爆弾だな。ハンター×ハンターで言えばキルアみたいなもの。いつ炸裂させるかだが…やはり物語終盤だろうな。
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…ふぅ。
この話、俺自身はすごく読みたいのだけど、果たして一般的にはどうなのだろうか? なんか一般的な物語とだいぶ方向性が違うような気がするのだが、それを独特の作風だと言い切ってしまっていいのか。それとも単なる独り善がりに過ぎないのか? その辺はもう少し研究を続ける余地がありそうだ。
サンデー漫画原作賞の結果発表
1月末に応募した週間少年サンデーの漫画原作賞の結果が発表された。
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応募総数430作品。
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大賞と佳作をとったのはどちらもバトルもの。決め手は、分かり易く、秀逸なアイディア。
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不思議な小話や恋愛モノなど漫画原作が存在する意義のないものは早々に消えた。
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ちなみにキャラ部門とスペシャリスト部門は該当作品なし。
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筆者が送った作品の内容は、
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舞台はど田舎。幼なじみの主人公とヒロインは、道端に倒れていた“鬼”を発見する。彼らは親切心から鬼を匿い助け、面倒を見ているうちに情が沸いてしまう。
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主人公とヒロインは“鬼”に夢中になってしまう。二人は友達付き合いも学業も出世も全て犠牲にして鬼を守り匿い続ける。
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犠牲にしたものも多かったが主人公たちは自分の生き方に満足だった。世界で鬼ともっとも深く交流している人間は俺たちだという自己満足は彼らにとって麻薬のようなものだった。
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だが、そんな主人公の自己満足は、ヒロインが鬼の子を孕んだことで、崩れる。
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主人公とヒロインは同じ日に(二人で学校から帰る途中)鬼と出会い、それ以来、同じだけのものを犠牲にして鬼を守ってきた。だが、その結果としてヒロインは家族を得たが、主人公は一人身のままだ。…虚しい。俺はこのまま一人身のままなのか。こんな結果になるなら鬼のことはヒロインに任せて自分はまっとうな人生を歩めば良かった。だが今さら方向転換することもできない。あまりにも多くの時間を鬼に費やしてしまったからだ。
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追い込まれた主人公。彼は残りの人生をどう生きるのか?
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……うわぁ。原作者が要る必要がないと指摘された不思議な小話モノだし、分かりにくいし、そもそもこれは本当に少年漫画用の原作なのか? もちろん、結果は選外。こりゃ、色々と勉強の余地がありそうだ。
次の作品に向けて
反省点と対策。
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心の機微がメインの物語は漫画原作よりも小説のほうが相応しいのではないか? 漫画は映像メディアだから、ビジュアル的な面白さが必要ではないだろうか? その方向で進めてみよう。
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不思議な小話や恋愛モノなどは漫画原作が存在する必要がないというのは興味深い話だ。漫画原作が存在する意義みたいなものを考えてみたい。
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話を詰め込み過ぎだ。鬼に全てを捧げた男の悲哀を読みきり1本で表現するのは難しいだろう。もう少しコンパクトな話を作ることを心掛けたほうがいい。
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前回は一回目ということで少年漫画誌2賞、青年漫画誌1賞、小説1賞に作品を送ったが、今後は完成した内容に応じて、どこに応募するかを考えるようにしよう。Web上の公募やサイト上での公開という方法も視野入れたうえでね。
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他はともかく、原作が必要なジャンルというのがいまいち分からないなぁ。要するに週間ペースで漫画家が自分で話を考えるには時間が足りないような、手間の掛かる内容ということだろうか? ちがう? サンデー漫画原作賞で大賞をとった作品は漫画化されるそうなので、それを待とうかな。受賞作品から、あのコメントが意味しているところを探ってみたいと思う。
ビジュアル的な面白さ
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例えば『俺が鬼のために費やした二十年間はなんだったんだ』と主人公が悩むシーン。応募した原稿では文章で流してしまったが、あそこは主人公に二十年後、四十年後の光景を妄想させるべきだったな。精神的な迷いや戸惑いこそ、映像化できないかと頭を捻ってみるべきだ。
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バトル漫画では隙がなくて互いに動けないという展開よりも、ひたすら動き回る展開のほうが面白いな。飛び道具で戦うよりも肉弾戦のほうが面白いな。喋る暇がある戦いよりも喋る暇のない戦いのほうが面白いな。
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日常シーンにもビジュアル的な面白さを取り入れることができれば、ますます面白くなるかな?
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伏線
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あずまんが大王の初期でゆかり先生(英語教師)は外人を見ると逃げ出したのに、終盤ではペラペラと会話していた。これは、そのあいだに外人慣れをしたということなのだろうが、その過程を劇中でしっかり描いたほうが親切かもしれないな。1巻の35ページ左でPCの操作に戸惑っていたちよちゃんが同43ページ右で既にブラインドタッチをマスターしていてビックリというエピソードがあったが、そんな感じでネタに昇華できれば、丁寧な物語ということで好感もてるかも。そういう物語を目指そう。
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茶番シーンが伏線になっている漫画ってイイかもしれない。
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服装というのは意外に身近な伏線の置き場かもね。例えば主人公一人だけ服装が変だ。単に主人公だから特別なのかと思わせておいて実は…。
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物語のテンポ
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1バトルに単行本1冊費やしたとしても、その各話に意義があれば、楽しく読めると思う。中身のあるスローテンポな物語っていうのはどうだろう? 読みきり原作では使えないが、いつか活用できる日が来るかもしれない。前向きに検討してみよう。
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個人的な印象だが、JoJo第四部とDQ7の構造とテンポは似てる。どちらも結末に向かって一直線という構造ではなく、起承転結で読みたい人には無駄なエピソードだらけ。でも、その本筋には関係ない無駄なエピソードこそが魅力なんだよな。その作品で描きたいのがドラマなのか世界観なのかでテンポに対する評価は変えるべきかもしれない。
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話を短くまとめる
短編はとにかくコンパクトでなければならない。技術によってページ数を減らすには限界があるから、物語そのものも小さいほうがいい訳だ。使い捨ての物語という印象を読者に抱かせないように工夫したうえで。
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読みきり1本分の分量で説明調にならないようにキャラクターのバックホーンとなる過去を描くのは難しい。この点は登場人物に過去を持たせないことで回避できると思う。ごく普通の若者が未知と遭遇し非現実が現実になる。そんな感じでいいのでは? 未知のものに対する戸惑いとか、そういう部分にもウエイトを置いて。
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もし仇役を登場させるとしたら、その仇役は一匹狼のほうがいい。短編で組織を活用するのは難しいだろう。名前だけの組織なら出す必要はないだろうし。
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Memo
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ひかるの碁が終わったね。ジャンプの漫画原作賞の審査委員を小畑先生と編集長の二人で行うという文章を読んだとき、連載作家にそんな暇があるのかと疑問だったが、謎が解けたよ。
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フィクションの醍醐味みたいなものを形にできないかな? 前回のミノタウロスの話では、『現実では誰も味わったことのない(味わいようがない)最低の屈辱体験』を描くために、劇中世界は異種交配が可能な世界という設定を作ったのだけど、あんな感じでフィクションだからこそ可能な表現を突きつめたいなぁ。テーマを表現する方法として設定を考えるというのは、設定が無駄にならないという点でも有効な気がするのだが。
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同じ駄目人間でも、ガンブレイズウエストのマーカスより、ジャガーさんのハマーのほうが面白い。漫画のキャラクターは、駄目か駄目じゃないかよりも、全力疾走(暴走ともいう)しているかどうかの差のほうが大きいのかもしれない。
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JoJo。個人的には第四部みたいな日常を舞台に第三部や第六部みたいなバトルバトルバトルを見てみたいな。日常に忍び寄る魔の手みたいな感じで。
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ここまでの創作道(第二部)で得たエッセンスの整理
あくまで筆者の場合の個人的な指針だが。
フィクション | 何らかの表現したいテーマがあって、そのための手段として必要なときに限ってフィクションを取り入れるのが最も無駄のない方法だと思う。ノンフィクションでも描きたいことが全て描けるのであればフィクションを使う必要はない。 |
舞台 | 舞台が現在でも構わないものは現在を舞台にするべき。物語にとって必要がある場合は躊躇なく架空の世界を舞台にしよう。 |
過去 | 物語が始まる以前の過去は物語に絡まなければ絡まないほど良い。ただし、読者を追い込みたくないときは、陰惨な体験を意図的に過去に置いて、ショックを弱めるという手法もある。 |
言葉 | 大事な要素は言葉で済まさず、ビジュアル的に見せることを心掛けたほうが良い。例えば「私は変身前の10倍の力がある」と言い出すのであれば、10倍の力に相応しいアクションを見せるべきだ。 |
死 | 陳腐な死の描写は話を軽くしてしまう。あまり安易にやらないほうがいい。また、主人公というのは基本的に死なないものなので、命懸けの戦いを強調されると逆に萎え。 |
プライド | 重要なバトルでは、命よりもプライドを賭けて戦わせたほうがヒヤヒヤして面白いのではないかと思う。負けたほうにはプライドを取り戻すという新たな目標が生まれるし。 |
小さな工夫 | 作り手から見たら小さな工夫でも、受け手にとってはとても魅力的なものもある。例えば最近のFFは「ボスでは経験値を獲得できない」という小さな工夫で、やり込みプレイヤーのハートをがっちり掴んでいる訳だ。工夫に掛かった労力よりも、実際に受け手に何を提供できたかを自己評価できるようにしないと、どこかで落とし穴に嵌まる危険性がある。 |
性格 | ある出来事に対して同じような反応を示すキャラクターが複数いてもプラスにはならない。 |
人間関係 | 人間関係をどんどん繋げたほうが面白くなるはず。 |
掴み | 最初の数ページで受け手に興味を抱かせるにはどうすればいいか。それが大きな問題だな。 |
展開 | 『意外だけど期待に応える展開>期待に答える展開>意外なだけな展開』。“シャーマンファイトの結果は既に決まっています”は反面教師にするべし。 |
謎の人 | 謎の人を出すときはプレイヤーの想像力を刺激する手掛かりを与えておくとよい。例えば、葉巻を吸う人を敵と味方の双方に用意しておき、敵の総大将のシルエットに葉巻を吸わせれば、それだけでドキドキできる。 |
経過シーン | 話の流れの都合で必要なシーンだけど特に描きたい展開がない場合は、登場人物の横顔や人間関係を描くことに力を入れると良い。 |
テーマ | テーマはありがちでも構わない。いや、ありがちであるべきだ。その代わり、テーマを伝える手段は工夫しよう。ヒカルの碁やアイシールド21が好例だ。 |
創作姿勢 | 肩に力が入り過ぎたらアウト。自然体で物語を作って面白い作品が作れなければ、それはまだ実力が不足しているのだと考えたほうがいいだろう。 |
伏線 | トリックやアイディアの肝としての伏線も大事だが、読者に違和感を感じさせることなく登場人物の変化や成長を描くための伏線も大切だ。FF8を反面教師にしよう。 |
サブキャラ | 1人のキャラクターに複数の目的をもたせると読者が混乱する。1キャラクター1目的を心掛けよう。 |
設定 | 物語に結びつかない設定には意味がない。劇中では深く描かれなかった裏設定…というのは恰好良く見えるけど、やっぱり駄目だ。設定は物語にどう絡めるかという視点から作ったほうが良い。例えば、セフィロスが父親だと思っていたガストがエアリスの父親だったというのは真似しちゃいけない設定の1つだな。ああいう設定を用意するのであれば、セフィロスがエアリスに嫉妬するシーンを出さなきゃ物足りない。個人的には、語られない裏設定というのも好きだけど、読みたいものと作りたいものは違う。 |
想像の余地 | 想像の余地を残す目的で肝心なところを語らないのは不親切ではないか。個人的に想像の余地がある物語は好きだが、不親切な物語は作りたくないので、禁じ手にしよう。 |
どうやって物語を作るか
去年12月〜今年4月までの自身の経験より。
制作スタイル | 結果 | 補足 |
公募当選を目指して作ってみよう | × | 減点式で物語を見てしまうので、何も作れない。捻りを加えた話にすると「分かりづらい」、分かり易い話にすると「捻りがない」。…そのまま無限ループに。 |
斬新な作品を作ってみよう | × | 斬新さと面白さは必ずしも結びつかないんだよねぇ。。。ただ斬新なだけでつまらない作品よりも、ありがちだけど面白い作品のほうが好きなので、どうもイマイチ。 |
少年漫画を作ってみよう | × | ジャンルからイマジネーションを得ようとしたのは失敗だった。逆にジャンルに縛られて窮屈すぎて駄目。 |
シチュエーションを膨らませる | ○ | 筆者の場合この手法じゃないと書けないぽい。 |
シチュエーションを膨らませる手法の手順。
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個人的にドキドキわくわくするシチュエーションを思い浮かべる。
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そこから個人的にドキドキわくわくする方向で話を広げていく。
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実例。
作品 | 取っ掛かりのシチュエーション |
4月29日に骨格を作ったミノタウロスの話 | 追放された王子の悲哀話っていうのも素敵かな |
5月12日に説明した鬼の話 | 学校帰り、道端に大きな鬼が倒れていたらビックリするだろうなぁ |
どうやら、俺は、読者と同じ目線に立たないと物語が作れないみたいだ。このサイトのコンセプトが『自分が見たい読みたいコンテンツを自給自足』なのも、その辺に理由があるのかもしれない。
煮詰める作業は大事
少なくとも、筆者には一発で素晴らしい文章を作れるような力がないので、煮詰める作業はとても大切だ。
- 4月に導入部分を書いたミノタウロスの物語
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4月に書いた内容だと、読み手が、国王の言動に唐突さを感じてしまう確率が高いように思う。我が子の出産を待つ最初のシーンだけだと国王を普通の子煩悩のように見えてしまい、自分の子供の顔を知ったあとの暴走をまったく予感できないからだ。
我が子の誕生を待つシーンの前に、戦場で敵を追い込む国王の姿を描こう。『捕虜の盾や和解したふりしての強襲など勝利のためには手段を選ばない』『そんな自分の姿勢に一片の迷いも感じていない態度』『我が子が想いのほか早く生まれそうだというので、捕まっている自軍の兵ごと敵陣を濁流で押し流し、一気に勝負を決めて自国に帰ってしまう』『国王が戻ってくるという報告を聞いた瞬間に空気が張りつめる城内』。このように伏線を張っておけば、国王の豹変に違和感を感じることは少なくなるはずだ。
ふと思ったのだが、この国王はFF6のケフカみたいなものかな。そんな奴を主君として仰がなくてはいけない将兵たちの悲哀と、そんな奴を親父だと思い続けなければいけない主人公の物語か。うまく描ければ、面白い話になりそうだ。
こういう煮詰める作業を何十回も重ねて良い作品に仕上げていく。
シチュエーションから話を作るtest
上に書いたシチュエーションから話を作る手法が本当に自分に合っているかどうかを確かめるために実験的に考えてみた。
朝起きたら自分が芋虫になっていたというのはカフカの変身だが、朝起きたら自分の大切な人が虫になっていたというのはどうだろう? カフカの変身の場合、主人公は逃げ回るしかないが、こちらは主人公自身は無事なので、より話のバリエーションを広げられるのではないか?
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冒頭でいきなり虫になってしまうと感情移入しづらい。少しずつ虫になっていくようにしてはどうか。肉体が完全な虫になり、人間としての意識が無くなったらアウト。主人公は限られた時間の中で治療方法を探し回る訳だ。
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この話は一般人である主人公たちが非日常に叩き込まれるという展開が肝なので、主人公に特別な地位や技術があったら萎えちゃうな。『新聞や書籍の中から似たような事例を探し出す』→『現場に行ってみる』というのが各エピソードの基本パターンになるか。情報はガセでまったく役に立たなかったという展開が重なると萎えるので、偽情報だったという話は全体の半分以下にしよう。これなら『偽情報か本物か?』で受け手の興味を維持することができるだろう。
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そういうノリになるのであれば、主人公たちは一人じゃないほうがいいな。4〜5人の小さなサークルで、メンバーの一人が虫化しそうになってしまい、仲間として治療法を探すという展開がいいか。それならAが新潟を探索している最中、Bが博多で大発見して携帯電話れ呼び出すなんて展開も作れるしな。
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病院に連れて行けばいいじゃん、というツッコミを避けるために、虫化したメンバーは不法滞在している留学生という設定にしてもいいかな。入院したら、治療はしてもらえるかもしれないが完治後に強制送還。バイトも勉強も全力で取り組む好人物。周囲からの信望も厚く、だからこそ仲間が力になってくれる。大学生は半年休みだし、日本中を飛び回るにも好都合だな。
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ああ、なんか、すごく話が作り易いな。
もしかしたら、俺の文章を書く姿勢は、受け手の視点の延長線ではないだろうか。こういうのがあったらいいな。こういうのが見たいな。そんな気持ちが原動力になっているのではないか?
それでは調子に乗って、もう1つ。
シンデレラという物語がある。あれを元になにか話が作れないだろうか?
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シンデレラの主人公は女の子だが、それを男の子にすると……単なる変身ヒーローモノの特撮ドラマっぽくなってしまう予感がする。老人が若者に戻るというのもありがちだな。…どうするか?
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シンデレラは貧しい虐げられた末娘が奇麗なお嬢さまになる訳だから、逆に、お嬢様が貧しくて虐げられた娘になるというのはどうだろう? …って、わざわざ主人公が苦労する意図が分からんな。貧しいけど自由な生活っていうなら物語として分からないでもないが、それもけっこう王道な展開だしなぁ。
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でもアイシールド21を見るに、展開が王道でも構わないような気がする。裕福な人間が貧乏人に逆もどり。でも、それが単なる憧れとかだと共感できる読者は少ないだろうな。もっと強烈な要素が必要だ。
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主人公に自由を渇望させたい。でも悲しい話にはしたくない。主人公を終身刑で五十年刑務所暮らしの男にして魔女が十二時間だけ魔法で外に出してくれるという話だと泣けるので避けたい。自由を渇望しているけど、それに読者が同情することなく、でも興味を抱く。それってかなり難しいような………あ!
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閃いた。こうしよう。主人公は独裁者だ。今や権力の頂点に立っているが、それを維持するのが精一杯で好きなことができない。自由が欲しい。そこに魔法使いが現われて「夜中の十二時まで貴方を別人に変えてあげましょう」と持ち掛ける。これなら、主人公がどれだけ自由度を渇望しているか分かるし、でもそれに読者が同情することはないし、同情はしないけど主人公がその12時間をどのように利用するかという部分で興味が持てる。
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でも、それだけの展開で元の木阿弥みたいなオチだと、いま一歩物足りない。どうせ独裁者なのだから「魔法使いから魔法のテクノロジーを奪え!」と部下に命じさせるかもしれない。…いや、部下に魔法使いのことを話したって信用してもらえないだろうから、独裁者自身が魔法使いを追求することになるか。あ、そういうことであれば、十二時間の自由の話は事の発端にして、話のメインは魔法使いの捕獲と魔法テクノロジーの奪取に全精力を賭けた独裁者のロマンの物語でどうだ?
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あれ? よくよく考えてみれば、超常現象の探索に全精力を傾ける独裁者ってヒトラーじゃん。だったら、殺戮者のイメージの影に隠れて、あまり一般で知られていない、オカルティストとしてのヒトラーを描いた物語にしたら面白いかもな。なぜヒトラーはドイツ軍をチベットに派遣したのか? それはチベットの寺院に眠るあるものが狙いだった。そのあるものとは───なんて方向で。
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主人公はヒトラーではなく、ヒトラーに従う若手将校がいいかな。最初は立派な人物だと思って従っていたけど、だんだんヒトラーが何を考えているのか分からなくなってきて恐ろしくなり、ついには暗殺計画に荷担。ヒトラーの目的は何なのか? 彼に予知能力があるという噂は事実なのか? 彼は2030年の未来に何を見たのか? 五島勉が書いた某ヒトラー本を民房書房みたいに効果的に引用できれば、すげえダイナミックな物語が作れそうな予感。
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シンデレラを起点にヒトラーの話が思い浮かぶなんて……。
なんつーか荒唐無稽で楽しそうだ。
さて、この調子でもう1作。今度はRPG。
主人公は“伝説の剣”。プレイヤーが操作するのは伝説の剣の代々の継承者。ロマサガ2、サガフロ2、俺屍のような世代交代系RPG。
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伝説の剣は“持ち主の力を記憶”する。例えば、伝説の剣の継承者が回復魔法の使い手ならば、経験を積むことで、『伝説の剣が回復魔法を取得』できる。
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伝説の剣は装備者とは別個にMPを持つ。例えば、継承者は自分のMPが尽きても、剣が持っているMPを使って、剣が取得している魔法を発動できる。
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そのお陰で、例えば、以前に回復魔法が使える継承者から回復魔法を(剣が)取得していれば、回復魔法が使えない継承者でも、剣の回復魔法を利用できる。
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剣の存在意義はラストボスを倒すこと。そのために様々な達人たちの力を学習していき、最終的には因縁のラストボスを倒すだけの力を蓄える。
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これなら『後々のことを考えて、すごく弱いんだけど回復魔法だけはとことん得意なキャラを継承者にしたい』→『でも回復魔法に優れているだけでは敵に勝てない』→『攻撃技が得意なキャラを先に継承者にして剣に強力な攻撃技を学ばせておく』なんて風に、システムとストーリーと戦略性を同時に立てることができるな。
掲示板で助言を受けたこともあって
ミロさんからの助言もあり、前回失敗した漫画原作に加え、批評やゲーム企画も考えはじめた。今回はゲームの企画について。おそらく批評は連載中には間に合わないと思うけど、連載終了後も研究そのものは続けていくつもり。焦ってもろくなことにならないと漫画原作の件で分かったので、特にタイムリミットを定めず、じっくり時間を掛けてやっていきたい。
コンセプト | - ファミコン第一世代はもう年齢的にRPGをやり込むヒマがないし、いわゆる主人公たちの葛藤ドラマにも飽きているだろう。彼らにはテーマを訴えかけるようなものよりも、一時期的ではあっても現実のしがらみを忘れることができるような作品が受けるはずだ。
- そこで提案したいのが『風景が素敵なRPG』。絵ばかり奇麗なRPGという言葉は、現在あまり好ましい意味で使われていないが、そこを逆手にとり、その言葉の印象が逆転させてしまうような内容を狙う。コンセプトは『まるで本当にファンタジー世界に来たかのようなロマンチックな風景を楽しめる』。こんな世界を歩き回りたかったよ!というプレイヤーの欲求に応えたい。
- 人間は出来るだけ出さない。美しい風景に人間関係のしがらみは邪魔。エキストラは妖精たち。例えば、紅葉の美しい森の中でひょっこりと顔を出す小人とか、虹の美しい湖からときおり顔を覗く人魚。彼らとのコミュニケーションもまた楽しみ。
- あまり殺伐とした内容にはしたくない。最終目的は誰かを倒すことではなく、なにかを手に入れること。その美しい自然のどこかに、持ち主の願いを叶えるという宝石が眠っている、なんてどうだろう。
- 主人公は魔法の使い手。殺伐とした雰囲気にしたくないので武器はもたせない。魔法でいきたい。
- 昼夜は入れたい。月齢も。新月の森は真っ暗で怖すぎとか。
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ターゲット | - メインターゲットはゲーマーじゃない社会人。
- ゲームが下手な人もターゲット。だから、「操作が簡単!」「ゲームが初めての人でも大丈夫!」といった部分を強調したいな。
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ゲーム性 | - 普段はあまりゲームが得意じゃないような人もターゲットにしたいので、複雑なシステムは搭載しない。単純な王道だけど楽しめるものにしたい。
- 例えば、戦闘システムは逆CTB。行動実行後に待ち時間があるのではなく発動に時間が掛かる。「強い魔法は唱えるのに時間が掛かるのです」というだけのことなので、ゲームの素人でも一行説明を読むだけで理解できるはずだ。
- 「装備」というコマンド名は使わない。普通に「着替える」でいいじゃん。もちろん、装備の変更は見た目に影響を与えるように。そうしなければゲームに詳しくない人に「帽子を外したはずなのに、まだTVには帽子を被った絵が映っています。これって故障ですか?」なんて質問されちゃうから。
- システムは分かり易く噛み砕くけど、ゲームが単調になってしまうほど簡略化するつもりはない。FF4やクロノトリガーのような方向で敵を個性化すれば、シンプルなシステムでも面白いバトルが楽しめるはず。さらに難易度調整機能を用意すれば完璧かな。そのものずばり「バトルマニア用」なんて設定があったりして。
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もう1つの狙い | - ストーリーが目当てのRPGでは、ゲーム終了後に満足して中古屋に売られてしまう可能性も高い。「フィールドを走り回っているだけで楽しいなぁ」「久しぶりにガラス谷の滝でも見に行こうかなぁ」なんてプレイヤーに思わせることができれば、手元に残してもらえる可能性が格段に上がるのではないか?
- 大自然を題材にすることで人間を登場させる必要が殆どなくなる。美しい風景よりもリアルな人間を3Dで描くほうが遥かに難しいというのを考慮。
- 現在も風景が美しいゲームは山ほどあるけど、最大の違いは、最初からお客さんが美しい風景を目当てに買うというところにある。だから制作も販促も、その点に絞ってやればいい。
- 最初から目玉が風景だと分かっているのであれば、お客さんも買う動機を作り易い。
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補足 | スクウェア的な背景絵としての美しさよりも、臨場感を出す方向で力を入れたほうがいいだろうな。DQ6の主人公の家を出たあとの日光の演出はすごく良かった。あんな工夫を積み重ねたい。例えば、高いところから落下するときは、着地する瞬間までを主人公の視点に切り替えれば、それだけでも楽しいような気がする。「今日はあのコースで飛び降りてみようかな!」ってね。或いはDQ2の風のマントのようなものを手に入れて、高いところからむささびのように空を滑空して、そのときも主人公視点で大地を一望できるとか。 |
バリエーション | もし架空の不思議な大自然に不都合があるのであれば、同コンセプトで、実在の遺跡を舞台にしてもいいな。マヤ遺跡とかイースター島とかグランドキャニオンとか。いくらでも題材はあるはずだ。深海何千メートル海の底なんてのも面白いな。 |
上記の例は、あまりゲーム通じゃない人をターゲットにした企画の構想(企画書の形式を整えるのはまたいずれ)。
ちなみに、ばりばりのゲームファンが相手なのであれば、別の案がある。
一行で説明すると、
ロマサガ1のフリーシナリオ制は、結局その後のサガシリーズには受け継がれなかった。DQやFFじゃあ物足りないけど、ジルオールやルナティックドーンだとマニアックすぎるという層に向けた作品が存在しない状況が何年も続いている今がチャンスだろう。
…ふぅ。普段の『ゲーム案』とは異なり、いかに売るかという点について自分なりに考えながら作ってみた。ただ、筆者は売り物のゲームを作った経験はないので、おかしいところがあるかも。あくまで、サイト上のコンテンツ作成能力の向上が(この連載の)最終目的なので、その辺はあしからず。
Memo
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サンデーの漫画原作で大賞を受賞した作品の“頭脳バトル”というのが何を意味するのか未だに見当つかない。ソフィストってことは口先八寸で相手を惑わすのか? 論理パズル合戦でもするんかいな? …どうもイメージが湧かないな。どんな内容なんだろう? 大賞と佳作は漫画化されるはずなので、実物を楽しみに待つことにしよう。
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インタビューで行われる裏話を完全な真実だと思ってはいけないな。
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当面は、斬新さよりも、娯楽性に力を入れよう。
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ジャンプ参考
今週のジャンプから。
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アイシールド21は今週になって急に栗田とかが太陽スフィンクスの連中を怖がりはじめたな。先週までの描写だと変な人の印象しかないので意外。喫茶店のシーンで喧嘩以外の強さも描写したほうがスムーズな展開になるんだろうな。
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UltraRedが実に鈴木さんらしい展開になってきた。これで一気に閃以外の一族に愛着をもてた。いい! ただ今回一気に過去を描いたけど、何回かにじっくりと閃たちが失踪したときのショックを描けば、もっと面白い展開になるかもしれない。
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ルーキーズ、久しぶりには爽快感の溢れる展開に。こういうベタな展開好きです。最後のページの下半分もいい。短い台詞で次の来週が楽しみになった。これは見習わなきゃ。
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プリティフェイス、話が動いたと思ったら、まさか最終回への伏線だったとは…。いや、もし、あの流れで数週間以内に最終回にならなかったら逆にスゴイけど。
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ハンター×ハンター。クイズイベントはどうでもいい部分だったのね。また素敵な富樫節が見られるかと思ったのに残念。ただ、兄弟を0コマ瞬破は“らしかった”ね。
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シャーマンキングはまた俺の頭では追いつけない急展開になってきた。一番素敵な見せ場ほど描かない作風って、どれぐらいの支持があるんだろう?
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BLACK CAT。人魚に変身するっていいなぁ。絵的に素敵だし、水中という他キャラにはない得意フィールドもできたし。
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ジャガーさん、やっぱいい。あのジェットコースターのような展開をストーリー漫画でやれたらスゴイだろうな。参考にしよう。
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サイト運営メモ
“当たり前”のことを書くのは勇気が要る。今週はDQ7のレベル99の強さを紹介したけど、あれは熱心なDQ7ファンなら3年経った今さら読む必要のない常識だろう。見るべき価値もない。それでも敢えて書いたのは、どれだけの人数かは分からないが、そういう情報が必要な人間はきっといるだろうという、個人的な経験に基づく推測からだ。
筆者はDQ6の頃、熟練度との関係から、レベルはできるだけ上げないほうが良いと思っていた。DQ7はクレージュと裏ダンジョンその2のメタル狩りが楽しくて、気がついたらレベル99になっていた。レベル99のあまりの強さに驚くとともに、DQ6で意図的にレベルを抑えたのは勿体ないことだったなぁと後悔。この経験があのコンテンツの起点になっている。
楽しみのためのサイト運営というのは要するに何にせよ自己満足な訳だが、公開する意義のないサイトと公開する意義のあるサイトを隔てるものは、しっかりしたメッセージ性或いはコミュニケーションの有無ではないか。
CrownArchiveは、筆者の多忙もあって、コミュニケーション要素は掲示板ぐらいしか存在しない。その分、メッセージ性にはできるだけ力を入れていきたい。FF8は楽しむのに幾つかコツがいるよとか、DQFFにまつわる面白いことを紹介しようとか、FF9のキャラでFF8の物語を作ったらどうなるかとか。…冷静になって考えてみると、酔狂なことをしているなぁと思うけど、きっと、それだけ俺はDQとかFFが好きなんだろうな。
…なんだか取り留めのない文章になってしまったけれども。上記のようなCrownArchiveの路線で本当にいいのかという迷いから始めた創作道、どうやら、迷うヒマがあったら一歩でも先に行けという結論になりそうだ。
これまでの流れを整理すると
Step1 | 1月6日〜2月18日 | 大事なのはテーマ |
Step2 | 3月4日〜5月12日 | テーマに沿って話を肉付けする際の目安 |
Step3 | 5月27日 | 数ある題材の中からテーマを決める際のコツ |
筆者が辿った道は上記のような流れだったけど、整理すると『その1→その3→その2』の順になる。
Step1 | テーマの使いかた |
連載前 | テーマが大事という話はなんとなく分かるのだが、実際にコンテンツを作る際にどうテーマを活かせばいいのか分からなかった。 |
現在 | テーマは基準として利用するといい。- どちらも同じぐらい気に入っているんだけど相互に矛盾するので片方のアイディアしか入れられないときは、よりテーマに沿ったほうを選べばいい。
- 全ての要素に100%のエネルギーを注ぎ込む時間がないときは、よりテーマに近い部分に重点を置くのが確実。
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Step3 | テーマの決めかたについて |
現在 | テーマが浮かばないときは無理に話を捻り出さないほうがいい。中途半端なテーマはあとで自分の首を絞める羽目になる。どうせ遊びでやってるんだから、話作りのことなんて忘れて別の遊びに夢中になっちゃえ :-) 。その経験があとあと活きることもあるしね。- 作る過程が楽しめるテーマを選ぶべき。『自分が興味あるテーマ』だと『見るのは好きだけど作るのはそうでもない』可能性もあるので。
- テーマは具体的であれば具体的であるほど良い。例えば漠然と『ファンタジーの物語を作ろう』よりも『ファンタジー世界で騎士が活躍する物語を作ろう』のほうが話を作り易い。
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※前回まとめたばかりなので今回は省略。
傾向としては
ゲーム | プレイヤーに味合わせたい“楽しみ”を考える起点にしてはどうか |
漫画 | 中心となる人物を描くことに力点を置いてはどうか |
具体例を出すと、
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ソニックじゃ酔ってしまうプレイヤーでも高速でフィールド駆け巡るゲームがしたい→イメージファイトみたいに移動速度を自由に変更できるようにしたうえでクリアタイムを競う横スクロールのアクションゲームなんてどうだろう→最低速度はマリオのBダッシュで最速はFF3のノーチラス並み。
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戦略性の高いRPGを遊びたい→TCGの面白さをRPGに反映できないだろうか→デッキやカードという言葉は使いたくないので軍隊モノにしてはどうか。“ホークマン部隊が敵軍と遭遇しました!”から始まり毎ターン“ノーム治療部隊が戦場に駆けつけました!”とか“ワーボア突撃部隊が戦場に駆けつけました!”とか表示していく訳だ。
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歴史の大河を味わえるようなゲームをしたい→サガフロ2の年代システムを搭載したロマサガ2なんてどうだろう。「同盟国の裏切り」「黒土争奪戦」「政略結婚」「謀反の噂」なんて風に年代開始ごとにテーマが表示されて、いかにそのイベントを乗りきるかという訳だ。当然のことながらプレイヤーの努力次第で各年代の結末は変わる。「1120年…謀反の疑いがある将軍を処刑」を頑張れば「1120年…慎重な調査の結果、謀反の噂は敵国の謀略であったことが発覚」に変えられるとかね。
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アクロバットなアクションゲームをしたい→忍者くん阿修羅の章でお馴染みの連続三角飛び+ストライダー飛竜なんて面白いかも。そこにさらにワイヤーアクションを加えれば完璧か。
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舞台は現代。あるときから飼い猫がお金を拾ってくるようになった。これは一体どういうことだろう? 猫を尾行していると意外な事実が判明することに…。
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軍隊版の男塾って面白そうだな。イメージは20世紀初頭の陸上戦。同じ自己犠牲でも、FF5とは対極の気分が味わえそうだ。「あれはなんだ!? 弾丸が弾かれてしまう!」「貯水漕とかいう敵軍の秘密兵器らしい!」「ぬぬぬぬぬ…そうだ!」「おい、何をする気だ!?」「直接乗り込んで中にいる連中をぶっ倒すんじゃー!」「やめろ、無茶だー!」。ニヤニヤしながら楽しんでもらえれば。
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魔法使いの奥さん。まだ恋愛結婚が一般的ではない世界。風習に基づいて十代半ばで結婚したが、主人公である奥さんは魔法の研究に夢中で旦那を省みない。旦那はいかに奥さんの興味を引くか。馬鹿仲間の力を借りて旦那はあれこれ考えるが、どれもうまくいかず…。
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究極の予言によって、まだ3歳の幼子がのちに世界を滅ぼす魔王になるだろうと予言された。驚いたのは子供の親である主人公。最強の騎士として高名だった彼は息子を抱きかかえて逃亡生活を開始する。彼を狙うのは同僚だった騎士たち。
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魔王ネタをもう1つ。今度は主人公が魔王。魔王と呼ばれて世界から怖れられた男はついに人類を滅ぼした。彼は何千年という月日を掛けて今の記憶を残したまま人生をやり直す禁術を発動させる。彼とて自ら望んで魔王になった訳ではないのだ。失敗の記憶を糧に今度は幸せな人生を歩みたい……そう思っての決断だった。だが過去の世界に戻った魔王は未来の記憶を持つが故に深く苦しむことになる。家族や友人と仲良く接すれば接するほど、かつて自分の手で彼らの命を奪ったときの光景が脳裏に浮かぶのだ。「……」「お父ちゃん、怖い顔してどうしたの?」「…ん? ははは、気のせいだよ」。
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下の2つは、魔王とか騎士とか、いかにもなネーミングを使っているけど、世界観が固まったら、その世界観に合わせて呼称は変更だな。それまでの仮称ということで。
逆に、“魔王”というネーミングを利用した物語を作るなら、下記のような展開でも面白い。
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例えばドラクエの魔王は魔族や悪魔の王様を略したものということで説明できる。もし魔族が存在しない世界で魔王と呼ばれるとしたら、暴君や独裁者といった呼称では済まされないほど人でなしなのだろう。かの織田信長は比叡山焼き討ちで魔王呼ばわりされたそうだから、それに匹敵或いはそれ以上の暴挙をすれば魔王と呼ばれる可能性がある訳だ。なら、一人の君主が魔王と呼ばれ人々から怖れられるまでの過程を描いた物語というのはどうだろう。当人は決して魔王と呼ばれることを望んでいた訳ではない。だが、運命は残酷だった───てね。
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ゲームや物語を芸術として捉えたとき、上記のような内容はどうしようもなくアレだが、ゲームも物語を商品として捉えるなら、需要と供給のバランス次第で上記のような内容にもチャンスがあるだろう。
自分の作品の傾向を省みる
公募に送った作品やこの連載で紹介したサンプルのあらすじを見ていると、なんとなく一定の傾向が見えてくるな。
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俺が作った展開は、悲劇を意識しないで物語を作っても悲劇っぽい展開になる。悲劇といっても悲しませたい訳ではなく、圧倒的な困難に立ち向かう主人公の姿を描きたくて、そういう展開になるみたいだ。
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話の傾向がどことなく和製CRPG的だ。明らかに小説や青年漫画の展開ではないが、かといって少年漫画的な展開でもない。この傾向をどうにか長所に昇華できれば、それが独自のウリになるな。選択肢の1つとして検討してみよう。
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短編
今までに書いてきた物語のサンプルがどれも長編用のものであることから容易に察せられるかもしれないが、筆者は短編が苦手だ。というか短編を作ったことがない。長編の中の1エピソードとして作ったことはあるのだが。公募で苦労した理由の一因はそこだな。
どうすればいいのだろう? 完全に短編の中で話が完結したほうがいいのか。それとも、壮大な物語の中の1エピソードという形がいいのか。まだ後者のほうが作り易いのだが。
研究のため短編漫画を幾つか読んでみたが、個人的に面白いと感じるのは、人間ドラマにウエイトを置いた漫画ではなく、登場人物が愛着の要らない駒になっている漫画だった。藤子F不二雄のSF短編集なんて素敵すぎる(どうでもいいがあれはサイエンスフィクションではなく歳フェンスファンタジーだね)。個人的には水木しげるの短編も好きなのだが、あれは好みが真っ二つに別れるだろうな。
2つ前の項でゲームと漫画の発想の起点を2つに分けたけど、短編漫画は、ゲームよりの発想で作ったほうがいいのかもしれない。
試しにやってみよう。
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21世紀初頭の現在、「月の土地を売ります」の看板を立てて莫大な金を稼いだ詐欺師。ある日、自宅に帰ってみると宇宙服を被った兎の顔をした奇妙な連中がいた。「な…なんだ、あんたたちは!?」「お前を不動産詐欺で逮捕する!」「はぁ!?」。月まで連行されて裁判を受けることになる詐欺師。「まさか…月に宇宙人がいたなんて…」。彼が見た月の奇妙な文化や風習とは? 彼を待ち受ける奇妙な判決とは?
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大人に立ち入りを禁じられている森に遊びに行った少年は、そこで蝶人がさなぎから蝶になる光景を見てしまう。その美しく神秘的な光景が脳裏に焼き付いて離れない少年。そんな彼はある日、森で息倒れになっている蝶人を見つける。「血…血を…」。蝶人の主食は植物の蜜ならぬ動物(或いは動物という広い範囲ではなく人間でもいいかな)の血液だった。少年はどうにか蝶人を救いたいと考えるが果たして……?
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利権が絡むため熾烈な争いとなる町議会選挙。引っ越してきたばかりで、そういう事情をまったく知らない主人公は軽い気持ちで選挙事務所のバイトを始めるが……。
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十階立ての塔を1回のチャージで崩し倒すという、デタラメの強さを誇る騎士。その強さを目の当たりにした主人公は騎士の強さの秘密を探ろうとするが果たして…?
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いわゆる不思議系だな。その不思議要素が“恐ろしいもの”とか“因果応報”だとホラーになるのだろう。どうやら俺の場合は“未知との遭遇”がメインになるっぽいが、これは不思議業界ではどれぐらいの割合を占める分野なのだろうか。
同じ格闘モノでも味付け次第で、ドラゴンボールにもグラップラー刃牙にもなるように、同じ不思議モノでも味付け次第で個性を出すことは可能だろうな。その辺の研究が今後の課題だな。
もしも正統派の少年漫画の短編を作るならどうなるか。
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いわゆるスポーツ漫画を考えたらこんな話が出来た。→「あ、お兄ちゃん?」「おう。お前、目が見えないのによく分かるな」「なんとなく空気の流れる音で分かるんだ」。そんな少年が目が見えないことを隠して地元の野球チームに入部する。なにせ空気の流れる音が聞き取れるぐらいだから無敵のエースで四番だ。弱小だった所属チームはついに県大会の準決勝まで駒を進む。ところが。「…!? 雑音が大きすぎて肝心の音が聞き取れない…!」。相手チームは全国大会レベル。今まで経験したことがない観客の数。「どうした!?」「いや…その…」。今さら目が見えません、投げられませんでは済まされないだろう。だがどうすればいいのだろう?
-
弱い主人公が幼なじみの女の子に学んで強くなった。ところが、あまりの成長速度に、その幼なじみが慌て出す。「あいつが強くなるのは嬉しいけど私は誰にも負けたくない…ッ!」。幼なじみは主人公をライバルとして扱い出す。戸惑う主人公。「いや…その…僕は虐められたくないから強くなりたかっただけで…君のライバルになりたくて強くなった訳じゃ…」「うるさい、黙れッ! 本気で掛かって来いッ! 手加減なんかしたら一生許さないからなッ!」。幼なじみに手取り足取り戦いかたを教えてもらっていたときは正直言って幸せな気分だった主人公。こんな展開になるとは夢にも思わなかった。さて、どうするか。…この話、男と女を逆にしても面白いかも。全国大会優勝の主人公。護身術を教えていたが、みるみる上達していく彼女に嫉妬、彼女としてではなくライバルとしてしか見れなくなってしまう。
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ん? これって正統派か? まあ、いいや。なんとなく短編を作る方法が分かってきたぞ。あとは経験を積んでより実戦向きに修正していこう。
実際の展開
それでは実際の展開について考えてみよう。
公募用の作品では、少年漫画の横道と自分の趣向性のバランスの取り方に失敗したので、今回は、自分の小中学生時代の感性を基準に作品を作ってみる。もっと幅広い視点から作品を作るのが理想だけど、とりあえず単純なものからステップ方式で頑張ってみよう。
前述したように筆者は未知との遭遇(人物に限らず世界に限らず設定に限らず)が好きなので、そこを起点に話を作ることになるか。
授業中なのに退屈そうに外を眺める生徒A。
雲が奇麗だなとか、渡り鳥は勉強なくていいなとか、どうでもいいことを考えていた生徒A。
ところが巨大な風船の紐にぶら下がって足をジタバタ動かしながら空をさまよう男を発見してしまった。
生徒A | えーッ!? |
先生 | うるさい! 急にどうした! |
生徒A | 人が空を飛んでる! |
生徒Aの後ろに座っていた生徒 | マ…マジだ、空飛んでるよ! |
生徒Aの前に座っていた生徒 | すげえ! |
廊下側にいた生徒たち | え!? 見せて見せて!? |
席を離れ窓際に集まる生徒。先生まで硬直してその奇妙な光景を呆然と見ている。
みんなが騒いでいる中、一人だけ席から立たず、沈んでいる少女がいた。
あれが父親だとは、クラスの皆には決して知られたくなかった。
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グラナダのような超科学漫画の冒頭を考えたら、こういう展開になった。まるでギャグ漫画のような導入。でも、それで良いんじゃないかと思う。ギャグ漫画なら落下しても死なないけど、ストーリー漫画なら落下したら即死。ギャグで笑って済ませている展開をストーリー漫画で描いたら、すっげえ手に汗握るんじゃないか。あいつは何者だ? 力尽きて墜落しないのか? どういう握力してるんだ? そもそも何の目的であんなことしているんだ? あの謎の男をお父さん呼ばわりする少女は物語にどう絡むのか? …なんだか想像しただけで、わくわくしてきたな。(´▽`) 。
これで“掴み”は完了。続いて本編に入るのだが、実際に本編を作る前に、好ましい展開と好ましくない展開の違いを考えてみよう。
まずは、萎える展開。
展開 | コメント |
夢のために命を賭ける父とそれを理解できない娘。父が命懸けで夢に挑む姿勢に少しずつ娘の心は動いていく | 『ひたむきな姿勢に心が揺さぶられる』というのは微妙だなぁ。相手が好意や興味が抱いていないジャンルでひたむきさをアピールしても意味がないような。もう一押しの理由が欲しい。例えば『今までくだらないと思っていたことに興味が湧いてきて打ち解ける』だったら良いかも。 |
親父はバカ担当キャラで風船で空を飛ぶ行動には何の意味もなかった | 読者にとっては肩透かしでガッカリだし、作り手にとっては別にメインエピソードを考えなければいけないので、両者にとって良いところなし。ギャグシーンは本編が一通り完成してから全体のバランスを見て散りばめないと。 |
ビジネスに挑戦するのであれば
※もし筆者がビジネスに挑戦するのであればという仮定の話です。
ネット回っていて気づいたけど、小中高生の書く小説は、小説とは名ばかりで台本形式が多い。例えば、
小説形式の例 | 「ごめん、あいつの言っていたことが本当なんだ…」
「え…?」
奈美は顔をあげて克己を見た。克己は俯いたまま震えていた。
「…全部ウソだった。俺は遊ぶ金欲しさに…」
「やめてッ!」
奈美は耳を塞いだ。
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台本形式の例 | 克己「ごめん、あいつの言っていたことが本当なんだ…」
奈美「え…? そんな…」
克己「…全部ウソだったんだ。俺は遊ぶ金欲しさに…」
奈美「やめてッ! それ以上は言わないでッ!」
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台本形式の作品を好んで自サイトで晒している人間は、人間の台詞は漫画とかの延長で書ける読めるけど、情景描写などは慣れてないから書けない読みにくいということだろうか。
…これはチャンスかもしれないぞ。小中高生向きに、台本形式の物語を作れば売れるんじゃないか? 漫画とライトノベルの中間的な存在ということでさ。小説としては異端な形式だから、『小説』とは呼ばず『物語』と呼び、それ以上、定義の話には深入りしない。
個人でやるなら出版よりもネット販売か? まずはネットで小中学生が大勢集まっている場所を探さないとな。gaiaxに出張所でも作ろうか? それとも携帯のほうがいいかな? 携帯だと発言者の名前をいちいち表記するスペースが勿体ないので、FF7のごとく、喋りかただけで誰が発言しているのか分かるようにしようかな? 「がはは!」「きゃはは!」「ほひー!」……ここまでいくと、やり過ぎだが。
残り1回。
RPGネタ
3分でプレイヤーが主人公と一体化できる案を3作。
ドラゴンに会おう!
大戦によってドラゴンが絶滅したと言われる世界。
街の名士が大金を払って竜の骨のイミテーションを買い、組み立てて展示した。
それを見学する主人公と親友。
親友 | でっけえなぁ…。すげえなぁ…。 |
主人公 | 本当にこんな巨大な生き物がいるのかなぁ…。信じられないなぁ…。すごいなぁ…。一度、本物のドラゴンを見てみたいなぁ…。 |
親友 | そうだなぁ…。 |
それから数日して。
親友 | おい、事件だ、事件だ! |
主人公 | なに? |
親友 | 霧谷にドラゴンが現われたそうだぞ! |
主人公 | 本当!? |
親友 | 本当かどうか確かめにいこうぜ! |
主人公 | え…でも学校は…? |
親友 | 学校よりドラゴンのほうが大事だろ! |
主人公 | せめて夏休みまで待ったほうが…。 |
親友 | ばか! 待ってるあいだに誰かがドラゴンを退治しちゃったらどうするんだよ! 今すぐ行くんだ! 一秒でも早く! |
そして2人は霧谷へ向かう。
主人公 | 霧谷まで馬車でどれぐらい? |
親友 | 10日ぐらい。 |
主人公 | 2人合わせても旅費は3日分しかないけど…? |
親友 | そんなこと金が足りなくなってから考えればいいって! とにかく行くぞ! |
それが冒険の始まりだった。
その後の展開 | 主人公と親友は霧谷を去るドラゴンの横顔を見る。そのあまりに雄大な姿に感動した2人は、もっとドラゴンを身近で見たい、もっとドラゴンを長く見たいと思うようになる。その思いが彼らの人生を方向づけた。成長し冒険者となった2人の夢は、ドラゴンに会うこと。そのために世界中の秘境を巡る。何十年という月日を費やした末に2人は大戦を境にドラゴンがいなくなった本当の理由を知ることになる───。 |
魔導書を探せ
廃虚の一角で隠し階段を見つけた主人公と仲間。その奥には魔導書があった。
主人公 | 古代魔法文明の伝説は本当だったのか…。 |
仲間 | 伝説によれば、魔法文明は世界各地に研究所を作ったらしいな。 |
主人公 | ああ。そう聞いている。 |
仲間 | …なら、世界のあちこちに、こういう素晴らしい魔導書が眠っていることは考えれないか? |
主人公 | なるほど。 |
仲間 | 探そうぜ。世界中を。古代文明の叡智を俺たちの手元にさ! |
主人公たちは若手の魔術師。この日、彼らの旅が始まった。
癒し手RPG
馬車を前にして。
恋人 | いってらっしゃ…ごほごほ。 |
主人公 | 無理するな。お前は重病なんだから。 |
恋人 | …でも、次に会うのは3年後だし…。 |
主人公 | 3年の月日を長いと思うなよ? たった3年だ。3年で俺は立派な癒し手になって帰ってくる。お前の身体にすくう病魔は俺が倒す。 |
恋人 | …ありがとう。 |
難病を患う恋人のため、癒し手を志し、故郷を離れる主人公。
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癒し手は、病人の身体にすくう病魔に戦いを挑むことができる唯一の存在。戦闘がそのまま病人の治療に直結するところがポイント。
色々なジャンルの構想
今まで、この連載ではどちらかというとファンタジー色の強い作品構想をしてきたけど、例えば、社会人向け漫画なら。
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国際結婚した夫婦が主人公の文化ギャップを描いた漫画とか。
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↑のバリエーションで、会社の都合で世界を転々とする家族の異文化との出会いと戸惑いを描いた漫画とか。
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今年で六十になる街頭描きを主人公にした漫画とか。
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法律ネタでいくなら、
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不動産もの。不動産関係はトラブルも抜け穴も多いしな。ちょっと古くなってしまったが、借地借家法なんて新ネタもあるし。
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ネット関係の法律ネタなんかも面白いかもしれない。第一話は無断リンクの是非についての話題から始めるか。無断リンクそのものは合法だが説明文次第では名誉毀損その他でしょっ引くことも可能と。
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主人公を外交官にして国際法や国連を題材にした漫画という手もあるな。
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少女漫画とかなら、
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いわゆるネットアイドルとかね。中学生か高校生の主人公がホームページ入門とやらの本を片手に頑張ってサイトを作ったら、何千何万という人が押し寄せて、話題が話題を呼んで雪だるま式に有名になってしまうのだけど、実は最初のほうのアクセスは、同じ学校にいる奴のF5アタックだったという。しかも、サイトに飾ってあった自分の写真がコラージュに利用されたり、匿名掲示板で叩かれたり、自分のところの掲示板を荒らされたり。耐えない苦労。掲示板でいつも励ましてくれていた相手(自称高校生)が、実は40代の独身中年だったり。
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十六歳の専業主婦漫画。御近所さんとの人付き合いがメイン。ジェネレーションギャップに苦しむこともまま。
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女子高生の主人公がガテン系のバイトに精を出す漫画。工事現場のおっさんたちたちとのコミュニケーションがメイン。わびさび。
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ミドルティーン向けの漫画なら、
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ちょっと変わった世間知らずなお嬢さんだと思っていた恋人が、実はちょっとどころじゃない浮世離れした人だった。キスで妊娠すると誤解している恋人になんとか正しい知識を理解させたのだが、その主人公の試みが泥沼状態への第一歩だった。恋人の誤解は、そもそも母親の信仰に起因するもので、当の母親は、娘を変えていく主人公に強い殺意を抱く。娘の前では理想の人間を演じ続ける母親の正体を恋人に教えるべきか否か。
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年貢の過酷な取り立てに悩み、村を捨てて逃げ出した村人たち。彼らは生きるために野盗になった。愛用するのは鎌。鎌を片手に襲い掛かる元農民の野盗団というのは絵的にも恐ろしいだろう。
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日本神話を漫画化したら面白そうだ。神話だからって立派な無いようにしようとは思わず、気楽に読める内容のものをさ。
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歴史モノなら、
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源頼朝とかね。14歳の初陣で親父と兄を失い伊豆に追放、20年間を忍んで暮らし、34歳のとき100人の同志と共に立ち上がり、たった数年で天下を握る。頼朝とその仲間たちの魅力を引き出せれば。
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アフリカの部族闘争。厳密には歴史モノとは言えないかもしれないが。
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ギリシア、アテネの哲学者大弁戦なんて面白いかもな。世界の根本はなにかという問いに、万物の根本は数にあると言い出す男がいて、この世界はイデアの影に過ぎないと言い出す男がいて、四大元素説を唱える男がいて、原子の存在を主張する男がいて。
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ギリシア、スパルタを舞台に、一人の男の戦いの日々を描くのも面白そうだ。男性市民全員が戦士という発想がすげえよなぁ。
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1952年、イスラエル政府は科学者アインシュタイン(彼自身はユダヤ人ではないがユダヤ人の先祖を持ち)に大統領就任を要請したが、彼は政治よりも研究を望み、その要請を断った。…ここまでは事実だが、もしも、アインシュタインがその要請を受け入れていたら、どうなっていただろう? もちろん何も変わらない可能性が高い。彼は政治的には素人だからだ。だが、もっと想像力を膨らませてみよう。彼は戦前アメリカ大統領に核兵器製造を促し、戦後は一点して核兵器の国際管理を主張した経歴の持ち主だ。この一連の流れから、彼は基本的にはハト派だが、緊急時にはタカ派もびっくりの強硬路線を突っ走る可能性もあることが分かる。もし仮に彼がイスラエル政府の権力中枢を握ったらどうなるだろう? 良い方向に転ぶだろうか。それとも悪い方向に転ぶだろうか。数年前に流行った架空戦記のもっとダイナミックなものが作れそうじゃないか?
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…なんか、こうやって、あれこれ考えているうちに思ったけど、例えば、青年誌向きの題材でも、見せかたを工夫すれば少年漫画に出来るんじゃないだろうか? 例えば、ラブロマンスは少年漫画では難しそうな印象があるけど、異性として魅力よりも先に人間としての魅力を描くようにしたら、どうだろう? 或いは、技の応酬や展開の多彩さよりも、ライバルに負けたくないという気持ちに重点を置いて話をじっくり作っていけば、少女漫画でもバトルものを作れるんじゃないかなって気もするな。
漫画に限らずに考えれば、例えば、TVゲームにあまり興味を抱いていない大人たちを夢中にさせるゲームというのはどうだろう。数年前に『僕の夏休み』がヒットしたけど、ああいう元ゲーム少年をターゲットにした作品ではなく、より広い層にはどうか? 例えば、20〜30年前の世相や文化を再現した学園生活シミュレーションなんて面白いかもしれない。ただし、大人がゲームショップでゲームを買うのは恥ずかしいから、DVDが見れるゲーム機ではなく、ゲームが見れるDVD機を家電量販店で売る。ゲームソフトはレンタルビデオ屋などに置いてもらうとか。そういう販売面での工夫も必要だろうな。…あ、そこまでするぐらいなら、パソコン向けに作ったほうが早いか。
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