< 第1章 >

まず、ファミコン版の『スウィートホーム』の紹介。
ゲーム画面が表示され、
最後に静止画面が登場する。
暖炉や湖の静止画面は実際には出てこない。

そして映画の方に入る。
タイトルが表示され、キャストが影絵(狐・蟹・犬等)のシーンの間に表示される。
バックには子供のはしゃぎ声。

ひどい砂埃の屋外。
和夫(山城新伍)が村役場から出るのを待機している取材班。
天気予報を携帯ラジオで聞いている秋子(宮本信子)。
車の横にしゃがんで石で的遊びをしている田口(古舘伊知郎)。
アスカ(黒田福美)は車内でアイマスクを付けて休息をとっている。
和夫が戻ってこない事にイライラしている娘のエミ(NOKKO)。


村役場の窓口で新聞の切抜きをしている中年の役人(三谷昇)と間宮邸への立入りの許可を求める和夫。必至にお願いはするが、役人は頑として許可しない。

その時、若い上役(益岡徹)が戻ってきて早速靴に溜まった砂を掻き出す。役人は上役に間宮邸の使用許可の件について知らせたが、上役も間宮邸は30年も前に閉めたきりだと問題にはしなかった。TVで間宮邸のフレスコ画を題材にした番組を制作したい等と言うと、砂除けのゴーグルを外した上役は和夫の立っている窓口に来て間宮邸以外のものを取材しなさいと尋ねる。


外で待機しているメンバー。エミはグズっている和夫の文句ばかり言っている。

田口は車内のアスカのアイマスクを取ろうとしたが、目が合った途端、ビンタをくらってしまう。

ようやく役所との間宮家への立ち入りの交渉は成立したみたいだ。
そして金庫の中から間宮邸の鍵を取り出し、和夫に手渡した。
その際、役所の連中は間宮邸での祟りを危惧していたが、取材班に何かあった場合は超自然現象で責任の取りようがないと判断。

間宮邸のある山奥に入った。道は整備されておらず、霧がたちこめている。
ひどく錆びた門は鎖で閉じられていたが力ずくで開けることができた。

屋敷への長い道を車でひた走る。
屋敷が見えてきた。倒木が車の邪魔をしていたが強引に突破。フレスコ画のためならなんのその。
ようやく屋敷へとたどりついた。玄関前に石像が立っている。
屋敷は霧に包まれていて静けさが漂う。

取材班は倒木や草むらをまたいで屋敷の入り口に向かう。
アスカはもらってきた鍵で屋敷のドアを開けようとしたが

なかなか開かなかった。
田口は窓から中に入ろうとしたが、窓も板で打ち付けられている。
板をはがすと、屋敷の中はものすごい埃だった。

和夫たちが勢いつけて開けようとした途端、裏から入ってきた田口が中から飛び出した。

中は非常に暗く、ほこりやカビにみまわれていた。
懐中電灯で周りを確認。早速ロケ開始。アスカがレポーターを務める。
撮影の最中に和夫たちはきしむような異様な音を感じた。そして土ぼこりと共に音は次第に大きくなり、天井の角材が落下。幸いけが人はなし。間宮邸が著しく老朽化していたのかが分かる。

取材班は懐中電灯を頼りにフレスコ画の探索にあたった。途中でメンバーが何かにつまづいて転んだものの、何とかフレスコ画のある部屋に潜入。フレスコ画の壮大さに思わず息を呑む取材班。ほこりのせいか、ぼやけて見える。

フレスコ画は見つかったが、電気が通っていないせいか、暗くて撮影どころではない。
秋子はガソリンを持ってきて、
「広い屋敷だから発電機があるはずよ」と田口に手渡した。

田口は外に出て発電機室へ向かった。
途中で奇妙な形をした石積みを見かけた。

発電機室のドアは南京錠で施錠されていて開けることができない。
田口は何たるかを知らずに
通りかかったところにある石積みを蹴飛ばして
礎石を使って南京錠を叩き割った。

発電機を発見。ガソリンを注入してスターターのひもを引く。
起動すると発電機からワッとホコリが舞う。
屋敷の照明が付いた。

さっそく仕事に入る。

まず、アスカは防塵マスクをして、掃除機を使ってフレスコ画のほこりを吸い取る。
作業の一部始終を田口が撮影する。秋子はロケの監修及び田口の車椅子(屋敷に元々あった)を操作する役。

控え室では田口の映像を見ているエミとコーヒーを淹れている和夫。
エミは相変わらずだらしない和夫にいびっている。死んだ母さん(映画では一切出てこない)にそっくりだなと和夫。

そして好奇心旺盛なエミは屋敷を探検したくなる。

絵の修復作業はあらかた進んでいる。埃を吸い取ると、"Home,Sweet Home"の文字が見えてきた。


エミは赤い光に誘われて、
豪華な寝室へと入った。
ほこりまみれのペンダントを拾って、首にかける。

撮影がひと段落して秋子が控え室に入り一服。横でコーヒーを飲んでいる和夫とエミの事を話す。


寝室のベッドで跳ね回るエミ。ボロボロのマットの羽毛が飛び散る。
目の前に映写機があり、それ使ってみる。
所々にシミがあるスライドには女の人が映っている。間宮家の家族だろうか。

スライドはしばらくすると炎で溶けてしまう。
エミは怖くなって取材班の所へ戻った。

和夫と秋子は修復したフレスコ画をモニターで確認。後ろから忍び寄ってきたエミは和夫に注意されるとムッとなってネックレスを外し、その場を立ち去った。そしてモニターには田口が近づいてくる。

田口がフレスコ画のいっぱいある部屋を見つけたとの事だ。

食堂全体に壁画が描かれている。
先程のフレスコ画には母と子供の絵が描かれていたが、

こちらには色々なものを表した絵画。
何かの扉、炎、顔、墓、子供の柩も描かれている。

そしてアスカが絶叫する。
「あかちゃんが…あかちゃんが…」

アスカが突如うずくまって泣き出した。

− 続く −
 

<ポイント>

若い上役「だったら!間宮邸もいいが、せっかく来たんなら、神子峠の千年松あれあんた、幹の太さ日本一だから。あれを取材しなさいよあんた。」
若い上役「連中が何ともなけりゃ、あの屋敷は大変な観光資源になるわけだ。」
若い上役「じゃ、これ。間宮邸の鍵。」

アスカ「コンタクトずれちゃった…」