第6章:あとがき

 

 

大変長くなりましたが、このティアリングサーガノーセーブノーダメージ攻略理論は、これにて終了となります。以上述べてきた理論により、この常軌を逸した狂気のやり込みは無事終了することができました・・・というのはウソ

 

今まで述べてきた内容だけでこのノーセーブノーダメージクリアーが終わったわけではありません。言うまでもありませんが、今まで述べてきたのはあくまでも理論であり、それを実際の行動に移さなければ、それは机上の空論に過ぎないのです。

というわけで、以上述べてきたティアリングサーガノーセーブノーダメージ攻略理論に基づき、実際のプレイを始めました。ええ、始めてみましたよ!そこで私が実際に体験した悲惨な出来事と、最後の最後に待っていた臨死体験についてここでは少しだけ触れてみたいと思います。

 

ホントにしつこくて心苦しいのですが、今回のやり込みはノーダメージかつノーセーブです。そして、実際にプレイする際にどちらの条件の方が肉体的・精神的に厳しいのかというと、これは明らかにノーセーブの方なのです。

前にも述べましたが、このゲームはプレイ中に中断することはできません。そしてこのPSというハードはしばしばとてもえげつないやり方で我々プレイヤーを裏切ってくれるのです。そう、フリーズという方法によって。

ハッキリ言って、このフリーズは滅茶苦茶怖いです。DQ7をやったことのある方ならこのPSというハードの危険性は身をもって十分御承知のことと思います。確かにこのティアリングサーガというソフトは基本的にフリーズすることなどまずないのですが、それでも数十時間連続してプレイしていれば(もちろん休憩を挟みますが)、当然そのような危険性は増してきます。・・・幸いにして今回のプレイ中ではフリーズによって死亡するという事故は起きませんでしたが、寿命は三ヶ月くらい縮みました。

 

また、さらに厳しいのが実際の操作です。無敵キャラを投入できるようになった後は、少しのミスくらいは許されるような場合が多くなりますが、それ以外のMAP、例えばMAP3や9,18や19などではキャラの移動する地点を1マス間違えるだけで即死します。・・・正確に言うなら即死するわけではなく、即死する危険性が出て来る、すなわちダメージ期待値が0ではない攻撃を受ける可能性が出てくるというだけの話なのですが、何度も述べたとおり運などというものは本当に当てになりません。0%と100%以外の確率は、極論するならば1%も99%も当てにならないという点においては同じなのです。

 

実際、数十時間に及ぶプレイ中でただの一度もミスをしないなどということは不可能で、何度かミスをしました。そのうちの何回かは実際にダメージを受けてしまって終了だったのですが、その内容は、育成中に誤って低レベルキャラを敵の攻撃範囲から逃がすのを忘れたというのが1回で、もう1つは辺境の戦士を修得していないカトリを沼に待機させたままターンを終了してしまい、毒ダメージを受けて終了、というものでした。この2つは確か遭遇戦での育成に関する記述の部分でお話ししたと思います。そしてさらにもう1つが、ラフィンの周囲3パネルにサーシャを配置して必殺回避を上げるのを怠り、その結果発動率数%の必殺攻撃を受けて終了というミスです。

この一事から見ても、たとえ数%の確率であっても極めて大きな脅威となることが良くお分かりになると思います。それ以外のミスも、細かい点を上げるなら切りがありません。ホームズ隊とリュナン軍との2部隊編成でキャラの移動を間違えることはありませんでしたが、アイテムの受け渡しには1つか2つくらいはミスが出てきてしまいますし、また全40MAP、遭遇戦も入れればその数倍にもふくれあがる多くの戦闘の中で盾を装備し忘れたりしてヒヤヒヤすることもありました(その時はすぐに気付いて改めて装備させたので大事には至りませんでしたが)。このように私も人間である以上、当たり前のことながらミスはいくらでもしてしまいます。詳細な行動計画表が存在することと、それを確実に実行することは全く別問題なのです。

 

 

そして・・・そのようなあらゆる悲劇の中で最大級のもの、今までのやり込み歴の中でも文句なしに最凶最悪の悲劇が・・・起きたのです。起きてしまったのです。それはなんと・・・ああ・・・なんとっ・・・はぁ・・・MAP・・・うぅ・・・MAP・・・くっ・・・4・・・4・・・よん・・・じゅっ・・・あー!もう!なんと!最終!MAP!である!ところの!MAP40「邪神と女神」攻略中にダメージを受けちまったんだぁぁぁぁぁぁぁ!

 

・・・そう、あれはMAP40の攻略も終盤にさしかかり、このやり込みそれ自体もようやく、ようやく、ようやく、ようやく終わるかと思われたその時のことでした。

このMAP40に到達する以前に、すでに上述したようなミスで終了してしまうという悲劇は何度も起きており、そのたびに怒り狂い、寿命をすり減らし、ついに、なんとか、とうとう、ようやくにしてMAP40に辿り着き、さらにラスボスであるガーゼル以外の敵を全て駆逐し、敵増援の出現ポイントも塞ぎ、後はコイツを倒すのみ、という、本当の本当の本当の本当に攻略の最終的最終段階に差し掛かったときのことでした。

 

・・・MAP40の攻略のところで述べたとおり、このラスボス戦ではホームズとリュナンの二人でブレスを無効化して時間を稼ぎ、その間に移動の遅いセネトを祭壇まで到達させて聖剣所持者4人で囲んで倒す、という流れになります。

そう、せ・ね・と・く・ん・を・祭壇まで到達させなければならないのですぅぅぅぅぅぅ・・・。そしてこの祭壇の前には・・・そう・・・あの・・・イスラの沼でカトリもダメージを受けてしまった・・・ぬ、ぬ、ヌ、ぬま、ヌマ、沼、沼、移動コストがかかる上に毒ダメージを受けてしまう、あの悪夢の「沼」地形が存在しているのです・・・。

もうお分かりですね。最後の最後、油断したのか気を抜いたのか集中力が途切れたのかっていうか全部同じですが、よーするにセネトが「辺境の戦士」スキルを持ってないってことをキレイさっぱり忘れちまってたんですよ!そして!めんどくさいからプラムの再移動で一気に沼を抜けることも、レネの転送で一気に祭壇に送り込むこともせず、沼の上に、沼の上に、そのままだとダメージを受けてしまう沼の上に、セネトを待機させちまったんだぁぁぁぁぁぁ!

 

・・・実際ダメージを受けたその瞬間まで、セネトが「辺境の戦士」を持っていないということどころか、沼地形がダメージを受けるということすらも私は失念していたのです・・・。

 

一応言い訳をさせていただくと、このMAP40の時点で出撃させるようなキャラクターは、全員確実に「辺境の戦士」を所持しています。というかイスラの沼で育成したキャラクター以外はほとんど使い物にならず、また育成を行ったキャラクターは当然辺境の戦士を修得させています。育成をしていない神官系やリュナンにさえも、このスキルは確実に修得させているのです。

よってもはや沼ダメージなどということは完全に考慮の外に置いていたのですが、当然このMAP40で初めて仲間になったセネトなんかがこんなスキルを持っているはずがありません。しかもコイツは王家の王子様で、クラスもプリンス。「辺境の戦士」なんて修得しているはずがないのです。

・・・にも関わらず、やっちまったんですよ。所詮人間なんてこんなもんです・・・。あれだけ頑張って完璧な理論を構築し、実験でそれが正しいことが実証されたとしても、それを実現できるかどうかは本当に別問題なのです・・・。

 

実際の話として、このミスによってクリアに手がかかった、というかあと数分で終了するはずだったこのノーセーブノーダメージ攻略は、再び振り出しに戻されたわけなのですが、この歴史的悲劇のあと、一週間くらいはこのゲームに手を触れられませんでした・・・。見るのもイヤになりました・・・。ていうかもう諦めようかと思いました・・・。

そのあとしばらく時間をおいて、もう一度ココロを無にしてこのやり込みをやり直し、そして今度はMAP3以降はミスもなく一発でクリアしました・・・。この時は、なんて言うか、もう「終わった・・・・・・・」という感想しかなく、達成したやり込みの内容をレポートの形にして書き留めるという作業も全然やる気がしませんでした。ですから今回これほどレポートを書くのが遅れたのはそういう理由もあるのです。

 

このような私の個別具体的な体験はあくまで理性的体系としてのノーセーブノーダメージ攻略理論には全く関係ありませんが、今回のレポートは最終的に決定された理論だけをお伝えするのではなく、理論構築から実践に至るまでの艱難辛苦の過程と、その際に私が体験したことなどもある程度までお伝えしようという意図のもとに書かれたものなので、このような形を取らせていただきました。

読む方によってはそんな鬱陶しい内容が削除された純粋に理論的なものを好まれる場合もあるとは思いますが、どうかご了承下さい。

 

・・・正直、いつもやり込みレポートの最後には「読者の方がこれを参考にしてより良質なやり込みを達成されることをなんたかかんたらうんぬんかんぬん」という感じの締めが来るのですが、今回は全く別の表現にしようと思います。

つまり、もうノーセーブノーダメージという類のやり込みをするのはやめましょう、と。それが貴方のためです、と。そして私自身のためでもあります、と。本当にそれだけです。本当に本当に、それ以外に言うべき言葉が見つかりません。

 

 

ノーセーブノーダメージよ、永遠に、さよなら。もっと普通のゲームライフよ、こんにちは

 

 

 

 

Fin

 

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