今回の攻略のコンセプトは、一言で言うなら「Simple is Best」ということです。題材としたFF5という作品は、何よりもアビリティシステムによる多様な戦術の可能性にその最大の特徴があります。それゆえ、このFF5というタイトルに対するやり込みも、このシステムを最大限に生かすため多様なアビリティを活用する方向で行われてきました。
しかし今回の攻略はそれとは反対の方向、すなわちほとんどのコマンドを封印することで選択肢の数を狭め、その中で最大限に戦術を極めるという意図のもとに行われました。前回の攻略も同様の意図に基づいて行われたものですが、今思い返せばパーティーが4人もいるというのが非常に大きく、多くのボス戦はフェニックスの尾の回復力に物を言わせて突破していた感がありました。そのため戦術の特化は中途半端な段階に留まっており、満足できるものではありませんでした。
そこで、今回の攻略ではさらに一人という条件を追加することにより、さらなる戦術の昇華を目指しました。コマンドは基本的にたたかう、アイテム、時空の3つに制限し、この限定された条件内で武器防具や行動、そのタイミングなどを最大限に活用することで、アビリティを活用する場合とはまた別の、限定されたがゆえに生じる多様な戦術の可能性を示そうとしたのです。それが最初に述べた「Simple is Best」ということ、すなわち行える行動が非常に単純であるがゆえ、逆にその中で最大限に戦術を特化させる可能性を見いだす、というコンセプトなのです。
結果として、今回の攻略ではそのような目標はある程度達成できたと思っています。特にマギサ&フォルツァや封印されしもの、アポカリョープス、オーディン等のボス戦で、最良の攻略ではなく、おそらくほぼ唯一の攻略パターンを見いだせたという点については、それなりに評価できると感じています。加えて、その難易度の高さゆえに実際に攻略を行う中でも多くの戦闘において緊張感や達成感を味わうことができ、プレイそのものを楽しむこともできました。
その意味で、今回の作品は自分としても及第点を与えてもよいものだったと思います。攻略の性質上、やり込み特有の美しさはあまり感じられない攻略だったと思いますが、行動がシンプルであるがゆえ必要な工夫と努力、そしてそこから得られる味わいを少しでも感じて頂ければ幸いです。
既に何度も触れましたが、今回のやり込みはにゅすけさんのFF5「レベル1一人ボス撃破」に強く影響を受けて行われたものです。と言うより、私としてはこのやり込みを私なりのやり方で潤色したものが今回の作品である、とすら思っています。結果的に攻略理論に関しては、一部を除きそのほとんどを私オリジナルのものとしたつもりですが、それが準拠した対象としてこのにゅすけさんの作品は非常に大きな意味を持ちました。よってまずにゅすけさんにこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。
また、これは前回のやり込みから共通してお世話になっている方々ですが、今回も遠藤さんのサイト、Index of /~s-endo/内の解析データ各種、及びjunさんのサイト、Field of Dreams内のデータベース、低レベル攻略ガイドを参考にさせて頂きました。これも前回からの繰り返しになりますが、今回も解説の都合上攻略本文中に各種データを掲載していますが、これらのデータの大部分はこちらのサイトから引用したものであり、よってこれらに関する著作権は、それぞれこの両氏に帰属するものであることをここで明言しておきます。
以上に加え、当然ながら今回の作品を行うに当たっては多くの方の攻略レポートや助言を参考としています。これらの先人の方々に謝辞を捧げるのはもちろんなのですが、特に以前ダンシングダガーで剣の舞を狙うという戦法を助言して下さった炎のイモ屋さんには、この場を借りて感謝したいと思います。
そして何よりもこのようなレポートをここまで読み進んで下さった読者の皆様に最大限の感謝の念を捧げながら、このレポートを終わりにしたいと思います。
どうもありがとうございました。