3.COMを陥れるテクニック(基本編)


(1)はじめに

1、2章ではCOMの行動パターンを解析してきた。3、4章では解析結果を元に、COMの行動パターンの 欠陥をつつくようなテクニックをいくつか紹介する。この章では、その中でも頻繁に使う基本的なものを取り扱うが、 「ミノフスキー粒子が濃いところの方が回避しやすい」といったごくごく基本の知識的部分については説明しない。 これらのテクニックを駆使すれば、多少の戦力差を跳ね返すことができる。さらにはこういったテクニックを使わなければ 勝てない場合も出てくるだろう。基本戦術を理解して、次の章での応用テクニックに備えて欲しい。

(2)テクニック@:後攻め

テクニックというほど高尚なものではないが、場合によっては攻撃できても攻撃をせずに、敵が攻撃するのを待ったほうが よいことがある。例えば、こちらの攻撃2発で敵を撃破できる場合、味方から先に攻めると(すべて命中するとして)、 「味方→敵」でお互い1発ずつ、「敵→味方」でお互い1発ずつダメージを受けて敵が撃破されるため、敵撃破までに 受けたダメージは2発分になる。ところが、敵が攻めてくるのを待つと、「敵→味方」でお互い1発ずつダメージを受けるが、 「味方→敵」の攻撃で敵が撃破できるので受けたダメージは1発分になり、HPが温存できる(下図参照)。

また、敵が防御してくるときも、反撃で攻撃を直撃させたほうがEPの節約になる。この「後攻め」というテクニックは 行動解析では説明しなかったが、COMの「自分の残りHPにかかわらず攻撃をする」という行動パターンを利用した テクニックである。敵味方の数が少なく、ギリギリの戦いになることが多いスタートイベントマップでは必要不可欠なので ぜひ覚えてもらいたい。また、戦艦はある程度HPが少なくなると退避するので、戦艦に対してはこのテクニックは使えない ことも覚えておこう。

(3)テクニックA:囲い込み

囲い込むのは敵ではなく味方やある空間であり、すなわち撃破されるとゲームオーバーになるユニットであったり、 敵が侵入するとゲームオーバーになる空間であったりするわけである。このテクニックは勝つためのテクニックと言うより 負けないためのテクニックというべきであろう。このテクニックが必要となるのは敵ユニットが侵入すると敗北になる場所 があるときや、撃破されると敗北になってしまうユニットが居て、かつそのユニットが能力的に不利な状況(HPが少ない、 パイロットが無能、移動できないなど)にあって、敵軍がそのユニットの破壊を最優先させてくるときである。移動力が高ければ 逃げればよいし、パイロットの腕がよければ回避し続ければよいので、わざわざこの戦法をとらなくてもよい。 防衛戦では非常に有効なテクニックなので、是非活用してもらいたい。

まず、撃破されると敗北になるようなユニットを守るときは、守りたいユニット(図ではA)から敵の最大射程距離 (図では5にしてある)だけ離れたマス(水色のエリア)のすべてにユニットを配置すればよい。この場合に必要な ユニット数は20機。こうすれば、敵Bがやってきても射程範囲内にAが入ることは無いので、攻撃されないのである。 後は近づいてきた敵を少しずつ破壊していけばよい。ただ、壁となっているユニットは攻撃される可能性があるので、 できるだけ強いユニットを並べておきたい。領域を守るときも同様に、領域(緑のエリア)を囲むようにユニットを 配置(青いエリアに配置。パターン@、Aどちらでもよい)すればよく、敵の射程は考えなくてよい。

ユニットが足りなかったり、壁にできるほど強いユニットがあまり居ない場合でも、壁を作るということは有効である。 上の図において、紫は敵Bの攻撃有効範囲(この範囲に入るとAに攻撃できる)であり、壁なしでは敵Bが6マス移動すれば この範囲に入るが、壁として6機ユニットを置くだけで8マス移動しないと範囲に入れなくなるのである。壁を増やして 右上に伸ばせば10マス、12マスと移動距離が長くなる。だから、壁はできるだけ配置するべきであって、数が足りないときは 敵の移動に応じて壁も移動させるといった工夫をすることで数の少なさをカバーできることが多い。

(4)テクニックB:チョイ出し戦術

敵が一気に攻めてきて、まとめて対処できない場合に使うテクニック。使う条件は限定されるが、安全に敵を処理していく ことができるので、使えるとレベル上げなどにも非常に便利だ。

上の図でA〜Eの位置に敵ユニットが、F〜Iの位置に味方ユニットがいるとしよう。このとき、Eは@の位置にマップ 間移動できるが、A〜Dは移動先にユニットがいるのでマップ間移動ができない。つまり、敵のターンでこちらのMAPに来るのは Eだけになる。A〜DはMAP2に移動するために、ユニットのいない位置に移動するので、こちらもユニットを移動させて MAP間移動ができないようにしてやればよい。このテクニックが使える場面は宇宙⇔宇宙の移動ができるマップや 空中⇔地上の移動ができるマップ、水面⇔水中の移動ができるマップであるが、コロニー入り口を塞ぐことによって コロニー内⇔コロニー外の移動ができるマップでも使うことができる。ただし、コロニー入り口を塞ぐときは コロニー外から自軍ユニットをコロニーの中に入れて入り口を塞がなければならない点に注意。このテクニックにより、 敵の自軍がいるMAPへの流入を制限できる。また、全ての敵をMAP間移動不可にすればゆっくりHPやEPの回復もできる。

(5)テクニックC:だまし討ち

支援攻撃をダメージ計算に入れないというCOMの欠陥を突いたテクニック。 最重要ともいえるテクニックで、 さまざまな場面で使えるので便利である。ぜひ使えるようにしておきたい。

味方ユニットAは破壊力のあるユニット(ガンダムWゼロ等)、味方ユニットBは破壊力のないユニット(ボール等)、 さらに敵ユニットはユニットAの攻撃一撃で撃破できるが、ユニットBの攻撃一撃では撃破出来ないユニットとする。 この場合、ユニットAの支援としてユニットBを使うと、攻撃は支援攻撃からなので、まずユニットBが攻撃し、さらに ユニットAが攻撃するが、敵が回避または防御をするため撃破の確率が下がってしまう上に、ENを攻撃2回分消費して しまうことになる。ところが、これを逆にしてユニットBの支援としてユニットAを使うと、支援攻撃のユニットA の攻撃だけで撃破できるので、ユニットBはENを消費せずに済む。さらに敵は支援攻撃を加算しないので、 回避や防御をされる心配もない。支援攻撃では行動回数を消費しないし、ユニットBにはボーナスステップがつくので、 ユニットAのENが無くなるまで使える。一番のメリットは、経験値がユニットA、Bの両方に入るということ。 これによって弱いユニットが強いユニットの支援で強敵を撃破して大量の経験値を得ることも可能になるので、 レベルアップとしても有用な手段だ。ユニットAが一撃で敵を撃破できる攻撃を持ち、かつユニットBの攻撃のダメージが 少ないという条件さえ満たせば使えるので運用場面も多い。ユニットAの攻撃が外れると敵を撃破できず、反撃でユニットB が撃破される可能性があるというデメリットはあるが、ユニットAに優秀なパイロットを乗せるか、命中率の高い武器を 選べば回避できる(敵は回避しないので、それほどパイロットが強くなくても命中率は100%になる)。

(6)テクニックD:待ち伏せ

敵は基本的に最大移動をしてくるという性質を利用したテクニック。つまりは、敵が最大限移動すると、敵の射程範囲内に 味方は入らないけれど、味方の射程範囲内に敵が入っていて、次のターンに一方的に攻撃できるようにするのである。 このテクニックを使うと安全に敵を撃破できるので何かと便利であり、特に破壊力はあるが射程が短い敵のときに威力を発揮する。 これを単体で使用することはあまり無いかもしれないが、他のテクニックとの併用が多いので、しっかり理解して欲しい。

条件:味方のあるユニットの最大射程>敵の最大射程

わかりやすく説明するために、事例を挙げて説明する。上の図において、Aは最大射程と移動力が共に4の敵ユニット、 Bは最大射程5の味方ユニットである。敵のターンでAが@の場所に移動すると、AとBの距離は5であるためにAは攻撃 できない。だが、最大射程が5であるので次のこちらのターンでBはAを攻撃できて、距離が遠すぎるため敵は反撃できない ので、安全に攻撃できる。敵が「突撃型」の移動パターンならば、Bがいる縦の列よりも左にユニットを置かなければ 確実に@に移動してくれるのだが、「目標集中型」であると、本拠地の位置などでAなどに移動してしまう可能性がある。 味方の配置場所は水色(敵から半径9マス)のどこでもよいので、敵の移動パターンがはっきりしないときは、 敵と本拠地を結んだ直線上にユニットを置くのがよいだろう。なお、Eに味方を配置すれば、@〜DのどこにAが移動しても 攻撃できる。注意すべきは、射程が長い武器は命中率がそれほど高くない上に、敵はほとんど「回避」してくるので、 パイロットの腕がよくないと命中しないということ。ちなみに、MSの最大射程は4であることが多いので、 射程5以上の武器を持ったユニットがいればこのテクニックが使えると思ってよい。戦艦の砲撃範囲に敵を誘うという ことも考えられるだろう。

(7)テクニックE:霧隠れ

ご大層な名前をつけたが、つまりはごく近くにいるのに、霧がかかったように敵の攻撃が当たらないということ。 敵のターンの攻撃を対処する方法の1つで、なるべくノーダメージで切り抜けたい時に使う。 主に勝利条件が特定ユニットの撃破で、他のユニットの相手をする余裕のない場合に重宝する。 使える場面はある程度限定されるが、条件も含めて頭の片隅に入れておけば、意外と使う機会は多いかもしれない。

実例を挙げたほうがわかり易いので、実例を使おう。上の表は「ギラ・ドーガ」の武装である。表のように、 シュツルムファウストとグレネードランチャーの命中率が低いので、敵がこの攻撃を使ってくれば、「回避」で かなり命中率を下げられる。敵にシュツルムファウストとグレネードランチャーを使わせるためには敵との 距離をどれくらいに保てばよいか考えると、上のように2〜3マス離れていればよいということになる。 敵も味方も一般兵の場合でも命中率30%前後まで下がるので、かなり避けやすくなり、ミノフスキー濃度を 利用すればさらに下げられる。気をつける必要があるのは、ENが足りなくなると攻撃法が変わるということ。 敵の攻撃法が変わらないうちに防戦から攻撃に移れるようにしておこう。

(8)テクニックF:ちぎり戦術

これまでに、こちらに向かって移動してくる敵の対処法は扱ったが、移動せずにこちらを迎撃しようとしている 敵ユニットの対処法は扱っていない。そこで、今度はそういった敵の対処法を扱おう。

Aは敵の戦艦、a〜hは戦艦Aに格納されている、移動力、最大射程4の「待機型」敵ユニットである。 この場合、敵ユニットaは移動後味方ユニット@を攻撃してくる。それ以外のユニットは攻撃範囲に敵が入らないので 移動しない。すると次のターンにはaが孤立状態になっているので、攻めやすい。このように、少数のユニットを 引き離しながら倒すと安全に攻略ができる。まともに迎撃されると面倒なので、待機型の敵を見かけたら、 すかさずこの戦術を使おう。


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