これは、外伝4レビューに書き切れなかった思いのたけをぶち込んだテキストであって、レビューでは書かなかったうっとうしい部分で構成されている。たぶん読みにくい。いちおう本編を読まないとわからない部分もあると思うが、本編を読んでもやっぱりわからないかもしれない。WIZの知識が必要な部分もある。その他の知識も要るかもしれない。
それにしても、これは本編では読みやすさとか内容の洗練性とかを考慮して削った部分である。それをこうして発表するのは私の根性の無さのあらわれだと思ってほしい。
私はFFをプレイせずに批判する輩が嫌いだった。なぜなら、ちょっと昔の私がそうだったからだ。プレイしてからならいい、かというと、「FFはクソ」という偏見の元に評価をゆがめていないか、って気はするが。
そして私は、できることなら全てのゲームを肯定したかった。それができると信じていた。
だが、私にもプレイせずに批判しているゲームがあったのだ。
・・・それが「(日本製の)Wizardry」だった。そんなのって悲しすぎるよ・・・
外伝4レビューは、かつてWIZを盲信していた自分へのレクイエムでもある。これを書かないと前に進めない。明日から逃げたかった。声から逃れるために・・・無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄・・・
(結局いろいろ考えて、「プレイしないで評価を下すのは、プレイしてから評価を下すのと同じくらいには正しい。つまり状況次第」であった。なんだそりゃ)
それにしても、WIZファンってどのくらいいるんだろう。あのレビューにはそれを少し確認したかった意味も含まれている。
いろいろ衝撃を与えた(と言われる)BUSINのCM。いや、このCMに賛同するのは正しい・・・かもしれない。けど、WIZに絶望した私はこのCMを許せんのである(オンエアでは見てないけど。ここに載ってるのを参考にした)。ちなみに私はBUSIN未プレイ。おもしろそうだという印象だが・・・
そもそも私がBUSINの情報を見たとき、「最近のWIZって、『古くさけりゃいい』って感じだもんな」であって、「そうか、ついに新しいWIZをつくる者があらわれたか」である。あの渋くてかっこいいビジュアル。大胆なゲームシステム。さすがにアトラス、いいものつくるゼ、とか思ってた(ちなみに私は女神転生シリーズも未プレイ)。つまり、あのCMと逆のことを考えていた。
で、CMがちょっと話題になる。ここでは4種類のCMにグチをたれてみる。だって明らかにFF意識しすぎだもんなぁ・・・
そんなバカな。
まず「想像力」。イヤな単語だ。これはWIZオタクが好んで使ってたけど、アイテム集めゲーにそれがあるかと言いたい。
いや、WIZには想像力はたっぷり使う。それを喚起させる素材としてWIZが優秀だからである。アイテム集めで推す人も、実際には自分の持ちキャラ作ったりして想像力を使ってると思う(「ああああ」とか適当な名前でも愛着がわいてくるから不思議だ)。
が、この場合の「想像力」とは、「自分のキャラへの思い入れ」とか、例えばトレボー×ワードナ説とか、カシナートの剣にまつわる不毛な論争とか、妄想話のたぐい。あとは冒険者に存在感があること、かな。
WIZの想像力なんてそんな程度だ(もちろん、それだけあれば十分すぎる)。想像力を喚起させる材料としてWIZが優秀というだけだ。というより、ほかに想像することがあるのか?そしてこの程度、FFでもしょっちゅう聞く話だ。(「カオス」の存在に関する矛盾のような話、エクスカリパーの謎、それからキャラクターの細かい心理。想像力は使おうと思えばいくらでも使えるのだ)
まあ、WIZのほうが想像力喚起には優秀だろうとは思う。だけどひっかかる。「映画みたいなゲームは想像力死ぬ」→「いいゲームは想像力持たせる」だが、同時に、「映画は想像力を殺す」になってないか?単に想像のベクトルが違うだけでは?
つーか、「映画的」を前面に押し出すゲームって、FF以外にあるのか?名指しといっしょじゃん。
私がWIZ好きである理由のひとつに「WIZのシステムになじんでしまい、他のRPGより気が楽」ってのがある。電車の中で頭も大して使わずにプレイ。
・・・それはさておき。
「頭使わないゲーム」ってなんだろう?そんなのあったか?あ、インタラクティブムービーの類かな(ガンダム「顎割れ」0079とか)?映画嫌いだったらそれも納得・・・できないよなぁ。
少なくともFFじゃないはずだ。FFは頭使うよぉ。FF8ほど頭使うゲームはなかなか無い。複雑怪奇なゲームシステム、ろくに説明の無いシナリオ、ついでに行く先もよくわからないという・・・頭使えばいいってもんじゃないぜよ。あ、でもFF9はそんなに頭使わなかったかな(そこが持ち味だが)。でも超シンプルシステムの旧ウィザードリィほどじゃないよぉ。
(でもこれもFFに向けてるようにしか聞こえない)
というか、ゲームなんかやってたら頭悪いっていう論法といっしょじゃないか。ゲーム全体を批判してたのが、一部のゲームに変わっただけで、言ってる事は同じである。BUSINもしょせんゲームに過ぎないだろうし・・・
これはよくわからん。このCMが言いたいのは、「ゲーム性がないがしろにされてないか」かもしれないが、大切なものとは・・・?
「大切なものがない」PS2というハードにはそれを感じるが。ゲーム業界全体がそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。BUSINもそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。なんともいえない。これには文句は言わない。
・・・「一番大切なもの」ってなんだろう。私はゲームに大切なものは「楽しけりゃいいじゃん」だと思ってるけど。(ゲーム性さえも時には不要であるとさえ思う)
・・・実はファミコンにRPGが増えた頃から言われてることでもある。これを言い出すと場合によっては初期のWIZさえも否定する必要が出てくるかもしれない(さすがにそんなことは無いと思うが)
聞き飽きた。特にFFまわりで。
映画みたいなゲームがいらない理由は、「我々はゲームをやりたいんであって、映画を見たいのではない」である。脳ミソが要らないとするなら、プレイヤーが使わなくなっただけだ(本当は使ってると思う)。
「ビジュアルに頼りすぎ」はわからないでもないが。
私がなんでこんなに怒ってるかというと、WIZオタクの一部には「FFと違ってWIZは想像力たっぷり使うも〜ん」「FFほどヌルくないも〜ん」みたいな言い方をする人がときどきいて、それとまるっきり同じ事をCMが言ってるからだ。外伝4よりヌルいRPGはそんなに多くないぞ、と思ってるのだが。ついでに戦闘シーンが大味で大胆なのは初期のWIZはFF以上だと思う。攻撃魔法の撃ち合いだもの。ティルトウェイトがフレアーになって、それがフレアとメガフレアに分化したわけだ。それで、召喚魔法でイッキ、という戦闘を生み出した、といわれるが、実はFFの召喚魔法は5以降はティルトウェイトほどには強力でないのだ。はっきり言って、戦闘シーンのバランスはたいして差が無い。FFは外伝4あたりと比べて敵の攻撃もけっこうバカにできないし。最低でもそこだけは確認してね>MrメモリほかWIZオタク。
ちなみに、FFのビジュアルは趣味が偏ってるからイヤだ、ってのなら納得がいく。シナリオも。あの偏りが魅力であり、弱点でもあると思うが、これに同意してくれる人はどのくらいいるかな〜。
・・・それにしても。今更このCMみたいな当たり前のことを言われても、ちいとも感動できない。こんなの小学生でもわかる理屈だ(最近の子供は頭いいよぉ?)。
FFを批判するのは簡単だが、簡単すぎるから面白くも何とも無い。まして「FFファンはアホだ」みたいなことを言われると、それじゃあFFファンでWIZファンの私は何なのだ。
・・・もちろん答は簡単だ。ただの、ゲーマーだ!私はアホかもしれないが、同時にWIZファンだ。同様にWIZファンもアホかもしれない。それとも私はWIZファンの中でもアホな部類なのかもしれない。なんでもいい。だが私はWIZファンでFFファンで、もともとFFファンだったがFF6で失望してその後WIZにハマってFF嫌いになって外伝4で絶望しスクウェア嫌いになってたのがサガフロで戻って「なんだFF6とフロントミッションだけがクソゲーだったんだ」と思い直しその後FF9とFF7とやってかなりハマってFF8もついでにプレイして結局全部のゲームはプレイしなければ完全にはわからないという当たり前すぎる結論にたどりついた、ただのゲーマーだ。私がアホであったとしても、私はいまだにFF6が好きでなく(8よりも!)、なおかつFFファンである。いやもうFF信者と言ってしまおう。発売から半年たったFF10を新品で買ってなぜか予約特典までもらってしまうダメダメなFF信者だ。レーシングラグーンの続編を待ち続ける邪悪なる異端ゲーマーだ。これは本当にアホかもしれない。けど外伝4が嫌いであることや、FFをむやみに敵対視するWIZファン(最近はあまりいない?でもCM作った奴はそうであると信じている)が嫌いであることを間違ってるとは思わない。
・・・BUSINはかなりいけるだろうと思ってたのだが、CMで引きまくった。PS2を買ったときにプレイしたいゲームの3位ぐらいだったのが、8位ぐらいに下がった(よってまだ未プレイ)。しかもその後の評判を聞くと、「面白い。だけど戦闘が長いのが難点」ときたもんだ。戦闘シーン、ザコで2分かかる(「ゲーム批評」の記事より)ってマジ?FFはおろか、レーシングラグーン(バトルはレース)より長いぞ。
それでも結構面白そうだとは思ってるんだけど。BUSINは「想像力を引き出して」「頭使う」「ゲームとして大事なものも忘れてなくて」「ビジュアルにも頼っていない(ないがしろにもしてない)」ゲームなんだと思う。ただ、どうもあのCMをつくった人の考えは共感できない。作ったのは開発者じゃないと思うが。
って、こんだけ書いてなんだけど、あのCMがFF「だけ」を意識していたわけでもないかもしれないが。(まったく意識していなかったら、それはそれで問題だが)
ここで外伝4に話を戻そう。
三つの塔がむちゃ簡単なのは本編で述べたが、この傾向を助長する要素もある。不動の塔には低レベルでも倒せる上に何度でも戦えるボスキャラがいて、そいつで稼げばあっというまに高レベルになってしまう。さらに、死霊の塔ではイベントでモンク最強の武器が手に入る。FINAL FANTASY流に言うなら、最初から賢者にジョブチェンジできたり、フレアが100個ジャンクションできたりするようなものだ。しかもバグじゃなくて仕様である。特別な手順もいらない。取ったばかりの重要アイテムを捨てるだけだ。システムを理解してる邪悪なWIZファンなら簡単にできてしまう。今回の再プレイではこの方法は使わなかったが。
敵はなぜか魔法を滅多に使ってこない(確率そのものは低くないようだが、使う前に倒してしまってるのだろう)。おまけに物理攻撃も弱い(これは以前からそういう傾向があった)。しかしそれだけではない。敵ごとの個性もほとんどない。人間系の敵が多いのもそれを悪化させている。もともとWIZシリーズでは人間系の敵が多いのだが、このゲームは14種類の各職業ごとに7段階のレベルがあり、その数は14×7=98種類。名前を覚えるだけでも大変だが、名前が同じやつまでいる。しかも、なぜか最上級を除いてほとんど全員低レベルで能力は似たり寄ったり。名前はWIZ6の職業ごとに設定された称号を使っていて、今までのシリーズの「レベル10ファイター」なら「グラディエーター」とか名前を変えるわけだが。なんで「ワーロード」あたりの強いはずの奴が低レベル扱いなのか。ダイショーマスターが2階から出てくるってのはどういうこと?
さらにタチの悪い事に、本作には同じモンスターでも色違いや顔だけすげ替えたやつが登場するシステムがあるのだ。色んな種族の敵が登場するのは面白い考え方だが、名前どころか職業さえ識別できないこの状況でこれはつらい。出会ったやつなのかなんなのか判らなくなるのだ。しかも顔が合ってないやつが何体かいるし。
ところで、この顔すげ替えシステムだが、どうも種族差別を撤廃するために取り入れたんではないだろうかと思う。
ちょっと説明すると、「パーティにはエルフと人間だけしか入れない。ドワーフとかノームとか汚い連中はいらん」というプレイヤーが結構多いのだが、私はそういうのがどうも嫌いだ。いや、私も素早さの低いドワーフが好きじゃないし、人間以外を増やすのは芸がないし(人間は数が多そうだから、人数が増えてもいいと思ってるの)、背の低いノームがまともな戦士になれるハズがない(自分で言うのもアレだけど、差別的発想なんだよね・・・)と思うからあまり使わないのだが。なにより私に想像力が足りないから、ドワーフとかの個性をうまく想像できないんで(なんかありがちなドワーフ像しか浮かばないから面白みがないんだ、と言い訳にもなってないか)、あまり使わないんだけど。「汚い」はないだろ!もっとひどいのになると、ドワーフの能力が魅力で種族ドワーフにしたけど脳内設定では人間だとかいう人の話も……フザケルナ……。人間にこだわる輩にドワーフやホビットを使う資格など無いわ!だいいち、実用上も人間でなんら問題ないわい!エルフの戦士でも平気だもんな・・・ダメだ、目クソ鼻クソを笑うだ。私も所詮差別主義者だ・・・。
・・・そんな種族差別撤廃論があったのかどうか知らないが、各種族に戦士もいればニンジャもいるはずなんである。だが外伝3まででの敵イラストでは、「エルフメイジ」とか「ドワーフファイター」とか以外は人間ばっかり。ノームの戦士だっているはずなのに。それで外伝4では顔をすげかえて、画面での種族を変更した敵が登場するようになったのだ。ムークの僧侶とか、ホビットの魔術師とか、「いるはずだけどゲームではビジュアル化されてなかった」連中がたくさん出てくる。
・・・顔だけをすげ替えて。まず、体型の違いがあるので、すげ替えには限度がある。盗賊系の「ハイウェイマン」は背が低いノームやホビットのやつしか出てこない。リズマンのやつなどはドラコンとしかすげ替えられないので大変だ。毛むくじゃらのムークなど、すげ替え失敗してるやつもあったり(肌見えてるよ!?)。そのあたりを考慮してか、手袋してるやつがやたら多かったり。あと、「人間体型だけど顔がドワーフっぽい」やつがやたら出てくるのはなぜ?背が高いドワーフなのか、単なるヒゲ男なのか?ドワーフとノームの識別法は?ドワーフの女は?なんでレンジャーロードはリズマンとドラコンに限るの?などなど、このシステムはやっぱりうまく作用してない。だいたい、1グループ全部同じ格好なのはどう説明するのだ。グループの代表者の絵なのか?
だいたい、WIZがただの「アイテム集めゲー」「成長しきった冒険者ではつまらない」とか批判されたのは、はるか昔Wizardry#2が発売された時点で言われてたことである。なんで10年以上前の問題が再発するのだ?
さて、ちょっとさっぱりした話題を。WIZARDRY外伝4はソフト発売前にCDドラマが展開していた。シングルCD全3巻で、各1,000円。発売・販売:東芝EMI。説明書にも載っている。
ウィザードリィ・外伝IV
胎魔の鼓動 ドラマCDスペシャル!
(ここにWIZシリーズおなじみのやたら長い権利表記)
新たなる感動を呼ぶドラマシリーズ登場!
横山智佐、野上ゆかな、水谷優子など
豪華声優陣が参加!!
だ、そうだ。豪華声優陣とWIZとは奇妙な組み合わせだが、これは作曲の藤原いくろう氏の繋がりらしい。それよりも3巻全てに「絶賛発売中!」と書いてあるのけど本当か?せめて「好評」ぐらいにしといたほうが。結局私は買わなかったが、内容が気にならなくもない。WIZと関係なく、某アニメにそっくりとかなんとかいう噂。
3巻全て別の「エンディング・イメージ曲」がついてるので、ドラマそのものは全部で20分程度しかないと思う。
で、この前調べてみたらプレミアがついてた。
言っとくが、私は外伝4のシナリオは問題抱えまくってるとは思うものの、アガン氏の気持ちがわからないわけではない。「アガンだからクソ」とかいう論法も間違いだと思う。外伝3は結構いいシナリオだったと思うし。
が、やっぱり外伝4のシナリオって問題抱えまくってるんだよね・・・
さて、ここではシナリオに直接言及するのではなくて、WIZフリーク的想像力を使って外伝4のシナリオを補完してみる。おもに私が批判した部分の弁護を。私が想像もできない愚か者だと思われたくないからである。
なんで古の洞窟はワードナの迷宮でなければならなかったのか。理由は思いつかない・・・とレビュー本編で書いたが実は思い当たるふしがある。ややこしいので触れなかったのだ(悪)。
私が見るに、「古の洞窟」=「ワードナの迷宮のなれの果て」であり、緋蓮城はトレボー城塞があった場所にあたるという開発者設定があると感じる。トレボー城塞とリルガミンは別の場所かどうかというのは昔から論争されてきたが、別の場所説のほうが外伝シリーズと相性いいんじゃないだろうか。
と、そんな論争をしないと納得のいかないような解釈であるが。そもそも、外伝4をウィザードリィサーガに無理して組み込む必要はないのだが、古の洞窟があんななのには開発者がトレボー城塞を設定に組み込みたかった意図が私には感じられる。そうだとしたら、「もっと上手くやれよ」と思う(完全に的外れかもしれないが)
リルガミンの宿屋のおかみがどうして怪物化しなかったのか?「美人だから」って言ってるけど・・・
いちおう、ダリアも平気だった。本当に美人だから大丈夫だったのかもしれん。女は大丈夫とか。街に女がおかみしかいないとか。いや、でもやっぱ手抜きでしょう?手抜きもうまくやればOKなんだけどねえ(かえっていい効果を生むケースもあります)・・・
それより怪物化の理由を説明してほしいってか?「リルガミン魔界化作戦(ニヤリ)」の伏線だよ。そうに決まってる。
アガンという人物は、最速の彼方へ行ける特別な走り屋なんだろう。エンディングで彼が神器を集めたあと、緋蓮城の伝説を説明するタイトルデモに繋がる。つまり彼は過去(みたいなところ)へさかのぼって、緋蓮城で英雄となってからリルガミンへ帰る。そして外伝3に続く・・・という流れが想像できなくもない。
これが想像力・・・かどうかは知らないが、外伝4の説明不足な部分はこうやって説明できる。しかしだな。説明不足なシナリオに、
「君たちのために想像の余地を残しておいたよ。さあ存分に想像しておいてくれ」みたいなものを感じる。こういうのを強制されるとそれはそれでイヤだ。しかもアガンまわりは解釈も限られる。なんだかなあ、という気分になる。
しかし、外伝4のシナリオを批判する声は・・・結構あるが、具体的に問題を挙げた例はあんまり見ない。さらに、外伝4を推す声を見ると、しょせんWIZのシナリオなんてどうでもいいってことなのかな、と思う。
……冗談じゃねえ……
「魔術師ワードナ」「狂王トレボー」といった魅力的なシナリオと世界観があってこそのWIZだろうに。ついでに「シナリオは無いに等しいからどうでもいい」ってのは正確じゃない。分量を控えてる(それこそ手抜きの可能性はあるが)のが逆にいいのだ。(アガン王にも魅力的な部分はないわけでもないが、あの使い方はあんまりだという話)
今度は、本編で触れなかった大して重要でない問題について書く。削られる程度の内容だ。
不動の塔に現れるシュゲンというNPC。こいつは最初茶坊主のふりをしてるが、実は忍者の親分である。そこまではいい。忍者の姿で出てくるときに「あの茶坊主だ」って説明してくれないので、よくわからない。最初同一人物ということにさえ気付かなかった。
他にも、固定ポイントで現れるNPC(結果的に、ただのイベントと同じだ)を殺せる都合で適当な説明になってる場合が多々ある。ついでに言うならNPCを探す呪文「ノスバディ」は多くの場合塔をクリアした後に覚える(サイオニックなんか使わないもん)が、探せるのは全滅したNPCばっかりで、ほとんどが「消息不明」ってのはなんなのだ?「死亡」にしないあたりが根性のないところだが。この呪文は「ロケートパーソン」の代わりを無理やり作って呪文数を増やしただけという気がする。(「ロケートパーソン」はWIZ7に登場。これもあまり使えない呪文だ)
練武場制覇のために、一瞬で終わる戦闘を繰り返すのだが。そのとき宝箱をBボタンでキャンセルできないのは本気で腹がたつ。私だけか?
クリアアイテムの印籠だが、不確定名が「奇妙なもの」になってるってことは、冒険者は和風なものに馴染みがないんだね。
Warlordをワーロードと読むのはどうか。Magusをマグスと読むのもどうか。Swordsmanをソードマンってのもちょっと・・・(ちなみに、従来のソードマンはSwordmanだった)←うわあ間違いだ。ファミコン版ソードマンもSwordsmanだった。
まあ、「エンハントレス」は外伝1から同じ名前をもらっただけだろうし、「ワーロック」も「レディーウォーロック」がいることから、ヘボなカタカナはある程度わざとやってるということは判るが。
「おかしら」という盗賊系の敵がいるのだが。「Bandit
Reader」(盗賊・読む人)って英語名・・・RじゃなくてLだって!
やっぱ英語力無いでしょ!読み間違いも天然じゃないのか?!
似たようなので、「げんえいのマント」を「Illusion
Cap」って訳してるのも発見。Capeだろ!(他のマントはきちんとCapeになってる)
今回調べて初めて気付いた事実だが、「アガン・ウコーツ」ってトクナガの逆読みだったのね(TOKUNAGA=AGAN
UKOT)。WIZ1で使われてたネタと同じ理屈だ。
ちなみに徳永氏はディレクターだが、スタッフロールにはシナリオ:アガンとかなんとか書かれてる。まあいいけど。
みすてるめもり。誰だそりゃ?こんな人物に注目したのは私ぐらいだろう。
NPソフトに現れる彼は、複数いるようなのだが、WIZ123の遊び方シートに現れたもうひとりのMrメモリ(トンガリ頭のほう)もWIZオタクのようである。
さてMrメモリ(帽子のほう)が言ってた「硬派・シュール・シビア」のWIZ「一口」3原則だが。まず、ひとくちじゃない。ハイデル・シュナイダーかあんたは(誰に判るんだこのツッコミ)。
で、この3原則だが、どうもマト外れである。WIZって硬派か?確かにストイックな側面は持ってるが、ちょっとねえ。キャラ萌えでプレイできるのも事実だしなあ。いやいや、キャラ萌えも形態によっては硬派たりえます。石川圭介のように。
・・・まあいいや。硬派は当てはまる部分も多い。次「シュール」。どうよ?ようするにときおりパロディが入ってきたりすることを言いたいんだろうか?よくわからない。少なくとも変な格好の走り屋がブイブイ言わせてるシュールさではないかな。WIZをシュールという意見も珍しいと思うし・・・
だが、私が一番違うと感じたのは「シビア」である。WIZはそんなにトッツキも悪くないし、理不尽に難しくないと思うのだ。いや、私もリセット押すけど(死)。
シビアと思わせる孤高のヒーロー性を持ったタイトルではあるのだが。パーツを取られる横浜の走り屋世界ほどシビアではない。あれはリセットするリスクが大きいし(ロードが遅い、セーブポイントが遠い)・・・
つまり、「硬派シュールシビア」は当てはまらないでもないが、的を得てる言い方ではない。レーシングラグーンならそのまま当てはまる。なに、アレはRPGではないだって?!ノット!それは違うぞ!ちゃんとパッケージにハイスピードドライヴィングRPGって書いてあるぞ。実際それ以上に上手くジャンルを表現できないし・・・
…論点がズレた。Apologizeしなければならないな。話が長くなるのは私の悪いクセだ。
……読者を戸惑わせるのはマナーに反する行動だったかな。
「甘ったるいファンタジーじゃない」とか、「感動のシーンなんて存在せず(誉めてないってば!)」とか、どうもNP版外伝4付属の文章は言いたいことがズレて本末転倒ぎみである。そこで「WIZ123」のMrメモリ(トンガリ頭)の話を聞いてみたい。
このゲームをプレイしていると、最近めっきりプレイしなくなったテーブルトークRPGを思い出す。
これ引用してる私はTRPGをきちんとプレイした事がない。以下そのことを踏まえて読んで欲しい。
最近のコンピュータRPGはそれこそ、ひとりでなんでもこなせてしまう超人のオンパレードだが、
出た。「最近のRPG」。これ言ってる人は最近のRPGをどの程度知ってるのかよくわからない。
まあそこは許すが(実際にプレイして失望するケースも多いわけだし)、もしかしてこの人(メモリ)、顔は違うけど同一人物では・・・?
・・・しかし、ひとりでなんでもこなせるRPGってWIZのほうなんだよね・・・(レベル36のビショップに蝶のナイフね)
もちろん、スーパー忍者は普通のプレイには必要ない。FF(とか)における万能キャラも然り。
というか、全員に全魔法を覚えさせるようなスタイルのWIZプレイヤーはFFタクティクスをやるべきだと思う。(・・・私も結構やりこんだかもしれないが、ジョブマスターまでは面倒だったのでやらなんだ。もともと無駄なレベル上げがあまり好きじゃないのだ。ちなみにFFTじたいは嫌いじゃない)
本来のRPGはキャラクターひとりひとりにそれぞれ役割があり、仲間と共に足りない能力を補いながら冒険していく遊びだった。だから役割(ロール)を演じる(プレイング)遊び(ゲーム)なのだ。
なんか違うぞ。役割分担はあって自然だが、TRPGの魅力は会話や掛け合いでは・・・?
冒険者といっても常人より多少強いだけで、モンスターと剣を交えればこちらもヘトヘト。そんな緊張感がテーブルトークRPGには常に流れていた。
そうなのだろうか?冒険者の強さは一概に言えないが、緊張感って必ずしもあるわけではない気が・・・
このウィザードリィシリーズも、お互いの長所で助け合いながら冒険をする、頭数だけではない本当のパーティや、常に死の危険ととなり合わせのここちよい緊張感といったテーブルトークのRPGが持つ独特の魅力が随所に感じられるのだ。
違うような気がする・・・よく「WIZはTRPGの魅力を強く持っている」みたいなこと言われるが、それはウソだと思う。WIZは「TRPGのマスターをコンピューターにやらせる」という目的で開発されたのだが、実際にできたのは極めて似てるけど、違う、「コンピューターRPG」だったんじゃないか。違う魅力を持った新しいジャンルとして・・・(だからコンピューターRPGでは主人公が勝手に動いたりすることが平然と行われ、それをプレイヤーもある程度受け入れるのはそういう違いのせいではないのだろうか)
ま、緊張感はリセット無しなら結構ある(シナリオによるけど)。パーティの助け合いも重要だ。この程度の役割分担は他のRPGでも普通にあると思うけど。でもね、それがそのままTRPGの魅力とイコールではないと思うのよ。
暗いダンジョンを進み、おどろおどろしいモンスターたちと対峙しながら、さらに奥深くへと足を運ぶ。飾り気なんてないが、この「暗さ」や「渋さ」は一度体験したら忘れられないのだ。
だから今日も、私はウィザードリィをプレイしてしまうのだ。
「暗さ」「渋さ」か。シブいねえ、全くおたくシブいぜ。そんなに暗いかな?まあいいけど。渋いはウソっぽい。強大な攻撃呪文でバーン!ってノリが多々あるのも事実だからだ。・・・さっき書いたね。
ようするにMrメモリはWIZが好きなだけだ。ただのWIZファンだ。ただのFFファンである私と大差ない。ちょっと話がズレるという悪いクセもあるようだ。
WIZを愛する人たちは、自らを「WIZフリーク」と称する。
まず、日本語訳すると「WIZきちがい」になる可能性があることは知っといたほうがいいと思う。もちろん自称WIZフリークの人たちはご存知ですよね?言葉狩りにひっかかるなよ〜
なんでこの言い方が広まったのか。響きがいいからだろうか。それはどうでもいいが、単なる「WIZファン」と大した違いは無い。「フリーク」だからって偉いわけではないので誤解なきよう。
で、偉そうな響きでイヤだったので、WIZオタクという言い方にさせてもらった。WIZ「フリーク」は実際に他のゲームオタクを見下してて偉そうなのもいるしね・・・冗談じゃねえ……硬派をきどるならレーシングラグーンくらいプレイしてみやがれってんだ!WIZオタクもただのFFオタクと同じ穴のムジナさ!「ケッ!てめえグッドラックだな」(謎)
WIZの魅力のひとつは、自分のキャラへの愛着だが、これは本当に根強い。プレイするとどんどん脳内設定が増えてくんだ。
シナリオを越えてずっと同じパーティを使う人も多い。私のスタイルだと一部のキャラだけを転送して使うのが好き。黄金のトリオに新キャラもどんどん投入。たくさん作ったなあ。愛着のある設定つきのキャラクターたちがざっと30人ちょっとかな。
WIZファンの作ったキャラの設定を見ると「FFと大差ないっしょ」と思っちゃうんだが。自分で作る、というので思い入れも違ってくるだろうか。
で、私が「キャラ萌え」と呼んでしまうのは、「はじめに設定ありき」でキャラメイクをする人が少なくないからだ。さらにはゲームのキャラとして作ってないけど、設定だけ存在するキャラクターまでも。私も設定先行で作ったキャラクターはいる。あいつとか、アイツらとか、あの娘とか・・・いや、もちろんその精神は否定しない。けど、そんな人に限ってドワーフ入れない主義で……フザケルナ……(ラグーン風の言い回し)
それにしても「亡国の王子」「没落した貴族」とか、そういう設定好きなのかね?確かに「異世界から来た」「1000年前から来た」「眠らされていた10年前の最速の男」とかよりはよほどあり得そうな設定だが、なんかこう、もっと普通の冒険者はいないのかな。「元消防士」とか。それもつまらない?
そういうのは「萌え」じゃないって?でも女性ばっかのパーティにしてる人の話もときどき聞くんだけど・・・
ところで、WIZオタクはWIZそのものに萌えてる気がすることがある。WIZ的なゲームシステムに萌えるとか、レベル13で魔法覚えないとダメとか、呪文名が英語だとイヤとか、ぎこちないセリフに萌えとか。なんかこう、「萌え要素」で語ってるような気がする。あたりまえだが、WIZは完璧なゲームじゃないのに。レベル13で魔法マスターのうえにダメージがそこから増えていかないのに、レベル50ぐらいまで平気で進めてしまうんだから、もはや語る舌を持たぬ!FFなんかシステムを毎回変えてそのたびにヒンシュクを買ってるというのに。
外伝4の場合、うっかりすると気付かずに済んでしまうが、WIZARDRYのタイトルのおかげで、昔の使いまわしのゲームシステムもごまかされてる。
いろいろ発売された日本製WIZだが、唯一クロニクルについてはあまり悪い評判を聞かない、というか評判そのものを聞かない。(そんなに悪い印象じゃない)
ディンギルを誉めてる意見を見ると、ちょっとどうかと思うけど。HP30000の相手にマハマン連発って、オメガウェポンに無敵状態HP1で連続剣とどう違うんだ?それってクソゲーじゃないのか?クソゲーと知ったうえで誉めるのならわかるんだけど・・・(いや、実は外伝4よりマシな気はする)
誤解しないで欲しいが、外伝4以前のWIZ外伝シリーズは確かに傑作シリーズだと思う。外伝4より後にプレイしたが、その良さが際立って感じた。
というか、外伝4も実はクオリティが低いわけではないのかもしれない。たぶん、初めてWIZをプレイする人でも素直に楽しめる人もいるだろう。ただ、私はこのゲームを完全に否定したいんだ。……こんなのは、はじめてだった。たぶん、このゲームのあからさまなオタクくささ(それ自体はマイナス要素ではない)にまるで気付いてない、ふがいなさが許せないのだろう。
でも、私の文章を読んで「なんだ、そんな程度じゃクソゲーじゃないじゃん」とか思う人がいたら、それは圧倒的に正しい。できるかぎり正直に書いたつもりなので、私がイヤだと感じたところ(ゲーム全体なんだけど)を魅力に思う人もいるだろうということだ。そういう人はプレイしてもいいと思う。
そういえば、説明書から引用した箇所があるが、NP版の遊び方シートではなく、発売時のものから抜き出した。ソフトを売ってからもまだ残ってたのである。正確にはROMを交換してもらう際の手違い(だって修理じゃなくて勝手に交換してくれたんだもん)で説明書が2冊あったから。
この文章でやたらFFを引き合いに出したのは、FFが判りやすい例というのもあるが、私がWIZとFFぐらいしかやってないという事情もあるのよ。最近のRPGうんぬん言う人が実はFFしか相手にしてないケースがあるのと同じで。ごめん。
あ、レーシングラグーンを薦めてるのは大マジですよ?
とか言ったところで、この文章は唐突に幕を閉じる。
……しょせん、消えるのがDestinyか。