「セーブポイントが遠い」
ようやくプレイしたＦＦ１０、なかなか評価のよくわからんゲームだけど、とにかくセーブするチャンスがないと感じる。気が付くと恐ろしい長時間プレイに・・・
今回、ワールドマップがなくなったことによって、何となく変わったことような、そうでない様な。その事に関して書いてみる。
ＦＦ１０では「ワールドマップ」がなくなった。
「リアル」なものを作るなら、ワールドマップがなくなるのは普通に考えるとプラスである。「ワールドマップ」はゲームで表現しきれない部分を簡略化したものだから、なくすゲームがあっても不思議ではない。
だいたい、世界を歩いて横断するようなゲームは流行りではない。その辺を考慮してワールドマップをなくしたのだろう。
ところで、ＦＦシリーズはワールドマップ上でセーブするという伝統がある。ＦＦ１０ではワールドマップがなくなったので、セーブは（以前のシリーズからあった）セーブポイントで行う事になる。これがどういうことかというと、全フィールドが今までの「ダンジョン」と同じ扱いになっているのだ。
そのせいだ。セーブポイントが要所ごとにある。要所にしかない。ワールドマップ上でのセーブは次のエリアに行く途中でも、街やダンジョンの手前でも自由自在だが、要所でのセーブはボス戦前とか入り口付近とか、限られた場所にしかないのだ。
ＦＦの場合、ダンジョンにセーブポイントを取り入れた４のころからボス前にあるケースが多かった。基本的には強敵に負けたときのリスクが小さくなるので気楽になる効果がある。今回もその形態をかたくなに保っているようで、ボス前にはほぼ間違いなくセーブがあり、セーブがあったらボスである。また、多くの場合ボス戦直後にはイベントがあって、しかもその次にはセーブポイントがない場合もあり、セーブのためにはイベント直後に引き返すというマヌケな事態になるため、ついつい次のセーブまで走ったりして・・・
それからレベル上げもセーブポイントから離れると切り上げにくくなってしまう。さらに、本作はダンジョン自体やや長い。
適当に目的地前でせーブできなくなって、常に「長時間かかる」という覚悟を持ってプレイしなければならないのだ。
どこでもセーブできるワールドマップにはゆとりを持たせる効果があったというわけだ。少なくとも私はそう感じた。というわけでワールドマップなくすのなら、いっそのことセーブポイントなくしてどこでもセーブできるようにならなかったかなぁ。（私はどこでもセーブできるＷＩＺが好きなのだ）
さて、もう一つの大きな違いが実感としてある。超一本道なのだ。
ＦＦ１０のマップに関して言えば、大きな分岐じたいは今までと比べてそう少なくもない。脇道に施設があるけど門番にふさがれて通れないとか、行かなくてもいい洞窟があるとか、一本道にはなってるが、程度は他のＲＰＧと大差あるわけではない（と思う）。
だがなぜか今までと比べても、はるかに一本道「っぽい」と感じるわけだ。なぜだろう？
（ＦＦと同じような）ワールドマップが無いＲＰＧぐらいはたくさんある。もちろん一本道のものばかりではない。
それらとＦＦ１０の違いは、「道幅の広さ」じゃないだろうか。ＦＦ１０のマップはほとんどが全部従来の「ダンジョン」と同じ構造になっており、脇の茂みに踏み入ったり獣道を通って近道したりといったことはできない。茂みはすなわち「壁」である。
さてシナリオ上の問題点もあるだろう。この物語では、主人公たちは地図の南端から出発して北の端を目指す。珍しいことに、最初から目的地がわかっているのだ。飛空挺で自由に飛びまわれるのはその後。
途中変則的な移動をすることもあるが、基本的に街道をまっすぐ進んでいくことになる。メインの大きな道（東海道みたいなもんだ）は一つしかない。脇道の寺院に立ち寄ることもあるが、文字通り脇道であって街道からそう離れるわけでもない。多くの街道が「入り口から出口まで」で説明できてしまい、分岐があることはほとんどない。さらにシナリオ上、急ぐ旅なので、前に戻ったりすることもあまりない。
今までのシリーズでは反対側に戻ったり、別の大陸に渡ったり、月や地底に行ったり、世界が崩壊したり、同じ場所で大きな変化が起こったりしたのに、今回はひたむきにまっすぐ進んでいる感じ。東海道を急いで行く旅になっている。町といっても宿場しかない。そしてふと地図を見ると東海道しか書いてない・・・
しかしシナリオが一本道、すなわち映画的である限り大胆な分岐を作ることは難しい（東海道が舞台のＲＰＧで東北まで行けるだろうか）。実はワールドマップはシナリオ上もゆとり効果があったのだろうか。
とりあえず、「なんとなく北を目指す」シナリオがマップの一本道感をも強めていたのではなかろうか。この辺、改善の余地はありそう。現状のシナリオではワールドマップがあったほうがリアルとさえ思える。