ファイナルファンタジー?

 私はファイナルファンタジーが好きだ。何をいまさら、とお思いだろうか?
 このコーナーでは手始めにFFを辛口に褒めちぎりたい。

でも、おことわり

 私はFFシリーズを発売時にリアルタイムでプレイしたことは少ない。それから全シリーズを制覇してはいない。具体的にはプレステ版の4〜6、ファミコン版「1・2」、WSC版1、そしてこれが重要だがFF10はプレイしていない。プレステ2を持ってないからである。・・・そのうちプレイしたいとは思ってますよ。

FFシリーズの変遷:第1部

 誰が言い出したのか「FFには偶数シリーズと奇数シリーズがある」という。しかしそれは7以降崩れたためか、最近言われることは少なくなった。と思ってたらゲーム批評のFF10特集のときにしっかり書いてあったのでちょいショックである。
 そもそも「偶数はストーリー、奇数はシステム」という説なのであるが、この仮説はFF2をプレイするだけで吹き飛んでしまう。あのゲームはストーリーもかなりのものだが、システムは他シリーズと一線を画している。だいたい、「今回は実験しました」ということはあっても「今回はシステム重視だからシナリオはないがしろにしました」なんていうようなシリーズではないだろう。というのは私の考えだが、以下の文章は「偶数奇数」仮説を無視することにする。(件のゲーム批評ではFF2がストーリーよりと評されていた。根本的にストーリーとシステムは対立しないと思うんですが)

 FF1はスクウェアが潰れかけていた頃の作品なのだという。「だから『ファイナル』なんてつけたんじゃないの?」とか言われるが、それは坂口博信さん自信「最後に納得できる作品がつくりたかったから」というような発言を最近している。
 スタッフもそうだったのかは判らないが、本気で作っているという気迫は感じる。シナリオ寺田憲司・キャラクターデザイン天野喜孝と著名人が。ついでにプログラムはナーシャ・ジベリだ(著名人?)。そして当時のファミコンでは群を抜いて美しいグラフィック。2頭身キャラをかっこよく見せる手腕はこのころから完成していたと言える。壮大な世界観はいまだに色あせない。そして何よりも美しいアニメーションと即死度の高さによって演出される緊迫感あふれる戦闘シーン。そういったものが総合的にバランスよくまとまっているのがこのゲームの長所だと思う。
 なお戦闘シーンはコンピューターRPGの祖、ウィザードリィの影響が強い。しかしファミコンのRPGが多くない時期のわりに戦術性が高い内容といえる(地味な補助魔法が結構役立ったり、そうでなかったり)。即死度の高さは好みの分かれるところか。

 FF1が売れたせいどうかはわからないが、スクウェアはつぶれずにFF2を発売する。ROM容量が1といっしょだったりするが、内容はまるで違うものにまで変貌していた。いや、グラフィックはほとんど同じだ。しかしゲーム性は完全に変化していた。キャラクターのレベルという概念を排除した戦闘システムはいまだに異彩を放っている(この精神はサガシリーズに受け継がれたようだ)。その一方で「パーティアタック」「魔法全体化」などの要素が確立されたのも忘れてはなるまい。主人公キャラクターも名前がついていてストーリー性も高まっている。

 しかしゲームバランスの悪さや、システムのわかりにくさは評判が悪かったのかもしれない(正確にはシステムのわかりにくさがゲームバランスを悪くしてる)。3はまた違うものになった。
 FF3はファミコン史上に残る最高のRPGの一つだ。前2作とはうってかわってサクサク進むお手軽なゲームバランスや、ジョブチェンジするごとに変わる戦闘、派手かつスピーディなアニメーション(ダメージ数字がポトンと落ちるのも3から)。特にスピードは後のシリーズと比べても速い。動作のレスポンスがおそろしくいいのだ。今やっても凄いと思える技術で作られている。ナーシャ恐るべし。
 戦闘システムは2のものを一部だけ受け継いだものの、大きく違っている。ジョブごとに固有のコマンドが存在して、魔法以外の特殊攻撃が戦闘を盛り上げる。魔法は回数制であるものの使用回数が多く使いやすい。爽快な戦闘。これがFF3の醍醐味だと思う。
 一方でストーリー面は意外に普通だ。ダンジョンの情報があって、奥にボスがいて・・・といったシンプルなものが多い。闇の世界や「無」、クリスタルその他の世界設定がかなり突き詰められているのに、これはちょっとマイナス要素かもしれない。
 あとあまり言われないが戦術性は普通にプレイする分には低めだと思う。敵モンスターがそれほど強力な攻撃を持っていなかったり、召喚魔法が強すぎたり、ジョブごとの能力も特定の敵にしか使われなかったりといった感じだ。ただしこれはマイナス要素ではない。とにかくボタンを押すとアニメーションで戦い、見ていて楽しいというのがこのゲームの魅力なのだと思うからだ(狙った敵が倒れていると他の敵を攻撃するオートターゲットもそれに一役買っている)。ファミコンRPGに与えた影響は計り知れない。

とりあえずここまで