17:30。最後の時はいつもより30分早く運命のときが訪れる。オールスター感謝祭が理由ってのもショボくて泣かせるじゃないか。
今回は橘さんが出てたけどあの人いつも似たような格好してどうでもいいな。
結論から言うと、見逃してもいい程度のエピソードだった。
先週で終わっていても別に変わらなかったろう。
世界の運命が議長の手から、ラクスたちの手に渡った。ただそれだけだ。
シン・アスカは主人公じゃなかった。強敵ですらなかった。ただ、いただけだ。
運命を左右するはずのもの、デスティニーガンダムはジャスティスの前に何も出来ず倒された。フリーダムと戦うことすら許されなかった。
ジャスティスはただいつものように薄っぺらな正義を並べ立てるだけの存在だった。
デスティニーに与えられた運命は、この程度の存在に負けなければならないということだった。
単純なことだ。シンの信じたものがそれよりも薄いから負けなければならない。
そんなものを信じる運命を何者かに与えられたのがシンの悲劇だ。与えたのは議長じゃない。別の何かだ。
レイはクルーゼじゃなかった。だけど彼は自分がクルーゼと同じものだと信じている「ことになった」。
そのことをキラに「気づかされ」、彼の信じる世界はあまりにも容易く崩壊した。
フリーダムは、いつものキラだった。自らの自由を守るために、気に食わないものは力で叩き潰す。
そしてラクスたちは無傷のまま議長を滅ぼした。誰もが望まない、自由な世界のはじまりとなるのだろう。
以前から、怪情報がネット上に流れることがあった。
製作関係者と思われる人物が裏事情を書いてることもあった。けどしょせん匿名のでまかせだ。
今は主要スタッフが実名で皮肉めいたことを書いてる。ついには実名で直接批判が書かれた。
もうこの番組は誰からも愛されてなかったんだろう。シンは主役じゃなかったが、キラも主役に見えなかった。
ただ「キラ側が勝つ」という予定だけがあって、その通りに進めないと面子が保てないだけで、キラやシンの信じる正義などどうでもよくなっていると感じた。
きっと製作者もキラが正しいなどとは微塵も思っていない。こんな説得力の無い正義があるものか。世界の混沌を望む悪として描写されていたようにしか見えなかった。
だが作られた番組はどうなる?
のべ2年間、文句しか言わない視聴者がいた。
キャラ萌えしか語らず中身に言及しない者がいた。
メカ以外興味の無い者がいた。
外伝だけしか見ない者がいた。
リアルな描写で面白いという者だっていたさ。
この番組のことが嫌いだったかもしれない。好きだったかもしれない。
なのにそのことをどうしようともせず、ただ番組側が勝手に絶望して自滅していった。レイのように認めてもらうこともなく。
私はシン・アスカやレイ・ザ・バレルのことが嫌いではなかった。間違った存在だったとしても、生みの親から愛されていなかったとしても。
だけどもう時間だ。2年にわたったコズミック・イラの話はこれで終わり、もう続きが作られることもないだろう。次週からはセイザーXを楽しみにしていこうと思う。
続きが作られることも…そう、作られる予定が既にあったりするのだが、いいんだ。私のコズミック・イラは今度こそおしまいだ。グランセイザーの続きのほうがずっと大事だ。
僕たちは、自由だ。
…レジェンドとデスティニーのHGだけ、買ってやろう思う。供養ってわけじゃないけどさ。