シーモア=グアド研究

これは以前プロフィールのページにひっそりと置いてあった文章だが、この零細サイトにしては比較的反響があったようなので、2005年・サイト移転にあたってわかりやすい位置にうつしてみた。
思えばシーモア老師は今や跡部様でスティング・オークレーの人気声優。この人の演技がよかったから私はこいつに強い印象を持ったのかもしれもない。

なお、FF10とシーモア老師のことを中心に
あらゆるネタばれを含むので注意しなさい。

人気低ッ!

 話はFF10をプレイする前にさかのぼる。
 ナイスゲームズの連載だったか、その単行本だったか(すまぬ、立ち読みだった)の「女性向きゲーム(「やおい」っぽいの)」に関する記事で、「シーモアは役回り的に人気が出そうだが、なぜか嫌われている。髪型が気に食わないからだという」という話を読んだのだった。
 あの世界は複雑なようで意外に単純な側面も持ってる、気がする、ので「ああ、そういうこともあるかもな」と思ったものである。まあその記事はあまりあてにならない部分もあったのだけど・・・
 その後シーモアのことを調べてみても、「育った環境のせいで精神がゆがんでしまった悲劇の人物」という、典型的に人気が出そうな悪役なのに、なぜか人気がないらしい。やはりあの独自すぎるデザインのせいなのか・・・そう思っていた。

 ずいぶんと後になってFF10をプレイした。わかったんだよ・・・
 「髪型がイヤ」というのは、ある意味で本当だったのだ。

 謎は、全て解けた!

序章

 とりあえず、問題と思われる外見上の特長を書いとこう。
 1:触覚頭。どうやって固めとるんじゃという髪型。グアド族(なんか植物っぽい人たち)のハーフだからなのか。でもグアドの人たちにもこんな髪型の奴はいない
 2:セクシーな胸元に胸毛状のもの。本当に胸毛なのかはわからないが、胸毛にしか見えない。胸元はだけっぱなし。
 3:いつもスマイリー。表情の変化に乏しいだけか?
 4:なみだ目状の葉脈。・・・葉脈なのかな?

 シーモア老師は初出現の時点でちょっと不穏な空気が漂ってくる。「最初からシーモアのことは好きじゃなかった」とか言われてしまうぐらい。というかそれは髪形を見れば判る
 が、意外にさっぱりした口調で、結構「爽やか好青年」をアピールしてくる。こいつがどこで本性をあらわすか。見ものだ。
 …とか思ったらすぐに出番だ。突然街を襲った怪物を、異形召喚獣アニマで吹き飛ばしてしまう。アニマを地面から鎖で引っ張りあげるのは、FF10の召喚獣関連でも随一のバカさ加減だ

 さらに、その変態性は召喚だけではない。寺院の教えに反する機械を使うのを「いいんですか?」とワッカにとがめられたときの返答は、「見なかったことにしましょう(爽やかに)いいのか、寺院。「やむをえません」ぐらいにしたほうが。

 その後、なんとなくユウナにつきまとってくる老師。ティーダのことなど眼中になく、ついにユウナにプロポーズを!その時点でユウナの心は結構傾いてるのだが、結局旅を続けるために断る事になる。安心するティーダくん。
 ところが、シーモアが父親を殺していたことが判明する。やはりティーダ(とプレイヤー)の直感は正しかった!

 「君と実の父親の間に何があったのかは知らんが君は父親を殺害しているッ!」
 シーモアを説得しようとするユウナ。だがシーモアは相変わらず落ち着いた様子で反省のそぶりも見せない。戦うしかない。ティーダたちは、ついにシーモア老師に剣を向ける。ユウナ以外は最初から殺る気まんまんだったけど



 死闘がはじまった。



 しかし、アニマを召喚したりもするが、あっさりと決着。倒れるシーモア。「いまさら私を哀れむのですか・・・」
 ・・・死んだ?!ライバルがこんなあっさり降板ですか?!バカな!
 まだ仮死状態なんだろ?すぐ蘇るんだろ?ラスト近くまで出番あるの知ってるんだよ!というかあの前情報で出まくってた結婚式がまだッスよ!

 ・・・が、シーモアはやっぱり死んだみたいで、ユウナたちは反逆者として寺院から追われる身になるのであった。

 そして、ここからがシーモア伝説の真の始まりなのだ。

「人間ってのは能力に限界があるなあ」

 「おれが短い人生で学んだことは・・・
 人間は策を弄すれば弄するほど予期せぬ事態で策がくずれさるってことだ!・・・
 
人間を越えるものにならねばな・・・
 「なんのことだ?なにを言っているッ!」

 シンのどさくさに巻き込まれ、行方不明になったユウナだったが、なんとシーモアとの結婚式が行われるとの情報が!死んだハズでは?!
 「あのシーモア老師は、死人ね」「シビト」ですかルー姐さん?!その手があったか!死んでも平気とは!

 (実はその前にシーモアの親父も幽霊みたいになって蘇ってきたんだけど、別にはっきりした意思はなかったように見えたんです。つーかシーモア老師実体化してるよ?!)

 結婚式会場に飛空挺で殴りこむティーダ!だが敵に囲まれて大ピンチ!そして・・・

 ズキュウウゥン(ユウナにキスした効果音と思いねえ)

 「やっ、やったッ!!
 さすがシーモア!
 おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
 そこにシビれる!あこがれるゥ!」

 まあこの件は結構すぐ忘れられるんだけど。ユウナも口を拭ったけど、泥水で洗うようなことまではしなかった。所詮相手は死人だし。というかこの結婚式の意味が今一つ理解できないッス!やはりシーモアのゴリ押しで敢行されたのか。

 結婚式はなんとか阻止するも、捕まって裁判にかけられるユウナたち。反逆者あつかいされてようが、こっちはシーモアの秘密を知ってるんだぞ!と、シーモアが死んでることを証言するユウナ!しかし!

 あんたもですか、マイカ総老師――――ッ!!!!!

 どいつもこいつも死に急ぎやがって(違)!スピラは死人だらけなのかぁあああ〜!
 つーことで、死んでる人が生きててもいいそうです、じゃなくて死んでないと一流じゃないようです。

 その後、寺院脱出をはかる際にアーロンのかつての朋友キノック老師(悪党だったけど)を殺害。さりげなく外道ぶりをアピールするも、やっぱり爽やかなシーモア老師。
 「シーモア異体」とかいう戦闘形態に変形。メタルコーティングされたボディは髪型だけ原型をとどめている。しかも爽やかな声はそのままで。
 正直、戦闘スタイルは鬱陶しいだけだが。見事撃破すると、死体も残さず消滅してしまう。
 だがシーモアがこの程度で消えたとは思えない。いつの日か第2、第3のシーモア老師があらわれ・・・




 ロンゾ族の住むガガゼト山。ここを抜ければ目指していたザナルカンド。ロンゾの族長ケルク=ロンゾ老師は、反逆者であるユウナたちを見送ってくれる。寺院からの追っ手はロンゾが食い止めてくれるとも。
 ありがとうロンゾのみんな!寺院の連中は見返してやるぜ!

 さて、この山は山と言うよりジェットコースターのレールみたいな構造で、雪は降りそそいで、ついでに長い。FF10の中でも難所のひとつと言える。長いだけだが。
 ボスキャラ直前の目印、セーブスフィアを越えると、ようやく峠である。ここでちょっと今後の事を話し合う一行。ユウナは究極召喚使うしかないのか?悩むティーダとリュック。
 ・・・でも行くしかないか。と思ってると「あ〜!」リュックが叫ぶ。ん、何?後ろを振り返ると・・・

 ・・・ま、まさか!シーモア!いきなり何の前触れもなしに登場ッスか?!

 なんと普通に歩いてきたシーモア老師。ロンゾはどうしたんだ!皆殺しですか?!!?マジ?
 キマリとの戦いを経て強敵(とも)となったビラン・エンケの2人も、寺院の教えを語り合ったケルク老師も、その他大勢もみんな殺したと?あいつら噛ませ犬以下(回想シーンもなし!)?!爽やかに言うなよ!

 「終異体」へとパワーアップした老師だが、やはり鬱陶しい戦法を使うだけ。描写もなく消されたロンゾの恨み晴らすべし。貴様には地獄すらなまぬるい!
 そして死体も残さず消滅するシーモア。だがこの程度でシーモアが消えるだろうか、いやない




 物語もクライマックス。シンの体内に乗り込んで内側にひそむ元凶を倒すぞー、ってことになる。飛空挺で突撃だーっ!
 ・・・ゲゲエ〜!一瞬、視界にシーモアの顔がドアップで映ったッスよ?!あの葉脈は間違いない!

 さらなる力を手に入れるべく、シンに内側から乗っ取りをかけようというシーモア。だが邪魔はさせん!「消してやるぜそのニヤついた顔を!」
 「終異体」を越える「最終異体」となっても、やはり鬱陶しい戦法で攻めてくる。だが・・・勝つのはこちらだ!

 最終異体の最後。「最終」の次はない。LASTの後にFINALがあるレーシングラグーンみたいなやつだった。ふん、少しは反省しやがれ!
 「今だ!異界に送っちまえ!」せかすワッカ。踊るユウナ。
 「やはり私を消すのはあなたか・・・
 ・・・私が消えても、スピラの悲しみは消えはしない・・・」
反省なしかい!

 その後、シーモアのことが語られることはない
 前情報の結婚式で猛威を振るったシーモア=グアド老師は、中途半端な悪役として消えていったのだった。

もーっと!シーモア=グアド「そのカリスマ」

 シーモアの家庭環境は相当悲惨だったらしい。グアド族の族長と人間の女性の間に生まれた。子供の頃の彼はハーフゆえにのけ者にされた。よくある話だ。
 だがそこで終わらないのがシーモア。母親と共に究極召喚をゲット。母親は異形の召喚獣、アニマになった。
 ・・・えーっと。そのころの様子を見ることはできたんだけど。自分を召喚獣にしろと諭す母親。泣いてるシーモアはまだ子供だよ?まともな家族は母親しかいないんだよ?髪型はヘンだが

 母は、召喚獣「アニマ」となった。

 だが、シーモアはシンを倒しに行かなかった。彼は力に取り付かれたのだった。
 彼は、「シン」になりたいと願うようになった。そんでちょっと気になってたユウナにからんで究極召喚にしてもらおうと思ったわけだ。(この辺の設定はアルティマニアオメガを読まないと理解しにくい。つーかちゃんと読んでない
 この件に関して後に母親(またも幽霊みたいなもの)も反省してる。「力を与えれば済むと思った」みたいなことを言う。
 ・・・おいおい!あんたのせいだ!全部あんたのせいなんだ!シーモアが変態なのも!アニマがごついデザインなのも!

 と、言いたいところだが。母親のせい、と言えるだろうか。

 「ぼくは悔いているんだ今までの人生を!
 悲惨な環境に生まれ育ったんでくだらん野心を持ってしまったんだ!」
とは、シーモア老師は口が裂けても言わねえに違いない。

 つまり、
 「ユウナさん!甘ちゃんのあんたが好きだからひとつ教えてやるぜ!
 おれぁ生まれてからずっとFFをプレイしていろんな悪党を見て来た
 だから悪いキャラクターといいキャラクターの区別は「におい」で分かる!
 ・・・こいつはくせえッー!ゲロ以下の臭いがプンプンするぜッ―――ッ!!
 こんなワルには出会ったことがねえほどなァ―――ッ
 環境で悪人になっただと?
ちがうねッ!!
 こいつは生まれついてのワルだッ!

 ユウナさん、早えとこ異界に送っちまいな!」

 こんな感じ。そう思わせる外道性変態性がシーモアにはあるのだ。

変態性考察

1:爽やかなキャラクター:人を殺しても爽やか♪ユウナにフられても爽やか♪
 自分の暗い過去が暴かれようが、悪巧みが上手く行こうが行くまいが、動じる事無く冷静に爽やかなのです。気持ち悪いくらいに

2:その演出力:最初に街を襲ったモンスターは、実は彼が宣伝のために放ったものだった(忘れたころにそんなの言われても困るが)。そこで召喚したアニマのバカさ加減は前述の通り。
 そしてその後の戦いでは「私の闇を知るがいい」とかって、まさに彼の精神のゆがみを象徴するようなデザインのアニマを呼び出します。やられるときは、ばったりと大の字に倒れます。
 復活する時は何の前触れもなく、プレイヤーの度肝を抜きます。

3:ユウナへの執着:変態だこいつ!「ユウナレスカを支えたゼイオンのように」とかって口説きにかかったり、あくまで「結婚してください」とは言わなかったり、殺されても執念で蘇ったり
 あげくに結婚式まで!存在が直接見えるストーカーって感じ?!

 だめだ!この文章では老師の魅力をぜんぜん伝えきれない!彼の圧倒的な「逆カリスマ性」は筆舌に尽くしがたい!実際にプレイすればわかるだろう!彼をまともな意味で好きになるのははっきり言って無茶だ!
 そしてその変態ぶりがそのまま髪型にあらわれているのだ。髪型でキライってのはそういう意味だったんだ・・・

 「セフィロスもどき」なんてひどいことを言う人もいるようだが、それは違うぞ!セフィロスはもっとまともだ
 この先、FFにこんな変態は登場しないと思う。たぶんシーモアは偶然生まれたミュータントのようなキャラクターだったのだろうと思う。

 あ、やおい人気の低さだけど、あの爽やかな冷静さ故に、攻めにしても受けにしても面白みがないんじゃないかな。どう思います?(何が)



参考文献:ジョジョの奇妙な冒険(最初のほう)

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