DQFF考察その6

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※今回の話は主にPS版DQ4を題材にしています。

自動回復のシステムによってゲームバランスがどう変わるか

DQのボスの何体かは自動回復という特殊能力を持っている。自動回復とはターン終了ごとにHPが少し回復するシステムのこと。FFでいうリジェネの状態だが、画面上にメッセージが表示されないという特徴がある。
このシステムは、ファミコンのプログラム的な問題から生じたもの(プログラムの知識がないとツライ話なのでここでは省略)だと思うが、DQの繊細なゲームバランスに一役買っている。
 
例えば、PS版DQ4のバルザック+(第5章)を見てみよう。

バルザック+HP500。自動回復50。ルカニが効かない。ヒャド系も効かない。

バルザック+には自動回復50があるため、

1ターンに受ける
ダメージの量  
1ターンに蓄積される
ダメージの量  
何ターンで倒せるか 
50以下 0 倒せない 
60 10 45ターン 
70 20 23ターン 
80 30 15ターン 
90 40 13ターン 
100 50 9ターン 

たった10ダメージの差がターン数に大きく影響することが上表から分かるだろう。
例えば、

鋼の剣2000ゴールド。攻撃力+40。勇者とライアンが装備できる。
バトルアックス5500ゴールド。攻撃力+55。勇者とライアンが装備できる。

鋼の剣とバトルアックスの攻撃力の差はたった 15 、ダメージ差に直すと 7.5 だ。勇者とライアンの2人に装備させたとしても合計15ダメージの増加に過ぎない。それで差額が計7000ゴールド。一見ぼったくりに見えるが、このたった15ダメージの差が、倒すのに必要なターン数に大きな影響を与えることもある訳だ。
 
もう1つ自動回復がバトルにもたらす影響の例として、PS版DQ4のバルザック(第4章)を見てみよう(余談だがFC版DQ4では第5章中盤以降のボス敵の大半が自動回復を持っていたが、PS版DQ4ではバルザックとバルザック+だけが自動回復を持っている)。

バルザックHP300。自動回復20。ルカニが有効。バギは効かない。ギラは効く。
味方側の戦力
  • ルカニで守備力を下げたところをオーリンが攻撃すれば40ダメージ。
  • バギが効かないのでミネアは回復に専念。
  • マーニャはギラで20ダメージ与えられるが、ルカニを唱えたターン以外は防御に専念したほうが安全。
 1ターンに与えられるダメージ 1ターンに蓄積されるダメージの量 何ターンで倒せるか 
オーリンだけが攻撃した場合40 20 14ターン 
マーニャもギラで攻撃に参加した場合60(ルカニを唱えたターンは40) 40 7ターン 

相手に与えるダメージ量は1.5倍だが、半分のターンで相手を倒すことができる。つまり、

  • ルカニを唱えるとき以外マーニャは防御に専念した場合、時間は掛かるが安全に倒せる。
  • ルカニを唱えたあともマーニャはギラで攻撃した場合、短時間で倒せるが万が一のときが危ない。

簡単な2択になっている訳だ。
 
さらに、自動回復システムは、パーティーが壊滅的なダメージを負って体制の建て直しに奔走しているときにも大きな影響がある。
例えば、
1ターンに80ダメージ与えられるパーティーが、HP500、自動回復50の敵に挑む。戦闘の半ばで、勇者とクリフトがベホイミ、残り2人が防御しなければならない状況に数回陥った。

上記のような状態に陥らなかった16ターンで撃破 
上記のような状態に1回陥った19ターンで撃破 1ターン攻撃する暇がなかったら3ターン戦闘が長引いた 
上記のような状態に2回陥った21ターンで撃破 2ターン攻撃する暇がなかったら5ターン戦闘が長引いた 
上記のような状態に3回陥った23ターンで撃破 3ターン攻撃する暇がなかったら7ターン戦闘が長引いた 

攻撃できないターンが増えると、それだけ戦闘が長引き、MP不足の懸念が増大する。つまり、攻撃役のキャラが防御に回らなければならない状況が何度も起きてしまうようでは、なかなか勝てないという訳だ。

DQ戦闘の面白さ

DQの特徴の1つに、
たった数レベルの成長で見違えるほど強くなる
というものがある。
これは主に呪文の取得によって表現されており、PS版DQ4を例に出すと、

第2章のカメレオンマン戦ルカニ(レベル4)を取得しているかどうかで難易度が激変。 
第2章の黄金の腕輪の洞窟ブライがラリホー(レベル6)を取得していれば楽勝。 
第2章の武術大会レベル10だと市販の最強装備のほか、種やカジノをフル活用しないと厳しい。レベル13なら市販の最強装備だけでも安定して勝てる。 
第4章のアッテムト炭鉱ミネアがラリホー(レベル6)を取得していれば楽勝。 
第5章のバルザック+戦マホステとメラミを取得していれば楽勝。 
第5章のデスピサロ戦ベホマラーとフバーハを取得しているかどうかで難易度が激変。 

つまり、
パーティーのレベルが標準より少しでも高ければ、ごり押しで戦闘を勝ち進めることができる
逆に言えば、
DQで頭を使った戦闘を楽しみたければ、そこそこのレベルで挑戦するのが一番
参考までに、そこそこのレベルでエスタークを倒す戦略の一例を紹介しよう。

エスターク戦

仮にレベル19でエスタークに挑むとする。前衛キャラのHPが160、後衛キャラのHPが100ぐらい。移民の町とメダル王は利用しない。
このレベル19というのは、

  • 勇者がアストロンをまだ覚えていない。
  • まだ誰もベホマを覚えていない。
  • 当然ザオラルも覚えていない。
  • 余談だが、アッテムト炭鉱B1〜2の敵がまだトヘロス(DQ6以降トヘロスは洞窟内でも有効)で回避できないのはショックだったな…。

エスタークが目覚めるまでは全体に50前後のダメージの怪しい光が放たれる。通常はアストロンで回避するが、このレベルではそうもいかない。下手すると後衛キャラが1ターンで死ぬ。そういうレベルなのだ。
 
まず人選。

ライアン◎ ドラゴンメイルとドラゴンシールドで身を固めれば凍える吹雪も怖くない。武器はもちろん、はぐれメタルの剣。 
アリーナ× 低レベルでは本領を発揮できない。凍える吹雪を軽減できないのも惜しい。 
クリフト◎ スクルト役。スクルト無しだと80ダメージ(気合溜め後は160ダメージ)食らうので必須。 
ブライ◎ バイキルトとルカニが欲しい。 
トルネコ× 余計な行動をしている暇はない。 
マーニャ× …まだメラミを覚えてない。ベギラマじゃ火力不足。 
ミネア× スクルトが使えないのでアウト。 
勇者◎ 要するにベホイミが使えるライアン。絶対に連れて行きたい。鎧は、天空の鎧ではなくドラゴンメイルを装備する。守備力はスクルトでフォローできるが、フバーハを覚えていない現状ではブレスのダメージ軽減は防具が全てだからだ。 
パノン× エスタークは眠っているときのほうが強い。ゆえに睡眠打撃を放つパノンは使えない。 

ライアン、勇者、クリフト、ブライに決定。
 
まず、エスタークが目覚めるまでの怪しい光をどうやって、やり過ごすかだ。
エスタークは1〜4回光を放って目覚めるので、次のようになる。

 1ターン目 2ターン目 3ターン目 
2回目の行動のときに目覚めた怪しい光+目覚めた 凍える吹雪+打撃 気合溜め+打撃 
3回目の行動のときに目覚めた怪しい光+怪しい光 目覚めた+凍える吹雪 打撃+気合溜め 
4回目の行動のときに目覚めた怪しい光+怪しい光 怪しい光+目覚めた 凍える吹雪+打撃 
5回目の行動のときに目覚めた怪しい光+怪しい光 怪しい光+怪しい光 目覚めた+凍える吹雪 

※エスタークが4回も光を放つことは滅多にない。だいたい1〜3回。

第1ターンのエスタークの行動は『怪しい光+目覚めた』か『怪しい光+怪しい光』のどちらかになる。

怪しい光+目覚めた全体に50ダメージで済む。 
怪しい光+怪しい光全体に100ダメージ。パーティーが一気に壊滅寸前になってしまう。次のターン、エスタークが先制すればパーティーは全滅。 

怪しい光2連発に耐えるには、全員が防御するしかない。全員が防御すれば第1ターンは50ダメージで済むので、第2ターンに勇者かライアンが時の砂を使って時間を戻せる。つまり、

  • 第1ターンに全員が防御。
  • エスタークが第1ターン中に起きなければ、第2ターンに時の砂を使って時間を戻す。

或いは、

  • 第1ターンに全員が防御。
  • 怪しい光を4回使ってくることは滅多にない点に着目し、エスタークが第1ターン中に起きなければ、第2ターンは『目覚めた+凍える吹雪』がが来ると予想して行動(もしか『怪しい光+目覚めた』なら次のターンに時の砂。もし『怪しい光+怪しい光』が来たらパーティー壊滅)。

 
目覚めたあとのエスタークの行動は固定されている。2回行動で、『凍える吹雪→打撃→気合溜め→打撃→(凍てつく波動)→打撃』となる。こちらが補助魔法を使っていないときは凍てつく波動を使用しない。
目が覚めるまでに2〜5ターン掛かるので、エスタークの行動パターンは次の2通りになる。

 3×n+1ターン目 3×n+2ターン目 3×n+3ターン目 
タイプA凍える吹雪+打撃 気合溜め+打撃 (凍てつく波動)+打撃 
タイプB打撃(目覚める)+凍える吹雪 打撃+気合溜め 打撃+(凍てつく波動) 

大した違いがないように見えるが、実は難易度が大きく変わる。

タイプA気合溜めの直後に打撃、凍てつく波動の直後(=スクルトが解除されてすぐに)に打撃など。かなり困る。
タイプB気合溜め打撃の前にスクルト1回分の余裕ができる。凍てつく波動も打撃のあと。タイプAより遥かに楽。

こちらが補助魔法を使っていないときは、凍てつく波動の行動が抜かされ、タイプAとタイプBが入れ替わる。
整理すると、

2回目の行動のときに目覚めたタイプA。補助魔法なしで相手の攻撃を数ターン乗り切り、タイプBに映ってもらう。
3回目の行動のときに目覚めたタイプB。これが理想。

※4〜5回目の行動のときに目覚めたときは、前述のように時の砂で戻る(生きていれば)。

タイプA→タイプBまで耐える方法だが、

3×n+1ターン目凍える吹雪+打撃ライアンとブライは防御。勇者とクリフトは前列2人にベホイミ。
3×n+2ターン目気合溜め+打撃前列が防御し、後衛のクリフトが気合溜め打撃を食らうキャラを予想してベホイミ。予想が外れたら時の砂。ブライはルカニ。

これで行動がずれ、タイプAからタイプBに切り替わるはずだ。
 
さて。ようやく戦闘も本番だ。

  右記の状態ではない場合 +1ターンのコマンド入力時、
既にスクルト状態の場合  
3×n+1ターン目打撃(目覚める)+凍える吹雪 前衛はドラゴン装備のお陰で凍える吹雪でも一桁ダメージしか受けない。ただ打撃が恐いので、クリフトのみスクルト、他のキャラは防御。 ライアンが打撃、勇者はベホイミが打撃、クリフトとブライは防御。 
3×n+2ターン目打撃+気合溜め 勇者がベホイミ、ライアンは安全のため防御、クリフトがスクルト、ブライが薬草かルカニ。 ライアンが打撃、勇者はベホイミが打撃、クリフトはスクルト、ブライは防御かルカニかバイキルトか薬草。 
3×n+3ターン目打撃+凍てつく波動 気合溜め攻撃が恐いので前衛は防御。凍てつく波動のあとに行動することを予想して、クリフトがスクルト、ブライがバイキルト。 スクルト3回掛けで気合溜め攻撃も怖くない。勇者はベホイミか打撃、ライアンは打撃、凍てつく波動のあとに行動することを予想して、クリフトがスクルト、ブライがバイキルト。 

地道にHPを減らしていけば、いずれ勝てる。ポイントは、クリフトのMPをスクルト中心に使い、回復は勇者が主に担当すること。MPが足りなくなったときのために祈りの指輪と魔法の聖水(自分以外のキャラにも使用可能)を持たせておくと、より万全になる。攻撃は主にライアンに任せればよい。
 


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