RPGコラム(DQFF中心)

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7月22日

 

RPGのゲームバランス論〜ラストボス編

例えば、DQ型のシステム(ダメージ値=攻撃力÷2-守備力÷4)で、

 HP MP 攻撃力 守備力 補足 
勇者 260 100 250 150 ベホマズン(消費30) 
戦士 300 0 250 100 賢者の石を所持 
僧侶 230 150 150 100 ベホマラー(消費15) 
魔法使い 200 150 100 100 メラゾーマ(消費20)
バイキルト(消費10)
ルカニ(消費3)
ピオリム(消費4)  

このようなパーティーが、

  • メラゾーマとルカニは効く
  • 毎ターン全体に150ぐらいのダメージを与えてくる
  • 凍てつく波動は使わない
  • 戦士のみピオリム状態じゃないと先に行動できない

このようなラストボスと戦うとする。
このラストボスはHPをどれぐらいに設定すれば、手に汗を握るバトルが期待できるか。
 
まず味方パーティーの回復に掛かるコストだが、

賢者の石全体のHPを70〜80回復(DQ3仕様の場合) 
ベホマラー全体のHPを70〜80回復(DQ3仕様の場合) 
ベホマズン全体のHPを全快 

僧侶のMPは150で、ベホマラーの消費は15なので、10回ほど使用できる。勇者のMPは100、ベホマズンの消費は30なので、3回ほど使用できる。
ラストボスの攻撃は全体150ダメージなので、賢者の石はベホマラーを併用しなければ回復が追いつかない。僧侶のMPが尽きたら勇者のベホマズンに回復を切り替えることで、10+3の合計13ターンはHPを回復しながら戦える。MPが尽きたら玉砕覚悟で全員攻撃するのであれば、計16ターンがパーティーのタイムリミットということになる。
 
続いて、相手に与えるダメージだが、

勇者の攻撃ルカニ+バイキルトで250ダメージ 
戦士の攻撃ルカニ+バイキルトで250ダメージ 
魔法使いの攻撃メラゾーマで180 

ただし、メラゾーマはMPの都合で5発しか使えない(バイキルト3回とルカニとピオリムでMPを37失うため)。
 
このようなとき、各パーティーの最適な行動は、

 勇者 戦士 僧侶 魔法使い ダメージ 総計 
1攻撃 賢者の石 ベホマラー ルカニ 125 125 
2攻撃 賢者の石 ベホマラー 勇者にバイキルト 250 375 
3攻撃 賢者の石 ベホマラー メラゾーマ 430 805 
4攻撃 賢者の石 ベホマラー メラゾーマ 430 1235 
5攻撃 賢者の石 ベホマラー メラゾーマ 430 1665 
6攻撃 賢者の石 ベホマラー メラゾーマ 430 2095 
7攻撃 賢者の石 ベホマラー メラゾーマ 430 2525 
8攻撃 賢者の石 ベホマラー 戦士にバイキルト 250 2775 
9攻撃 賢者の石 ベホマラー 僧侶にバイキルト 250 3025 
10攻撃 賢者の石 ベホマラー ピオリム 250 3275 
11ベホマズン 攻撃 攻撃 攻撃 450 3725 
12ベホマズン 攻撃 攻撃 攻撃 450 4125 
13ベホマズン 攻撃 攻撃 攻撃 450 4625 
14攻撃 攻撃 攻撃 攻撃 450 5075 
15攻撃 攻撃 攻撃 攻撃 450 5525 
16(死亡) 攻撃 (死亡) (死亡) 250 5775 
17(全滅) 

理想的な行動をすれば5775ダメージ与えられるが、そこまで理想的な戦いかたが出来るプレイヤーばかりではない。また、会心の一撃という要素もある。その辺を考慮して、だいだい、ラストボスのHPを5500程度に設定すれば、死闘という言葉に相応しい戦いが味わえるだろう。
このように、オーソドックスなRPGで、ぎりぎりのゲームバランスを設定するのは、それほど難しいことではない。

その2

では、もし仮に、上記のバトルに、MPを全回復するエルフの飲み薬(DQ5)を持ち込んだら、どうなるだろうか。

  1. エルフの飲み薬1つにつき10ターンほど耐久ターンが増加することになる。
  2. 会心の一撃がどんなに高確率で決まっても、エルフの薬1つに敵わない。
  3. エルフの飲み薬の所持数のみで勝負が決まってしまう。

これは、FFのエリクサーにおいても同様のことが言える。
 
MP回復アイテムの数で勝負が決まってしまうという問題を解決するには幾つか方法がある。

  1. 一定の強さを持たないパーティーではどんなに長期戦になっても倒せないようにする
  2. 戦闘中に使用できるアイテムの数に制限を設ける
  3. 安定した長期戦を挑めないよう、ラストボスの攻撃を激化させる

実際はa〜cの方法を組み合わせて使うことが多い。例えばDQ3ではa+c、ロマサガ2ではb+cだ。


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