例えば、DQ型のシステム(ダメージ値=攻撃力÷2-守備力÷4)で、
HP | MP | 攻撃力 | 守備力 | 補足 | |
勇者 | 260 | 100 | 250 | 150 | ベホマズン(消費30) |
戦士 | 300 | 0 | 250 | 100 | 賢者の石を所持 |
僧侶 | 230 | 150 | 150 | 100 | ベホマラー(消費15) |
魔法使い | 200 | 150 | 100 | 100 | メラゾーマ(消費20)
バイキルト(消費10) ルカニ(消費3) ピオリム(消費4) |
このようなパーティーが、
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このようなラストボスと戦うとする。
このラストボスはHPをどれぐらいに設定すれば、手に汗を握るバトルが期待できるか。
まず味方パーティーの回復に掛かるコストだが、
賢者の石 | 全体のHPを70〜80回復(DQ3仕様の場合) |
ベホマラー | 全体のHPを70〜80回復(DQ3仕様の場合) |
ベホマズン | 全体のHPを全快 |
僧侶のMPは150で、ベホマラーの消費は15なので、10回ほど使用できる。勇者のMPは100、ベホマズンの消費は30なので、3回ほど使用できる。
ラストボスの攻撃は全体150ダメージなので、賢者の石はベホマラーを併用しなければ回復が追いつかない。僧侶のMPが尽きたら勇者のベホマズンに回復を切り替えることで、10+3の合計13ターンはHPを回復しながら戦える。MPが尽きたら玉砕覚悟で全員攻撃するのであれば、計16ターンがパーティーのタイムリミットということになる。
続いて、相手に与えるダメージだが、
勇者の攻撃 | ルカニ+バイキルトで250ダメージ |
戦士の攻撃 | ルカニ+バイキルトで250ダメージ |
魔法使いの攻撃 | メラゾーマで180 |
ただし、メラゾーマはMPの都合で5発しか使えない(バイキルト3回とルカニとピオリムでMPを37失うため)。
このようなとき、各パーティーの最適な行動は、
勇者 | 戦士 | 僧侶 | 魔法使い | ダメージ | 総計 | |
1 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | ルカニ | 125 | 125 |
2 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | 勇者にバイキルト | 250 | 375 |
3 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | メラゾーマ | 430 | 805 |
4 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | メラゾーマ | 430 | 1235 |
5 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | メラゾーマ | 430 | 1665 |
6 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | メラゾーマ | 430 | 2095 |
7 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | メラゾーマ | 430 | 2525 |
8 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | 戦士にバイキルト | 250 | 2775 |
9 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | 僧侶にバイキルト | 250 | 3025 |
10 | 攻撃 | 賢者の石 | ベホマラー | ピオリム | 250 | 3275 |
11 | ベホマズン | 攻撃 | 攻撃 | 攻撃 | 450 | 3725 |
12 | ベホマズン | 攻撃 | 攻撃 | 攻撃 | 450 | 4125 |
13 | ベホマズン | 攻撃 | 攻撃 | 攻撃 | 450 | 4625 |
14 | 攻撃 | 攻撃 | 攻撃 | 攻撃 | 450 | 5075 |
15 | 攻撃 | 攻撃 | 攻撃 | 攻撃 | 450 | 5525 |
16 | (死亡) | 攻撃 | (死亡) | (死亡) | 250 | 5775 |
17 | (全滅) |
理想的な行動をすれば5775ダメージ与えられるが、そこまで理想的な戦いかたが出来るプレイヤーばかりではない。また、会心の一撃という要素もある。その辺を考慮して、だいだい、ラストボスのHPを5500程度に設定すれば、死闘という言葉に相応しい戦いが味わえるだろう。
このように、オーソドックスなRPGで、ぎりぎりのゲームバランスを設定するのは、それほど難しいことではない。
では、もし仮に、上記のバトルに、MPを全回復するエルフの飲み薬(DQ5)を持ち込んだら、どうなるだろうか。
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これは、FFのエリクサーにおいても同様のことが言える。
MP回復アイテムの数で勝負が決まってしまうという問題を解決するには幾つか方法がある。
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実際はa〜cの方法を組み合わせて使うことが多い。例えばDQ3ではa+c、ロマサガ2ではb+cだ。