曰 | | ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ__丶(〃´Д`)_ < DQ5の主人公はグランバニアの王子でした。 ||大||/ .| ¢、 | そして、DQ6の主人公もレイドックの王子です。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \__________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 | | ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ__丶(〃´Д`)_ < なぜ2作続けて“王子”という設定にしたのでしょう? ||大||/ .| ¢、 \__________________ _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / DQ5ではパパスやサンチョといった存在感のある ノ__丶(〃´Д`)_ < サブキャラのお陰で、王家の存在にも厚みが ||大||/ .| ¢、 \ ありました。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \_________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / ところがDQ6のレイドック王夫妻は、決して愚鈍な ノ__丶(〃´Д`)_ < 人物ではないものの、パパスとマーサに比べて ||大||/ .| ¢、 \ インパクト不足、というか普通の人です。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \_________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 | | ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ__丶(〃´Д`)_ < DQ6で主人公の身分を王子にしたのは ||大||/ .| ¢、 | 一体どういう狙いからなのでしょうか? _ ||吟||| | .  ̄丶.) \__________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 | | ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ__丶(〃´Д`)_ < …その謎を解く鍵は、ライフコッドにあります。 ||大||/ .| ¢、 \__________________ _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ターニア『えにくす兄ちゃん、大好き…さよなら…』 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / 主人公の妹ターニアは夢の世界の住人でした。 ノ__丶(〃´Д`)_ < 大魔王デスタムーアが消えたことで、 ||大||/ .| ¢、 | 妹ターニアは夢の世界ともども実体を失ってしまいます。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ あっさりした描写ですが泣けたくなるような名シーンです。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / …ここで、よくよく考えてみてください。 ノ__丶(〃´Д`)_ < 主人公だって、もともとは夢の世界の住人です。 ||大||/ .| ¢、 | 本来ならば、ターニアやバーバラ同様、ハッサンやミレーユに _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ さよならと言って実体を失う立場の人間なのです。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / ところが、現実の主人公と合体することで ノ__丶(〃´Д`)_ < 実体を持ってしまいました。 ||大||/ .| ¢、 | _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ しかも…、 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 主人公の本体『ねえ、えにくす。 もし君と僕がひとつになっても、僕の心が消えてしまっても……、 ターニアのことを見守ってあげてくれると約束してくれるかい?』 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / このように主人公は夢側ベースで合体してしまいました。 ノ__丶(〃´Д`)_ < 現実側の記憶も部分的にはありますが、 ||大||/ .| ¢、 \ あくまでベースは夢側、ライフコッドで育った少年なのです。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \_________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / つまり、主人公は、この世界でただ1人、 ノ__丶(〃´Д`)_ < 夢の世界の住人だったにも関わらず、現実世界に ||大||/ .| ¢、 | 残ってしまった人間なのです。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ さらにはっきり言えば…、 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| DQ6の主人公は、デスタムーア打倒と引き換えに、 故郷の家族や友人知人の全てと遮断されてしまいました。 曰 | | ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ__丶(〃´Д`)_ < もちろん、現実のライフコッドの人々は健在です。 ||大||/ .| ¢、 | でも、健在だからこそ、余計につらい。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \__________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / 現実のライフコッドの人々を見て、夢のライフコッドで ノ__丶(〃´Д`)_ < 幸せに暮らしていた頃の楽しい日々を思い出しても ||大||/ .| ¢、 \ 思い出話に花を咲かせることもできないのですから。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \_________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / もし仮に主人公が、過去は過去と割りきり、 ノ__丶(〃´Д`)_ < 現実のライフコッドの人々と新しい人間関係を ||大||/ .| ¢、 | 築いていこうとしても、今度は王子という肩書きが _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ それを邪魔するでしょう。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 | | ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ__丶(〃´Д`)_ < 相手が王子じゃ、村人のほうも、 ||大||/ .| ¢、 | 気楽に声を掛けることすらままなりませんからね。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \__________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / しかも、王子という肩書きは更なる制約を ノ__丶(〃´Д`)_ < 主人公に与えます。 ||大||/ .| ¢、 | 例えば、主人公は王子なので、 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ ターニアと懇意することすら、ままなりません。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / 2人が兄妹だったことを知る者が殆どいない以上 ノ__丶(〃´Д`)_ < 主人公がターニアを厚遇すればするほど、 ||大||/ .| ¢、 | スキャンダルの火種になってしまいます。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ 彼のみそめた相手が次期レイドック王妃ですからね。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / 自分は家族のように接しているつもりでも ノ__丶(〃´Д`)_ < 周囲に恋人だの愛人だのと騒がれてしまう…。 ||大||/ .| ¢、 | 夢の世界でのターニアと暮らしていた日々も _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ 思い出として胸の中に閉まっておくしかないのです。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / さらに、巨大な穴が気になって無謀にも ノ__丶(〃´Д`)_ < 飛び込んでしまうような冒険者肌の主人公には ||大||/ .| ¢、 | 王子としての窮屈な生活は息苦しいでしょう。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ でも彼は一人っ子。逃げるわけにはいきません。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / 要するに、DQ6の主人公にとって、 ノ__丶(〃´Д`)_ < 王子という立場はデメリットのほうが大きいのです。 ||大||/ .| ¢、 | エンディング以降で主人公を待っているのは _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ 王子としての責務と不自由なのです。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / DQ6は“王子になってメデタシメデタシ”な話では ノ__丶(〃´Д`)_ < ありません。むしろ、切ない物語という意味で ||大||/ .| ¢、 \ 実に天空編らしい作品だと言えますね。 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \_________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / …ただ、DQ6はあくまでDQシリーズ。 ノ__丶(〃´Д`)_ < 主人公の心境はプレイヤーが ||大||/ .| ¢、 \ 自ら思い浮かべるものですから、 _ ||吟||| | .  ̄丶.) \_________________ \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / デスタムーアが倒れたあと自分の生活は ノ__丶(〃´Д`)_ < どうなるのだろうと思い浮かべるのはプレイヤーの ||大||/ .| ¢、 | 担当です。その意味で従来のDQと同じ姿勢では _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ DQ6は楽しみにくい物語だとも言えるでしょう。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| 曰 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ∧_∧ / もしもDQ6がFF10のように主人公が ノ__丶(〃´Д`)_ < どんどん喋ったり思ったりする作品だったとしたら、 ||大||/ .| ¢、 | 良い意味でも悪い意味でも、まったく違った印象の _ ||吟||| | .  ̄丶.) \ 作品になっていたかもしれませんね。 \ ||醸||L二⊃ . ̄ ̄\ \__________________ ||\`~~´ (<二:彡) \ ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ . || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| |