DQ4では『初対面の敵=学習ゼロ』だったが、そもそもこれが大きな間違いだ。例えば、バルザックやエスタークは見ただけで“攻撃力が高そう”だと分かる。ビビンバーやブラックマージは見ただけで“魔法が得意そう”だと分かる。サイ男は見ただけで“守備力が高そう”だと分かる。攻撃力が高そうな敵にはスクルト、魔法が得意そうな敵にはマホトーン、守備力が高そうな敵にはルカニという風に、初対面でも有効な戦術は取れるはずだ。
また、この“見た目”の概念を入れることで、“てっきり呪文主体の敵だと思っていたバアラックの攻撃力の高さにびっくり”なんてトラップを仕掛けることもできるだろうな。
下記のように学習メッセージを表示させれば、それだけでプレイヤーのAIに対する信頼感が高まる。
魔物たちを倒した! 経験値80獲得! 25ゴールド手に入れた! バアラックの攻撃力が高いことを学習した! |
はぐれメタルを倒した! 経験値10050獲得! 10ゴールド手に入れた! はぐれメタルにザキが効かないことを学習した! |
アームライオンたちを倒した! 経験値500獲得! 100ゴールド手に入れた! アームライオンの体力を把握した! |
例えば、『イオナズンを使ってきた』+『目の前にいる相手は2回行動する』→『イオナズン2回に耐えられるだけのHPが必要だ』という風に考える。また、敵が複数のときは『1匹につき20ダメージ受ける』→『敵は3人』→『HP80以上は欲しい』とも。
明らかに敵のほうが素早いようなら、相手が先に行動する前提で賢者の石を使ったりしたほうが良い。
こんな感じで。特に重要なのは呪文節約。
みんな頑張れ | 標準的な作戦。 |
ガンガンいこうぜ | MPの消費を深く考えず強烈な魔法を連発する。スライムにベギラゴンとか。爽快感を重視した作戦。 |
命大事に | HP回復のラインを高めに設定する。経験値よりも安全を優先するので、骸骨剣士や死神貴族は正義のそろばんで消す。 |
呪文節約 | 『戦闘中に魔法を利用した際のコスト<戦闘後の回復呪文に掛かるコスト』のときだけ呪文を使う。例えば1撃で100ダメージ受けるなら治療にベホマ(MP7)が必要なので、ラリホー(MP3)で眠らせたほうがコストが掛からない。 |
呪文使うな | 文字通り。 |
色々やろうぜ | AIが学習している定石とは異なる行動を試しに行う。特に、ラリホー、ザラキ、マホトーンなど相手の耐性いかんではまったく役に立たない呪文を試しに使ってみる傾向が強い。 |
モンスター辞典に、そのモンスターに対する学習具合も表示するようにしたら尚いい。
ベビーマジシャン。
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FF8の目玉はジャンクションなので、無闇に命中率やちからの上昇量を増やしたり、属性を付けて個々の武器を差別化する訳にはいかない。
そこで、
優れた武器ほど特殊技の発動率や性能が上がる。具体的には、アルティマニアで『ピンチ度』と呼ばれているパラメーターにボーナス値が付く |
どうせ相手に与えるダメージは特殊技が中心になるのだから、通常攻撃をサポート的な位置付けにするのも面白いかと思ったり。
ケアル | FF9の『癒しの』効果。100個で本来のダメージの33%回復。 |
ケアルラ | FF9の『癒しの』効果。100個で本来のダメージの66%回復。 |
ケアルガ | FF9の『癒しの』効果。100個で本来のダメージ回復。 |
レイズ | トドメを刺した相手がレイズで復活する。『カード集め』『食べる』がすごく楽になる。 |
アレイズ | トドメを刺した相手がアレイズで復活する。死にそうな仲間にトドメを刺してHP完全回復+ST治療にしたり。 |
リジェネ | 殴った相手をリジェネ状態に。意図的にちからを低く抑えておけば、魔法を消費せずに仲間に魔法効果を与えることができる。沈黙状態でも使えるのが利点。 |
プロテス | 殴った相手をプロテス状態に。利点は同上。 |
シェル | 殴った相手をシェル状態に。利点は同上。 |
リフレク | 殴った相手をリフレク状態に。利点は同上。 |
オーラ | 殴った相手をオーラ状態に。利点は同上。特にオーラは貴重なので。 |
ヘイスト | 殴った相手をヘイスト状態に。利点は同上。 |
レビテト | 殴った相手をレビテト状態に。ブラザーズ戦で活躍。 |
メルトン | 殴った相手をメルトン状態に。 |
グラビデ | 通常攻撃が割合ダメージになる。普段は通常攻撃Jグラビデ、HPが高い敵にはトリプル化グラビデ3連発という風に使い分け可能に。 |
ダブル | FF7にあった『連続攻撃』になる。 |
トリプル | 3連続攻撃になる。暗黒と組み合わせると美味しすぎ。9999×3=29997が限界なので特殊技との住みわけも可能。 |
メテオ | 威力半減の10連続攻撃になる。 |
アルテマ | 対象の最も弱い属性の力を発揮する。例えば、ボムが相手なら氷属性、オメガウエポンが相手なら無属性で攻撃できる。 |
ライブラ | 通常攻撃した際にライブラのHP表示の効果。 |
問題は、上記の効果の大半がST攻撃Jでも属性攻撃Jでもない、ということだな。ちょっと、そのまま使えそうではない。
FF5のアビリティを分類してみた。
ジョブチェンジで代用できるもの | かばう、盾装備、鎧装備、カウンター、隠し通路、ダッシュ、盗む、警戒、白魔法、黒魔法、(調べる)、(見破る)、ラーニング、バーサク、時空魔法、ロッド装備、呼び出す、剣装備、格闘、ちょこまか動く、青魔法、斧装備、魔法バリア、魔法剣、召喚魔法、白黒魔、(分身)、先制攻撃、投げる、二刀流、鞭装備、捕らえる、地形、落とし穴回避、ダメージ床、狙う、弓装備、竪琴装備、歌う、ジャンプ、槍装備、白刃取り、刀装備、銭投げ、薬の知識、飲む、治療、踊る、リボン装備、物まね |
簡単しかも魅力的 | 両手持ち、溜める、HP10〜30%アップ、とんずら、煙玉、ぶんどる、MP10%アップ、MP30%アップ、連続魔、竜剣、乱れ打ち、蘇生 |
簡単だけど魅力不足 | チャクラ、なだめる、色目、みね打ち |
難しいけど強力(マニア向け) | まもり、居合い抜き、操る、隠れる、調合 |
趣味系(茶目っ気たっぷり) | 動物 |
FF5のアビリティ制は『未知のアビリティの取得』という要素にはそれほどウエイトを置いていない。FF5のアビリティは基本的に『あるジョブで別のジョブの能力を活用したい』というプレイヤーの我が侭や、組み合わせの妙味を充足させるための機構である。
RPGには2種類のいわゆる“経験値稼ぎ”がある。退屈な経験値稼ぎと、スリル溢れた経験値稼ぎだ。1戦1戦が命懸けで、戦闘回数もそこそこで済むなら、経験値稼ぎを退屈に感じることはない。
PS版DQ4は、退屈な経験値稼ぎを必要としないという意味で、筆者の理想的なDQにかなり近い。機会があったら、ぜひ挑戦してみよう。
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ある程度の腕前があれば、探索中に遭遇した魔物のみ倒し、経験値稼ぎのために同じところを繰り返し歩き回らなくても問題なくクリアできる。
2章はスリル溢れた経験値の醍醐味がとことん味わえる名シナリオだ。
第3章は戦闘メインのシナリオではないので、もちろん退屈な経験値稼ぎをする必要なく先に進める。
最大の山場はコーミズ西の洞窟。
DQ6とDQ7はどちらも『家族だと思っていた人々が実は家族ではなかった』のだが、その後の反応の違いが興味深い。
DQ6 | 主人公の正体は王子。仲良くしてきた仮の妹ともエンディングでお別れ。 |
DQ7 | 主人公の正体は伝説の海賊の息子。だが主人公は育ての親ボルカノの家業を継ぐ。 |
安易に血統に走らず、育ての親との絆を前面に押し出したところが素敵だ。
趣味でRPGをデザインする際の参考になれば。
よくある『HP1でも元気に動けるなんておかしくない?』という疑問に答えたRPGはTRPGにけっこう多い。T&Tのモンスターレートやローズ・トゥ・ロードの能力値ダメージシステムなどが好例か。
ただ、少し考えれば分かるが、HPが下がると能力値にマイナス修正がくるシステムでは『劣勢逆転』が難しい。また、HP100のときの敵からのダメージと、HP50のときの敵からのダメージが変わってしまうので、計算が苦手なプレイヤーが戦略を立てられない可能性も出てくる。
『世界中の言葉が通じるなんておかしくない?』という疑問に答えたRPGは多い。特にTRPGなどでは言語ルールがないシステムを探すほうが難しい。
ただ、DQやFFのようなシナリオが一本道のゲームで言語システムを採用しても意味が少ない。『現地語を取得しないと物語が展開しない』だと単にフラグが1つ増えるだけだし、FF10のアルベド語みたいなネタは1発ネタとしては面白いが、どの作品もその調子だと飽きるし。
ロマサガ1みたいなゲームなら言語システムは活きるだろうな。個人的にはルナティックドーンは言語システムを塔載したほうが面白くなると思うが。
複数の通貨が存在するゲームはTRPGを含めて見ても少数派だ。その最大の理由は、プレイヤーにとって面倒だからだ。例えば、新しい町が見えたとする。もうHPもMPも残り少ない。早く宿屋に泊まりたいが、先に通貨を交換しなければならない…。
もう1つ、為替レートの使い道が『マニアックな金稼ぎテクニック』程度しかないのも大きいか。
舞台を原始時代にして、通貨の代わりとなるアイテムを変更させるという案は面白いかも。
Wizardry外伝3〜4では、裏ダンジョンにラストボスより強い敵が集団で現われる。前衛キャラですらHP200程度しかないのに、全体210ダメージのブレスを3体同時に吐くとか。もはや歯応え云々のレベルじゃない。最初見たときはすげえと思ったけど実際は…。
ラストボスを倒した直後のデータでは裏ダンジョンの雑魚にすら1回も勝てないので、当分はラストダンジョンでの経験値稼ぎを余儀なくされた。裏ダンジョンを早く探索したいのに、それができないのは、かなりツライものがあった。
個人的にはリメイク版DQ3の裏ダンジョンぐらいのバランスが燃え。
Wizardryには、FF8でいうところのST攻撃Jデスな魔物や、レベルを下げていく魔物がいた。…で、実際どうなったかというと、ひどい攻撃を受けたらリセットというプレイスタイルが一般的になってしまった。
単純に最高レベルが30或いは35のDQ3〜5を想像してみるといい。それで『最高レベルでも歯応えのあるバトル』の面白さが分かるはずだ。
高レベルは、レベル上げマニアにとっての高みである前に、戦闘が苦手なプレイヤーのために救済要素だということを踏まえないと、ただの意地悪なゲームになる。
FF8の精製システムですら使いこなせたプレイヤーが少ないのが事実。本当に複雑なゲームよりも、複雑なことをしている気分が味わえるゲームのほうが面白い。
その意味でFF4の戦闘はうまいな。