世界観

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FF8はファンタジーなのか?

FF8には、宇宙ステーションや大陸弾道ミサイルを筆頭とする機械的な要素と、魔女の力や魔物を筆頭とするファンタジックな要素が併存している。この両者の位置付けを理解するには、FF8の世界の昔を想像してみるのが近道だろう。

  • 魔女は神話時代からの存在なので、とうぜん文明発祥以前から存在する。
  • セントラ文明滅亡は月の涙によるもの。とうぜん文明発祥以前から存在するだろう。
  • 科学技術は人間が長い年月を掛けて積み重ねてきたもの。

当たり前の話だが、昔は今ほど科学技術が発達していなかった。一方、魔女や魔物は太古の昔から存在する。つまり、

  • 科学技術が発達する以前のFF8の世界は、いかにもファンタジーな世界だったはずだ。
  • 人類は長い年月をかけて科学技術が発展させたが、魔女や魔物といったファンタジー要素が消滅した訳ではない。
  • 要するにFF8世界はファンタジー世界をベースに、科学が後付けされたもの。

たとえ科学技術がどんなに発達しようとも、FF8世界の本質はファンタジーだと言えよう。

なぜFF8世界で機械文明が発達したのか?

先ほど、FF8世界の本質はファンタジーであると書いた。となると、なぜFF8の世界の人間はあそこまで機械技術を発達させたのか疑問に思う方もいるかもしれない。その疑問を解く手掛かりは、FF8世界における魔法の位置付けにある。

  • 魔法は本来、魔女や魔物が持つ特殊能力。
  • オダインが擬似魔法を発明するまで、人間は魔法を使うことができなかった。
  • 魔法が使えないのだから魔法技術は発達のしようがない。
  • だから人類は機械技術を発展させた。

FF1〜5やFF9〜10の世界では、訓練すれば人間でも魔法を使うことができる。だから、機械技術と同時に魔法技術もそれなりに発展した。だが、FF8世界の住人には、機械文明を発展させる以外に選択肢がなかった
 
FF8世界が機械文明を発達させた理由は、FF6の人類が魔大戦後に機械文明を発達させた理由によく似ている。どちらも人類にとって魔法は遠い存在だったため、魔法に頼ることが出来なかったのだ。ただ、両者では経過した月日が大きく違う。

FF6魔大戦から1000年しか経っていない
FF8文明発祥から数千年以上の月日が経過している

この月日の差がFF6とFF8の文明レベルの差なのだろう。FF8の数百年前にはFF6のように蒸気機関が多用された時代があっただろうし、逆に魔法の存在が完全になくなったFF6から数百年経つとFF7〜8のような世界になるかもしれない。
なんにせよ、FF6の舞台もFF8の舞台も間違いなくファンタジー世界だ。ただ、魔法を使えない人類が魔法に代わる手段として機械技術を発展させただけの話である。

エボンジュと魔女の力の共通点

FF10のエボンジュとFF8の魔女の力には面白い共通点がある。

  • 当人に悪意はないけど結果的に世界の脅威。
  • 宿主が死んだら別の相手に憑依するだけ。
  • だから宿主を倒しても問題の解決にはならない。

だが、そんな厄介な存在への対抗策が対照的だった。

FF10良策なく、結局は憑依対象である召喚獣を皆殺しにしてエボンジュを強引に引きづり出す作戦が取られた。
FF8魔女の力の活動を停止される“封印装置”でアデルごと封印。封印装置の開発には鬼才オダインが関与。

もしもオダインがFF8ではなくFF10の世界にいたら…なんて考えると、おもしろ恐ろしいな。

なぜバラムガーデンは活気に満ち溢れているのか?

なぜバラムガーデンの生徒はあんなに元気でノリがいいのか? 戦争屋の育成学校なのに、ガルバディアガーデンみたいな重苦しい雰囲気がないのは何故なのか?
 
その疑問を解く鍵は、1年近く続いた考察で既に揃っている。

  • 魔女戦争から早17年。スコールたちとそれ以下の世代は戦争の厳しさを知らない。
  • SeeD実地試験を受ける一部の優等生以外は実際の戦場を体験しない。
  • あの若さで最強の精鋭であるSeeDは子供たちにとっては憧れ。

特に、SeeDは子供たちの憧れという設定に注目してほしい。
 
FF8の世界に住む子供たちにとってSeeDは間違いなく最大のヒーローだろう。もしかしたら、フィクションの世界にはSeeDよりも強いヒーローが存在するかもしれないが、「実際に存在する」「努力次第で自分でもなれるかもしれない」という魅力には、凡百のフィクションヒーローではとても太刀打ちできない。

  • SeeDはフィクションヒーローのようなでたらめな強さなのに実在する。
  • SeeDは仕事なので給料が貰える。
  • SeeDは公の存在なので堂々と皆に自慢できる。
  • そんなSeeDになるための学校が実際にある。

SeeDは夢と実利を満たせるトンデモない存在なのだ。しかも、そのための専門学校ガーデンだって子供から見れば夢のようなところだ。

  • 授業でバトルの仕方とか魔法の使いかたとか学べるのは面白そう。
  • 『APとはアクションポイントの略である。Yes? No?』なんてテストなら、テスト勉強もさぞ楽しいだろう。
  • 寮制なのでうるさい親から離れて生活できる(これは人によるね)。

しかも、

  • 魔女戦争から早17年。今のガーデン生は戦争の厳しさを知らない。
  • SeeD候補生以外は実際の戦場を体験しない。

何割かの子供たちはヒーロー養成学校のつもりでバラムガーデンに入学するのではないかな。だから、バラムガーデン生は落ち着きがなく元気に溢れている。SeeDを目指して廊下を走り回る元気いっぱいの少年、SeeDになりたくてトラビアから転校してきたセルフィは、その典型的な例かな。
 

補足1スコールやキスティスには頼れる家族がいない。ガーデン卒業後は自分で自分を養わねばならない。彼らにとって傭兵家業は飯の種だ。一方、ゼルやセルフィにとってSeeDは夢の存在だ。だからSeeDになれて嬉しい、大はしゃぎ。その認識の差が、その後の言動に響いているんじゃないかな?
補足2スコールやキスティス同様、サイファーにも頼れる家族はいない。ガーデン卒業後は自分で自分を養わねばならない。ところが、彼は将来のことはろくに考えず夢ばかり追っていて、気づいたら18歳になってしまった。もう2年しかガーデンにいられない。でも将来設計はゼロ。こりゃ荒れる気持ちも分かるかも。

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