想像&空想

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たまには想像を広げてみるのも面白い。
 
 

サイファーの額に傷がある物語上の理由とは?

なぜ、サイファーの額にはスコールと同じ傷があるのだろう? 一般にこれはサイファーをライバルとして印象付けるための演出だと言われているが、ゲストキャラであるギルガメッシュのかませ犬で終わるような男が本当にライバルなのだろうか。サイファーの額の傷には、もっと別の理由があるのではないか。
 
もしかしたら、サイファーの額の傷には、とても重要な役目があるのかもしれない。

  • アルティミシアは伝説のSeeDの存在を知っている(Disc2での発言より)。
  • もしも伝説のSeeDのことを、名前ではなく、“額に傷があるガンブレード使い”だと聞いていたとしたら…?
  • TV局で大統領を捕らえたのはサイファーだった。事情を知らない部外者から見れば、サイファーはさぞ優秀なSeeDに見えたことだろう。
  • アルティミシアはサイファーを伝説のSeeDと勘違いして味方に引き込んだ。

イデアに憑依していたアルティミシアの発言を思い出してほしい。

  • Disc2終盤、スコールに負けたサイファーに「役立たずめ」と呟く。
  • その直後にスコールに対して「お前が伝説のSeeDだったのか」と語る。

要するに『アルティミシアがサイファーに失望サイファーを2度も破ったスコールこそ真の伝説のSeeDだと思った』ということではないか。Disc1の時点では、サイファーが伝説のSeeDだと思い込んでいたので、スコールのことを伝説のSeeDと呼ばなかったわけだ。
 

補足もしもサイファーがスコールと間違えられて魔女の騎士に抜擢されたのだとすれば『訓練なのにファイアで不意打ちしてようやく痛み分け(=剣技だけではスコールに勝てず)→SeeD落選→人違いで抜擢→拷問係→イデアにまで役立たず扱いされる→ゲストキャラのかませ犬』ということになる。最後の「ぎにゃぁぁぁー!」だけが突出して情けないのではなく、最初から最後まで徹底して情けないのだ。もしかしたら、劇中のサイファーの全てが、丸くなった彼をエンディングで描くための伏線だったのかもしれないな。

宇宙で都合よくラグナロクと出会えたのは何故か?

宇宙は広大だ。いくら、アデル・セメタリーの近くにラグナロクが放棄されているとはいえ、酸素が無くなるまでのあいだにラグナロクに出会うなんて、トンデモない確率。奇跡としか言いようがない。その奇跡を奇跡で終わらせても別に構わないのだが、別の解釈も可能だ。
ヴァリー発動後は制御不能になる点からリノアはまだ魔女の力を使いこなせていないことが分かる。スコールと再会して生きる希望が湧いたリノアの“地上に戻りたい!”という強い思いに魔女の力が反応し、ラグナロクを引き寄せたと。なにせ魔女には時間圧縮なんて荒業すら可能なのだ。ラグナロクの一台や二台引き寄せるぐらい、どうだってあるまい。

シドとサイファーの不思議な関係

シドとサイファーには不思議な繋がりがある。

  1. 命令違反を犯してシュウに厳しく怒られたサイファーにシドは同情的だった。
  2. サイファーのカードの持ち主はシド。

1番はともかく2番は不思議だ。なぜシドなのか。アーヴァインのようにカード絵師に描いてもらっても良かっただろうに。シドがサイファーにこだわる理由は劇中では描かれていない。シドがサイファーのカードを持たせたのは単なる偶然なのかもしれない。だが、次のように想像の翼を広げてみるのも面白いだろう。

  • シドは立場的にも年齢的にもラグナ主演の魔女と騎士の映画を見ている可能性が高い。
  • サイファーはガーデン設立時(12年前)からいて、しかも札付きの問題児だ。シドも彼のことはよく知っているだろう。
  • サイファーの武器と構えはまんま映画の真似。そこからシドはサイファーの夢に気づいたかもしれない。
  • シドもまた魔女の騎士。だから魔女の騎士に憧れるサイファーになんとなく好意的だった。

イデアとオダインの関係

Disc3序盤、イデアはオダイン博士に会いにエスタに向かうと言い出す。このシーンは微妙に変だ。オダイン博士の立場になって想像してみてほしい。いきなり現われた見知らぬ魔女に助けてほしいと頼まれて、はい分かりました、と承諾してくれるものだろうか。イデアの言動はオダイン博士が力を貸してくれるという確信がないと成り立たないような気がする。これは一体どういうことだろう。
 
その疑問を解く手掛かりになるかもしれない一文をチュートリアルで発見した。

オダインもともとはモンスターの研究家で、ガーディアンフォース(G.F.)を見つける。さらに、魔女本人の助力を得て研究を重ねた結果、魔法研究の第一人者となる。魔女の魔法のメカニズムを解明して、魔女ではない人間でも訓練次第で魔法効果を使える擬似魔法マニュアルを完成させる。その応用として、擬似魔法とG.F.の組み合わせによる高度な魔法使用技術を完成させた。この技術はバラムガーデンで使用されている。 

もしも、オダインに協力した魔女がイデアだとすれば(オダインとイデアのあいだでそれなりの信頼関係が築かれているなら)、イデアがオダインに頼ったのも不自然ではなくなるだろう。
 
また、オダインに協力した魔女がイデアかもしれないという仮説は、他の面でも色々と都合がよい。

  • セントラ在住のイデアからエスタ在住のアデルにどういう経緯で魔女の力が継承されたのか大まかに説明できる。研究が終わり帰国するとき、イデアも気づかないあいだに力の継承が起こり、魔女の力はエスタに留まったのだろう。
  • なぜ、バラムガーデンがオダインの発見したG.F.+擬似魔法の技術を活用しているのか。魔女研究に協力した礼にシド夫妻はG.F.と擬似魔法に関するノウハウをもらったのかもしれない。オダイン→シド夫妻→ノーグ→ドドンナ→ガルバディア軍→軍事業界全般という流れも想像できるな。
  • シドが新興F.H.の技術者にガーデンの制作を依頼したのはなぜか。F.H.の技術者たちは元エスタ人。シドがイデアの付き添いでエスタを訪れた際に彼らと交流があり、そのときの縁でガーデン制作を依頼した可能性もあるだろう。
  • そもそも、なぜイデアはオダインの研究に協力したのか。イデアは魔女の力を疎ましく思っている(エンディングでの発言より)。魔女の力を剥離する手段が発見されることを期待して研究に協力したが、残念ながら、その目的は達成できなかった、と推測することもできる。

なぜ未来のSeeDは白い船のSeeDばかりなのか?

バラムガーデンの未来は限りなく暗い。

  • 魔女と戦うためにG.F.を使い続けたスコールたちも、普通の仕事でまで記憶を犠牲にしたくはないだろう。G.F.を利用した戦闘スタイルは廃れ、結果としてSeeDの戦闘力もがた落ちになる。
    SeeDが他国に雇われるのはその圧倒的な力のお陰だ。並みレベルの戦力しかないなら、どこの国が大金を払ってSeeDを雇うだろうか?
  • G.F.の副作用を知りつつ生徒に使わせ続けたことが明るみに出れば、バラムガーデンに対する人々の信頼は失墜するだろう。大不祥事を起こしたガーデンに子供を入学させる親はそう多くないはずだ。
  • SeeDもだめ。学生も減少。場合によっては、元生徒たちから賠償請求を要求されることもあるかもしれない。その危機的状況をシド夫妻+生徒たちで果たして乗りきれるのか?

ガーデンの未来は限りなく暗いのだ。アルティミシアの時代までに、バラムガーデン系のSeeDは途絶え(或いは白い船のSeeDに吸収)てしまったとしても、おかしくない。逆に言えば、
バラムガーデン系のSeeDが途絶えてしまうという前提があるからこそ、FF8の劇中にバラムガーデン系のSeeDと白い船のSeeDの2つの系統を劇中に用意した
という推測もできる。
SeeDとガーデンは、ノーグという規格外の存在と、生徒たちの記憶の犠牲の上に成り立った、幻想だったと言えるかもしれない。


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