Section 3: Making and Editing Scenarios 
 3.シナリオの作成・編集
  本章ではシナリオの作り方、一般的なシナリオ特性の編集の仕方を説明する。その前に、これまでいっそうシナリオを複雑にさせるため無視してきた事柄を拾ってみる。

(メニューバー)

The File Menu(ファイルメニュー)
 これを用いて編集したシナリオを読み込んだり、保存したりする。
 Open(開く)−新しく作成した(既存の)シナリオを読み込むオプション。
 Save(保存)−変更部分の保存。
 New Scenario(新しいシナリオ)−新たにシナリオを作成する。
 Quit(終了)−本プログラムを終了させる。変更した箇所があればまず保存するか否かをたずねられる。

 シナリオはMacintoshとWindowsとでは互換性がある。Macで作成したシナリオはWindows上でも編集・プレイ可能である。逆も可。

Creating a scenario(シナリオの作成)
 新しいシナリオを作成したら、3つのダイアログが現れ、シナリオに関する情報をたずねてくる:

※前々章でも述べたが一応復習の意味で

1番目のダイアログ:シナリオ名とファイル名(8文字以内)を入力する。地上・山岳か洞窟のいずれかの地形を小さなボタンで選ぶ。終わったら"OK"、やめたければ"Cancel"へ。
2番目のダイアログ:野外の横縦のブロック(1ブロックに48×48の区画)数を選ぶ。これは後の変更が出来ないので慎重に選択すること(野外の区画は小さい、だから思ったよりブロック数を多くしなければならない)。
 次に異なる3つのサイズの街がどれくらい必要かを指定する。街ナンバーは大、中、小の順番である(大きい街を3つ指定したら順番は0〜2が大きい街、3以降はそれ以下の規模になる)。例外としては"Warrior's Grove"が0番になる。
 なお、街数は指定後も変更可能である。
 最後は、始まりの街を"Warrior's Grove"(既製の街)にするか否かを指定する。
3番目のダイアログ:0〜30000のナンバーを入れる。これはシナリオのパスワードで、編集する前に入れるものである。0にするとパスワードなし。BoEでの既存の3つのシナリオパスワードは100である。
 これを書き留めておくこと。忘れてしまったらシナリオの編集は出来なくなる。0にしたいときは…あとで変更できる。
 最後はこれでいいかをたずねてきて、シナリオ(の原型)は完成。

Scenario Menu(シナリオメニュー)
 シナリオにおけるたくさんのことがシナリオメニューに設けられている。なお、上級のコマンドに関しては凝ったシナリオを作りたい者だけに許されるもので、初心者は無理して使用することもない。まずはサンプルシナリオを見て習得するしかない。

Create New Town(新しい街を作る)−このタックは新しい街を街リストの後ろに追加するものである。現在街が8つあれば、新しく作った街は8番である(9番目)。新しい街の作り方は本章で後ほど説明する。
Scenario Details(シナリオの詳細)−このダイアログではプレイヤーがゲームの"Custom Scenario Windows"(BoE本体ヘルプ参照)でシナリオを選ぶ際にプレイヤーがごらんになる情報を設定する。Scenarios version(シナリオバージョン)(はじめは1.0.0)、A brief description(手短な説明)(半角60文字以内)、Contact information(連絡先)(Eメールアドレスなど)、Your scenatios rating(シナリオの評定値)(G〜NC-17、Gが最高)、パーティが目的を成すのに必要な経験値(シナリオの難易度)を誰かがシナリオをプレイする前に示しておく。
 プレイヤーがシナリオを手に取ることで冒険レベルをコントロールできないことを記しておきたい。欲しいままにパーティを弱くしたり強くしたり自由である。できることは全てシナリオがあらかじめどのぐらい手強いのかを予告することである。
Scenario Intro Text(シナリオの紹介文)−シナリオを始めたときに現れる紹介文を編集し、"Select Icon"ボタンを押して"Custom Scenario"ウィンドウに現れるグラフィックを選ぶ。
Set Starting Location(初期位置)−シナリオの開始位置は2つある。一つは街中で、もう一つは街を出たときの野外での位置である。
 ここでは一番目に始まりの街を指定し、二番目に街中での開始座標を入力する。(野外で冒険を始めることが出来ない)
Change Password(パスワードの変更)−新しいパスワードを入力。
Edit Special Nodes(特殊節の編集・上級)−メインスクリーン右側にシナリオ節の一覧が表示され、クリックして編集を行う。
Edit Scenario Text(シナリオテキストの編集・中級)−メインスクリーン右側にシナリオテキストメッセージの一覧が表示され、クリックで編集、右クリックで削除する。
Import Town(街を転送する・上級)−他のシナリオ(同一シナリオ)から街を転送する。メモリ内のすでにある街は上書きされる。このオプションを選択すると、転送先番号を訊かれて、街は転送される。ロードする際にパスワードを入力し、上書きする街を選択する。現在の街とサイズが等しくなければならない。(Tower of Magiみたいに複数のシナリオに使用される場合には重宝される)
Edit Saved Item Rectangle(アイテムの収納区画を編集・中級)−最大3箇所までアイテムを収納できるスペースを確保できる(この区画内に置かれたアイテムはなくならない)。収納番号を選んで、頂部、左、底部、右の座標から成るアイテムを記憶する長方形を指定する。指定がなければ街番号は-1とする。3つの街ではそれぞれ違ってくる(アイテムを収める倉庫を製作したい場合に用いられる)
Edit Horses(馬を編集する・中級)− 単一シナリオでは最大24匹も収容できる。馬のいる街番号(無効は-1)を指定し、座標を入力する。その馬が自分の所有でない場合は右ランプをクリックする。矢印ボタンで別の馬を指定する。

(この間は編集とは無関係なので省略)

Edit Boats(ボートを編集する・中級)−これも最大24艘まで収納でき、どれも始まった時点では街中に置いてある。編集方法は馬の場合と同じで、パーティが街に入るまでは新しいボートは現れない(要は編集画面上には現れないという意味である)。
Set Variable Town Entry(街に入る変数の設定・上級)−(これは少々厄介なのでしっかりと習得しておくように)パーティが街に入ると、"Stuff Done Flag"の値による変化が起こる。街ナンバーや加えるべき"Stuff Done Flag"の配列番号を入力する。(注:配列番号は特にこだわる必要はない。要するにイベントで使用されている配列番号とフラッグの配列番号が対応していればそれで十分である。これは単に定義であることに他ならない。)
例:街8は壊されるかもしれない。これが起こると、"Stuff Done Flag"の(3,4)が1になってこのフラッグが街8に加えられ、破壊された状態の街9に移る。
Set Scenario Event Timers(シナリオイベントタイマーの設定・上級)−シナリオをプレイしている間にあらゆることが起こる特別な節がある。左に時間間隔(interval)(厳密には制限歩数)を入力して、右に呼び出すシナリオ特殊節の番号を入力する。"Create/Edit"ボタンを押して指定または編集を行う。時間を-1にすると呼び出されなくなる。
 特殊節を呼び出すには時間がかかることをとどめておきたい。時間間隔は短すぎないように、さもなくばシナリオはうまくプレイできないものになる。
※訳者注:タイムカウント中に戦闘がある場合は戦闘中にも1ターンごとに何歩かカウントされる。したがって、戦闘がある場合のことを考えて時間設計を行う必要がある。
 特殊節の呼び出し時間間隔は10の倍数でなければならない(30、70、100など。55、106なんかはダメ)。
例:時間を100にセットしておき、節を15にすると、100歩ごとに節15が呼び出される。パーティがどこにいようが関係ない。
Edit Item Placement Shortcuts(アイテム配置ショートカットの編集・上級)−10のアイテム配置ショートカットを作成できる。街中にあるアイテムをさらに早く設置できる。"Town Menu"で"Add Random Items"を選ぶと、エディタは並べ替えを通じて、選んだ地形にアイテムを配置する。
 ショートカットを編集するときは、まず地形タイプを選び(右上にある"Choose"を押す)、左のランプで置いてあるアイテムがパーティの所有物でないかを選択する。それから地形に置くアイテムを選び、アイテムが置かれる確率(0-100)を入力する。

例:街にあるドレッサーの25%にズボンが入っていると仮定する。地形スペースを選ぶボタンを押してドレッサーを選択する。下にある"Choose"ボタンを押して、pantsを選ぶ。すると、25%の確率で入っている。
 (というふうに用いられる機会はめったにない。宝箱の中身をランダムに設定するか、草むらや岩肌に隠されている金鉱を探り当てるなどの用途でしかない。:訳者注)
Delete Last Town(最後の街を削除する・中級)− シナリオにおける街リストの最後の街を削除する。(1つしかない場合は)最後の街が削除できない。
Write Data To Text File(データをテキストファイルに書き込む・中級)−シナリオにおける地形やモンスターのリストを出してくれるので便利である。これを選ぶと、地形・アイテム・モンスターがテキストデータに出力される。
Do Full Text Dump(全テキストの出力・中級)−シナリオにある全テキストを出力するのに便利であり、特に校正を行うには打ってつけである。全部の特殊メッセージが出力されるのでしばらくの辛抱だ。

新しい街を作る
 "Making(Create) a new town"を選ぶと、製作する街の情報をたずねるダイアログボックスが登場し、現在の街リストに加わる。上部のテキストエリアに街名を入力する。
 街の大きさボタン、ならびに初期の地形を選ぶボタンをクリックする。
 自動的に新しい街が編集される。新しい街を作る前にシナリオをセーブしなければならない。

メインメニューの使用(図を参照のこと)
見慣れたので必要ない図かもしれませんが、改めて復習の意味として
 メインメニューはシナリオをロードしたり新しいシナリオを作ると現れる最初のスクリーンで、新しい街や野外の項目をロードしたりする。

Edit Terrain Types(地形の編集)−これが押されると、スクリーンの右半分に地形タイプが現れる。編集する地形をクリックする。詳しい情報は"Editing Terrain"の章を参照のこと。
Edit Monsters(モンスターの編集)−スクリーンの右側に全モンスターのリストが現れる。編集モンスターをクリックする。この情報については"Editing Monsters"を参照して下さい。
Edit Items(アイテムの編集)−スクリーン右側にアイテムリストが現れ、クリックで編集する。"Editing Items"を参照せよ。
Create New Town(新しい街を作成する)−メニューバーのものと同じ。
Edit Scenario Text(シナリオテキストの編集)−これもメニューバーにあるコマンドと同じ。
Edit Special Items(特殊アイテムの編集・上級)−スクリーン右側に特殊アイテムのリストが現れ、クリックで編集する。詳しい情報は以下を参照のこと。
Load New Section(ブロックの呼び出し)−シナリオエディタで編集される野外の1ブロックを呼び出す。
 野外の1ブロックを選ぶのかをたずねるダイアログが登場する。右側には X=0、Y=0と表示されていて、上のボタンでブロックのX座標、下のボタンでY座標を指定する。
Edit Outdoor Terrain(野外地形の編集)−これを押すと、野外の1ブロックが編集される。
Load Another Town(別の街をロードする)−編集する街ナンバーを選んで呼び出す。
Edit Town Terrain(街の地形の編集)−現在の街を編集する。
Edit Town Dialogue(街ダイアログの編集・上級)−これを押すと、すべてのダイアログ節が現れる。詳細な情報は次章のダイアログの項ををごらん下さい。

Special Items(特殊アイテム・上級)
 どのシナリオも最大50の特殊アイテムが持てる。これらは特殊なイベントを通じて与えられ、他の特殊イベントでチェックされる。錠が施されているドアに対する鍵は特殊なアイテムであり、ドアの前に来ると通り抜けられるようになる。
 特殊アイテムを編集するには、メインスクリーンにある"Edit Special Items"をクリックし、右側にある50あるアイテムのうち1つををクリックする。ダイアログが現れ、アイテム情報を編集できる、はじめの2つのテキストエリアはアイテム名と説明である(ゲーム中に特殊アイテムをクリックすると現れる)。
 シナリオ開始時にアイテムを持たせたい場合は、最初のボタンをクリック。使えるようにしたいときは2番目のボタン。アイテムが使用されると、シナリオの特殊節を呼び出す。特殊節を作成・編集する場合は"Create/Edit"ボタンを押す。特殊イベントは次章で詳しく説明する。

シナリオ名の変更

 新しいシナリオ名を付けたい場合は"Scenario menu"の"Edit Scenario Text"を選ぶ。メッセージ番号0(右側のシナリオテキスト一覧)をクリックし、シナリオ名を入れる。